「書くこと」を好きになりたい人のための本ができました。
あれは2020年の5月のことでした。
それまで取材にイベントに駆けまわるような日々を過ごしていた駆け出しフリーランスのわたしの生活は、外出自粛によって一変しました。
いつものように「書くべき」仕事の原稿が手元にない。突然ぽっかりと空いたスケジュールを見つめながら、ううむ、この有り余る時間をどうしようかしらと悩みました。
ずーっと家に引きこもったまま過ごす、代わり映えのない毎日。唯一の楽しみは、せいぜい凝った食事を作って食べることか、アニメや漫画などの娯楽に浸ること。
そのなかで自分にできることは……やっぱり「書くこと」でした。
そうして始めたのが、『「書く」が好きになる文章マガジン』です。
わたしは2018年にライターを始めてから、今年で4年目を迎えますが、それよりも前からずっと、「書く」ことに支えられて生きてきました。
学校でクソみたいなこと言われても家に帰ってそれをノートに「このクソが!!」と吐き出すことでスッキリしたり、ブログで読者に共有することで、笑い話に変えてきたり、「ねぇ聞いて!」という思いで文章を綴ってきました。それは、社会に出てからもずっとそうです。
そして今は、誰でもなんでもネットで自由に自分の思いを吐露できる時代。
一方で、「なにを書いたらいいのかわからない」「人に見せるのが怖い」という声もたくさんいただきました。
もし、みんなが「書く」ことを好きになったら、平凡で変わり映えのない日々のなかで、なにか楽しみを見いだせるんじゃないか。自分の可能性を広げていけるんじゃないか。
そう思って始めたマガジンでした。
それからしばらく経った2020年10月。クロスメディア・パブリッシングさんから一通のDMをいただくことになります。
「書くことが好きになるような本を出しませんか」
なんと編集さんは、ネットサーフィン中に偶然マガジンを見つけ、読んでくれたというのです!
これには素直に驚きました。
だって、わたしはインフルエンサーと呼ぶには超スモール規模だし、ライター経験も浅くてペーペーもいいところ。それに、読んでくれたマガジンだって900字程度の記事が16本あるだけの、ショボマガジンです。
そんなわたしが書けることなんて、あるんか⁉︎ いや、ない!!!と。
「めちゃくちゃ自己流なので、これでいいのか…」
「世の中にはもっといい文章本がありますよ!」
「っていうかもっと素晴らしいnote書いてる人いっぱいいますから!」
noteでバズったり素敵な文章を書いたりしている人たちがエッセイなどを出すならまだしも、「今日は漫画を読んだよ!」みたいな至極どうでもいい日記しか書いてないわたしなんかでいいのかと!!!!
でも、よくよくお話を聞いてみると、編集さんが作りたいのは文章本ではなく、あくまで「書くこと」へのハードルを下げる本。
なにも書いたことのない人が、「よし、ちょっと自分の気持ちを吐き出してみようかな」とペンを握れるような、「心を動かす」本だというのです。
実践的なビジネス書というよりは、背中をちょっぴり押すお守りのような本。
ううううううん、それなら頑張れば書けなくもないかもしれない……?
そんな、「わたしでいいんか⁉︎」な気持ちが拭えないまま執筆に入りました。
ちなみに本を出すのは初めてだったので、右も左もわからず。
最初に目次を決めたら、あとは「はい、書いてください!」でひたすらガリガリ書くわけですが、日々の取材原稿をこなしながら、noteの日記も書きながら、本を書くというのは予想以上に過酷でした。
「もう無理、書きたくない」
…と、「書くことを好きになるための本」を書きながら、わたしが書くことを嫌いになるんじゃないかとヒヤヒヤしたぐらいです。さすがに限度はあるよな。
そんなこんなで、大きな文字でするするっと読めるこーんな簡潔な文章でも、なんと2回も締め切りを伸ばしていただき(スライディング土下座)、2ヶ月遅れの出版となりました……(笑)。
編集さんからの助言はとてもシンプル。
「もっと、ゆぴさんの体験談を入れてください」と。
いやいやいやいや!! それじゃただのわたしのエッセイになっちゃいません?
