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GIGA PCを使わせる風潮に文句がある。【公立中学校】

最近、1人1台端末活用など、必要以上に勧めてくる学校現場の雰囲気にうんざりしているぜ!

全国の教員のみなさん、最近そういう風潮ありませんか?
全国の生徒のみなさん、最近どの教科の先生もパソコンを使う授業をしていませんか?

うんざりしているぜ。

子供たちにGIGA PC でなんでもかんでもアンケートをとらせてくる風潮もよく分からん。

「パソコンをどれくらいの割合授業で使用していますか?」というアンケートがあった。
パソコンの使用頻度について「あまり使っていない 」や「 使っていない」  の回答割合が多い生徒の在籍する学校の先生は、教育委員会から指導されるのだ。「もっとパソコンを使った授業をしましょう。」と。(パソコンの使用率が高いと教科の学力が上がるという相関関係は、今のところない)

授業の目的は、生徒に力をつけさせることだと思っていたのだが、どういうわけか生徒にパソコンを使わせることになっているのだ。

あほ、だな。

まあ、パソコン授業が浸透している数値をアピールすることが目的な人たちにとっては、「パソコンを使おう」と唱えるのは、もっともな行動だと言えるだろう。

■使った方が良いときにパソコンを使う。

授業においてパソコンを使うか使わないかは、授業者が決める。僕の主張はシンプルで、力をつける上で必要であれば使った方がよい。ということだ。そして使いたいのなら、パソコン操作スキルやパソコンを使った伝え方のスキルは磨いた方が良い。

現在僕は中3数学の相似を教えているのだが、授業では問題図をプロジェクターを使って投影している。それができるのは、パソコンのおかげである。

図を手で黒板に書くときもあるが、どうしても長さと角度に若干のズレがでてしまうし、図を書くという授業者の動作は、”生徒が待つ間” を生んでいしまう。

1秒で、生徒の手元のプリントと同じ図が黒板に投影できるので、パソコンは便利だ。使った方が良いと思う今日この頃である。

だが、計算の単元ではパソコンを使わない。黒板に計算の流れを手書きで書くことが、生徒にとって一番の勉強になるからである。

パワーポイントを使って途中式をテンポよく表示させ、計算問題の解き方を提示するのは、結局生徒は手を動かさないのと、一気に情報が頭に流れ込んでいくので、力はつきにくい。

僕は計算の単元においてパソコンを使えないのではなく、使わない。

要するに、授業の単元や内容によって、授業者が最大効率で知識の伝達を行う上でパソコンが有効だと判断したならば使ったら良いのである。

■紙の教科書に戻ったスウェーデン

10月22日付けの読売新聞に「デジタル教科書「紙」に回帰」という記事がありました。
来年度の1年生の教科書から、紙の教科書に戻し、授業でのPCの使用を極力減らす方針が出たとのことです。2016年から2021年にかけてスウェーデンの児童(4年生)の読解力は低下していることが要因だそうだです。
新聞記事の中でスウェーデンの研究者が「学習の記憶は、どのあたりに書かれていたかといった物理的な位置情報にも関連しており、画面上の記憶は残りにくい」と指摘していました。

■プライドを持って授業をしよう

何が何でも1人1台端末を活用せよ!という委員会の主張が浸透し、GIGAを使った指導案や授業研究が目玉に祭り上げられる時代です。

結局授業をするのは、授業者で、目の前にいるのは大切な生徒ですから、その生徒の特性を理解し、力を伸ばすことを目的に授業者は授業を考えたらいいわけです。

教育委員会の主張や新しい授業形態に「チャレンジしてみよう」と思うことはとても大事なことです。でも思考停止で委員会に従順し、目の前の生徒の状態に合わずにパソコンを無理やり使おうとするのは、プロ失格です。

授業者が、授業の内容を決める。プライドをもって授業をつくっていくことが大切だと思います。




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