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人を避けて生きられるわけないじゃんばーか
わたしは他人と関わることがあまり得意ではない。
ひとりだったら自分のことだけを考えていればいいけれど、誰かといたらまぁそういうわけにもいかない。
時に気を遣って、時に迎合して、時に作り笑いをして、他人と関わる。それが苦手で仕方がなかった。
だからひとりで黙々と取り組める文章や絵画の時間が好きだった。誰に干渉されるわけでもなく、どっぷりと浸れる時間が。
でも。
やっばり新しいことは、誰かと出会った瞬間にはじまる。
ひとりで引きこもっているだけじゃ、自分の中でぐるぐると同じことを考えているだけだけど、誰かとちょっと話すだけで、新しい風が吹いたり、なんだこれ、という感情が生まれたりする。
そして結局、まわりを見渡してみれば、この世にあるものはすべて誰かが作ったことであることに気付く。
「人が苦手なんだ…」なんてひとりでカッコつけて黄昏ているときに手に持っている本も、まわりを遮断するために耳に突っ込んだイヤホンから流れる音楽も、口にしたカロリーメイトも、今踏みしめている地面も、だれか他人が作ったもの。
そんな他人が作ったものを当たり前に受けとりながら、「ひとりで生きていきたい」と口に出すだなんておこがましいような気がしてくる。
今まで、たったひとりで生きてきたぜ、なんて言う人がいるけれど、フツーに嘘なのである。
口に入れてきた食べ物は誰かが育てたものだし、身にまとっている衣服は誰かが作ったものだし。声をかけられたことのない人はいないし。仕事はぜんぶ発注している人がいるし。
いい加減認めろや、人はひとりで生きていけないんだよ。
わたしは、たしかに他人が苦手だ。ひとりで生きてきたような顔をして平然と暮らして、人の集まる場所には隅っこの方にひっそりと佇んでいる。
それでも。
人は、ひとりじゃ生きられない。
だから、他人を拒絶したらそれは世界のおわりじゃないか。
一匹狼とかいうけど、この人間界において一匹狼でなんて本当はいなくて、気付かないだけで、知らず知らずに誰かに支えられて生きているわけだ。
ひとりで生きてきたみたいな顔をしているけれど、そんなの嘘だった。
そんな当たり前のことに気付いてしまったので、人と関わるのが苦手、なんて言うのをやめようと思いました。
人と関わらずにはいられない世界でしたわ。
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