…とも思ったのですが、目指すべきはやるべきことが淡々と書かれている本ではなく、「わたしが工夫していたのはこんなことでした」と実体験を持って寄り添うこと。
なので、お恥ずかしながら、わたしの過去の経験が赤裸々に入っております。そういう意味ではやっぱりビジネス書という括りではないと思います。
…でも、できあがった原稿を何度も読み返して推敲を重ねながら、読者の背中を押すような言葉をたくさん詰めました。特に音読をめちゃくちゃして、誰も傷つけないようなやさしい言葉選びに気をつけました。
いつも取材対象者の言葉を編集してばかりのわたしにとって、こんなにも長い文章を書くのは卒論以来でマージで控えめに言って「無理かも」と何度も思いましたが、結局規定のページをオーバーして分厚くなりました。ふしぎ!
ただ、分厚い割には文字も大きく、スペースもたっぷりあり、何より語彙力少な……いえ、やさしい言葉しか使っていないので「読みやすい」という言葉をいただいております。
正直、この本は万人には刺さりません。
すでにある程度文章を書けちゃう人にとっては至極「当たり前のこと」が書いてあるから楽しめないと思います。言い切っちゃう。すでに泳げる人がビート板使っても楽しくないじゃん⁉︎
でも、きっとどこかにいる「書くことを好きになりたい」「書くことに自信がない」という人に届くことを信じて書きました。
わたしは人と話すことがあまり得意ではないけど、こんな感じでつらつらーと正直な気持ちを書いてたら、話しかけてくれる人が増え、仕事が増え、「あなたの考えが好き」だと言ってもらえました。
なにも喋ってないのに好きになってくれるって、コミュ障にとってはミラクルじゃありませんか⁉︎
べつに仕事に繋がらなくても、人生がちょっとでも楽しくなればいいと思うのです。
そんな感じで、「お願い!背中を押してくれ!」と書く勇気をもらいたい人は、ぜひお手に取ってもらえたら嬉しいです。
清きAmazonレビューをください…
そして!!!現在Amazonレビューが立ち読みをしてくださったであろう方々による「自費出版でしょ?」「大学生の作文レベル」という大変辛辣なものになってるのでどうか読んでくださった方は清き…清きいちレビューを何卒よろしくお願いします……!
てかわたし書籍内で「人を意図的に傷つけるようなことを書いたらアカンよ!」って書いたやん⁉︎ 読んでや!(笑)
…ふう。
最後に、ポンコツなわたしの可能性を信じて編集者としてお尻を叩きまくってくれた石井一穂さん、あたたかくやさしい想定を手がけてくださった芦野公平さん、デザイナーの金澤浩二さん、DTP、校正会社、印刷会社、製本所の皆さまのおかげでこうして形となりました。本当にありがとうございます。
そしていつもTwitterやnoteを見てくださっている皆さま。誰かが読んでくれるから、今日も書こうと思えます。本当にありがとうございます。
それでは皆さん、楽しく書いて生きましょう!!!
追記:みなさんのおかげでオワコンだったレビューが息を吹き返しました
感謝しかありません。引き続きレビュー絶賛募集中なので、読んでいただいて少しでも「いいな!」と思ったらぜひお願いします。
また、書籍の感想だけでなく、書籍を読んで触発されて書いた日常的な日記も含めて、「#書く習慣」ハッシュタグをつけてnoteを投稿してくださった方はもれなく下記のマガジンにまとめさせていただき、僭越ながらわたしから「いいね」をさせていただきます。
ぜひ、勇気を出して自分の思いを言葉にしてみてください。
追記:noteさんにご紹介していただきました
愛してるよnote!!!!! 大好きnote!!!!! ありがとうございます!!!!!
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