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嫌な1日を素敵な1日に変える魔法を使ってみた

あれだけまわりが騒ぐものだから、2回目のワクチンを打つのが怖くて怯えていた。

でも、いざポカリスエットをがぶ飲みして挑んだところ、何度測っても最高でも36.4しか出なくて、熱どころか微熱も出ないまま2日が過ぎたのだから笑ってしまう。

一応なんとなく休みにはしていたけど、仕方がないので普通にカタカタと仕事をした。

修理に出していたパソコンが直ったと連絡が来たので、湘南T-SITEに向かった。ちょっと久しぶりの長いドライブ。

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先週訪れたときにはなかったはずのわたしの書籍が、今週は入荷していた。このヘコみ具合からすると、誰かが手に取ってくれたのかなぁ。そうなら嬉しい。

車に戻って母に報告すると、喜んでいた。

本来は海沿いであるはずなのに松の木が生い茂って何も見えない辻堂付近を走りながら、母は「こんなに松が伸びるなんて思わなかったわぁ」と言った。

両手でハンドルをしっかりと握るわたしの隣で、母はいろいろと教えてくれる。

ここは昔一車線しかなかったけど、二車線になってから渋滞することがなくなったとか、七里ヶ浜のおいしいカレー屋さんでは実はピラフが1番おいしいのだとか、鎌倉は車で来るより電車で来てぷらぷらするのが楽しいんだとか。

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母は生まれたときからずっとここに住んでいる。だから、小さな変化も覚えているし、たくさんのいろんな思い出が頭の中にたくさん詰まっているのだ。

そうして鎌倉を抜けるくねくねとした道を抜けるころ、母がとんでもないことを言った。

「そういえば昔、高校の同級生のチャラ男とここを走って、カーブでふくらみすぎて『お前と心中するとこだったわ!!』と言われて、『あたしもごめんだね!!』と返したんだわ」

個人的には衝撃だった。

経験人数をステータスにしているようなチャラ男と母が仲が良かったという事実もだし、普通にドライブに出かけたということも初耳だった。

絶対に付き合いたくはなかったけど、話すと面白くていい奴なチャラ男と母はよく電話をしていたらしい。きっと時代的に固定電話で話しているのであろう場面を想像するとちょっと笑えた。

そして、チャラ男と母が走った道を、わたしは今母を乗せて走っている。

経験人数が豊富ながらも母に手を出さなかったチャラ男は、きっと母のことを貴重な女友だちとして大切にしていたんじゃないだろうか。

思わず私は顔も知らないチャラ男に想いを馳せた。まぁ結婚式には呼ばない程度の仲だったらしいけど。

変わるものもあれば、変わらないものもあるんだと、たしかに一歩間違えれば心中しかねない、ぐうんとした急カーブを徐行して走った。

最近母は韓国ドラマにハマっていて夜ごはんのときに必ず観せてくるのだが、それを観ていると無性に韓国料理が食べたくなるので夜はチーズタッカルビを作って食べた。

「これがあのチーズタッカルビか…」とおいしそうに平らげてくれた。

さて、いよいよわたしは実家から出られなくなってしまった。

東京へのアクセスもそんなに悪くないし、ふらりと足を伸ばせば鎌倉や湘南に行ける立地も気に入ってるし、毎朝母が韓国ドラマを観ているので勝手に規則正しい生活になるし、部屋は広くて快適だし、何より仕事にもぜーんぜん支障がない。

ちょっと東京を離れて暮らしてみるだけで、世界はこんなにも落ち着いていてゆったりとしていて静かだ。もう少し居座っていようと思う。

ところで、今日は寝る前に落ち込むことがあってnoteを書こうかすごく迷った。どんよりとした鉛みたいなのが喉奥につっかえて気持ち悪くて、正直すぐにでも寝てしまいたかった。

でも。ちゃんと言葉にして1日を振り返ってみると、なんとまあ幸福な1日を過ごしていたこと。

終わりよければすべてよしと言ったところで、1日のおわりに嫌なことが起こると、1日すべてが嫌だったふうに変換されてしまうらしい。なんて損なんだろう。

反対に、「いい1日でした」と最後にラベルを貼れれば、その日はいい1日になる。

部分的だろうがなんだろうが、頭に残すところは自由に切り取って決めていいのだ。

ちゃんと勇気を出して日記を書いて良かった。今日もちゃんと、いい1日だった。

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