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「ありのままでいいんだよ」と言われた自分を許せないから

ぎゅうぎゅう詰めだった満員電車から、ポツリポツリと人の影が消えていって、ついにはわたしとおじいさんだけになった。

…とはいっても、ここは神奈川のすみっこで、都心から電車とバスを乗り継いで1時間半ほど。すぐに帰れる距離ではある。

実際、社会人3年目まではここから毎日通っていた。朝は始発に乗り、夜は終電を追いかけて。

8月いっぱいを実家で過ごすことになった。理由はみっつある。

ひとつは、車を運転できるようになるため。

筋金入りのペーパードライバーことわたしは、先日八ヶ岳で駅までの道を40分歩いたのち、友だちにピックアップされてお車のありがたみをひしひしと感じることとなった。

ちょうど妹も免許を取りおわったタイミングだったので、ちょうどいいから母を巻き込んで運転教習をしてもらうことにしたのだ。

もうひとつは、とある仕事に専念するため。

ある程度まとまった時間が必要な仕事。友だちが誘ってくれてもふらりと行けないような、フットワークが重くなるような状況でやりきる必要があるから、好きなだけ籠れる実家は最適だった。

そして最後に、「ありのままの自分」を磨くため。

「ありのままでいいんだよ」という言葉はありがたい。現状「ありのまま」で受け入れてくれる人がまわりにたくさんいて、ぬくぬくと暮らしてこれたことは良いことだと思う。

一方で、今の自分の「ありのまま」はあまり好きじゃない。「ありのまま」でいたいけど、もうちょっとマシな「ありのまま」になりたいというか。昔どこかにいた自分の好きな「ありのまま」に戻したいというか。

それは果たして「ありのまま」なのか?というところだけど、自分を好きになるために、根っこの部分をちょっと磨いておきたい。そんな気分。

だからこの1ヶ月は、「自分いいじゃん!」なことをすると決めている。

今日は早速、車を1時間運転して、後伸ばしにしていたワクチンの予約もできて、原稿も2本書いた。

母にも父にも「怖すぎる…」と言われたが付き合ってくれることに感謝だし、これまで散々逃げ続けてきた自分が運転席に座ったという一大決心も自分で褒めてあげたい。

家から駅まで、ちゃんと運転できた。

今月はそんな「自分いいじゃん!」を積み重ねていく月にする。

ありのままであることはすばらしい。

だからこそ、ありのままをちょっと磨いてもっともっと自分のことを好きになりたい。

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