生徒の潜在能力を利用する授業はシンプル【教員】
授業者が、1から10まで、ひとつひとつ丁寧に教える必要はない。
生徒には既に備わっている潜在能力があるのだから。
問題を解くための要素が1から10まであるとします。生徒は1~10のすべてを理解していないわけではありません。問題を解くための要素の1から4まで理解していて、5から先でつまづいている、といった具合です。
なんでもかんでも1から教えることはありません。
むしろ、1からご丁寧に説明するゴテゴテの授業をすると、生徒は寝ますね。長い間、先生の話を聞くのはしんどいよ。
問題を解決するためのスキルを、生徒は既に持っています。ただ、問題とそのスキルを結びつけることができていないだけです。
問題とその潜在的なスキルを結びつけることで、教師の説明の量が圧倒的に減り、シンプルで分かりやすい授業になっていくのです。
■教科書はゴテゴテ
ほんとに文部科学省がつくった教科書はシンプルじゃない。ゴテゴテ。遠回りの表現が多すぎる。
中1の数学の教科書では、この問題を数直線を使って教えます。
解説がむずいて。
数直線がどういうものか分かっていない生徒、 ”減法” や ”負の方向” の言葉の意味が分かっていない生徒は頭を悩ませます。習いたての新しい言葉が複数でてくるとややこしく感じるものです。
読者のみなさま。”負の方向”ってどの方向か分かりますか?数が小さくなる方向なので、数直線上において左の方向ということです。シンプルに、”左に5歩進む”と書いてくれ。
だから授業者は、「1から説明する必要がある」と思い、ながーい説明をしてしまうのです。
■潜在能力を利用せよ。
中学1年生は「プラス の反対は マイナス 」ということを既に知っています。
乾電池の+-、ポケモンの”プラスル”と”マイナン”などから、自然と知識が身についているのです。
これは、”生徒が+と-が反対の概念であるということを知っている”ということを利用した説明です。
この視点をもつことが、シンプルな授業をする上で、”キー”になってくると思いますね。
自分自身、いくつになってもゴテゴテではなくシンプルで伝わりやすい授業をしたいと思っています。
この記事では生徒の潜在能力について書きましたが、生徒たちの関心や流行を学習内容を結びつけることも、効果のある教え方だと思います。
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