142_空虚
なんだかんだありながらも仕事には就けました
これでようやく人様に出れる権利を得られたよ
でも周りを見渡してみたんだ
僕と同じ年齢で
何倍も稼いている
部下がついている
役職を持っている
誰か結ばれている
家庭を築いている
この気持ちは何なんだろう
何も成し遂げていない僕は
たぶん二度と手にできないだろうという諦め
そして二度と追いつけないだろうという諦め
これからずっと諦めていく数が増えるんだな
今はまだ体が思うようには動くから
今はまだ心が新鮮味を求めてるから
今はまだ世間で若いと言われるから
でももう遅いんだなって気づいたんだ
何のためにこれから辛い思いするだろう
何のためにこれから噛み締めるんだろう
何のためにこれから生きていくんだろう
まさに空虚
心の中を覗いても
向こう側が見えるどころか
下手に反射して何も見えないでいる
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