びっくりするほど他人に興味がない人のための本ができました。
他人に興味がない!!
…と言うとサイコパスっぽく聞こえるのであまり公言してはいないのですが、これは長年わたしを悩ませてきたことでもありました。
昔からひとり遊びばかりしているものだから、心配した母が同い年の子たちを2人家に呼んだものの、わたしはひたすら本を読み、2人はおもちゃを巡って喧嘩をし、ほとぼりが覚めたころにわたしが件のおもちゃを拾いにいく…。そんな子どもだったそうです。
学校の休み時間はお絵描き仲間と、絵でコミュニケーションを取っていたのであまり気付きませんでしたが、思い返してみると、会話らしい会話をしていない。学生時代、よく言われていた言葉は「話、聞いてる?」でした。
大人数が苦手。2人っきりになるのも苦手。飲み会が苦手。3人で並んで帰ったら、大体わたしはうしろで余る。
自分から話しかけることもあまりないので、「アンタの隣、つまんないわ」とストレートパンチを喰らったこともあります。辛辣。
「自分は万物にしか興味がないのかもしれない」と思いながら、アニメや漫画を嗜む思春期を送りました。
人に興味がないから自ら話しかけにいかない。
人に興味がないから名前と顔を覚えられない。
人に興味がないから人の話が聞けない。
新卒で入った雑貨メーカーでは営業になってしまい、人と話すのが嫌すぎてメールだけで注文を取ることに成功。しかし、展示会では商品説明がうまくできずにクライアントに泣かされる…という大変辛い思いをしたので、「次は誰とも話さなくてもいいような仕事にするぞ!」という強い意志で広告代理店に入社。無言で仕事ができるハピネスな環境を手に入れました。
だから、その後にライターになりたくて面接を受けた転職先・新R25で、「インタビューライター」になると知ったとき、震え上がりました。
面接受けたときはコラム記事もあったはずなのに、入社タイミングでインタビューメディアにガッツリ舵を切ることになったのです。
やべぇ。インタビューって何!? 無理無理無理無理。人と向き合いたくない。聞きたいことなんて何もない。話したいことなんて何もない。黙ってひたすら文章だけ書きたいからライターを選んだんだがーーーーーーーー!?
と駄々をこねていたのですが、ここでライターになるためには取材にいかなければいけません。これじゃぁ営業職と同じじゃないか!
…と絶望しながらも、先輩の手を借りつつ、毎回めちゃくちゃ緊張しながらテンパりながら冷や汗をかきながら取材を重ねるようになってしばらく。プライベートに変化が訪れました。
なんと、人と普通に会話ができるようになったのです。
ぶっちゃけ今も、別に他人に興味はないし、人見知りであることに変わりはないし、インタビュー前はいつも胃が痛いです。死ぬほど向いてない職業だと思っています。
ですが、この「人に興味がなくても、当たり障りなく人と会話ができる」という武器は、いろんなところでわたしを助けてくれました。
話を聞いているだけで、仕事がめちゃくちゃうまくいくようになったり、相手から好感を持たれるようになったり、人間関係での悩みがなくなったり。
それまでわたしは、「会話」というものは、相手のために頑張って話さなければいけないことだと思っていました。相手のために面白い話をすること。でも逆です。
“自分、あるいは誰かのために”、相手の面白い話を引き出すんです。
これは、インタビューライターの仕事と同じ。「話を聞いてあげる」というよりは、「読者のためにおもしろい話を引き出す」のがインタビューライターの仕事です。
そうすると、自分が興味がなかろうがそんなの関係ない。相手に何を聞くべきかが、ボンヤリと見えるようになっていきます。
わたしは元来、本や動画などから情報を得てきた人間です。だってそれが最大の娯楽だと思ってたから。
でも、人の話って、じっくり聞いてみると意外とおもしろい。本を読むのと同じように、新しい知識や情報がガンガン自分のなかに入ってくるようになります。
相手を前にしても何も聞きたいことが思い浮かばない人へ。話すのが得意じゃない人へ。そして、びっくりするほど他人に興味のない人へ。
他人に興味がないからこそ、私利私欲に塗れた想いで、「聞くこと」を始めてみてもいいんじゃない?
新刊『聞く習慣』Amazonで予約スタート!
そんな想いから生まれた書籍、『聞く習慣』が、本日よりAmazonで予約スタートです!
人に話を聞く前の準備から、相手にいい感じに話してもらうためのコツ、そして聞いた話をどう料理していくか…というところまで、わたしが5年間「インタビューライター」として得た知見を日常会話に落とし込みました。
出版に合わせていろいろイベントもできたら嬉しいので、コラボもぜひお待ちしております。「コミュニケーション」「インタビューライター」「フリーランス」「働き方」などのテーマでお話できたら幸いです!
たくさんの人にお手に取ってもらえますように!
サポートは牛乳ぷりん貯金しましゅ