【入院生活 #31日目】一時退院を明日に控えて 先天性心疾患の赤ちゃんたちとの出会い
こんにちは、@hanamizukiです。
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入院生活31日目
明日の一時退院に向けて、主治医の先生からの説明がありました。
“退院ではなく外泊と思っておくこと”
“2週間に一回の外来通院で採血、レントゲン、心電図と検査をしていくこと”
“状態が良くなければ入退院を繰り返していくこと”
“息を止める運動はしてはいけないこと”
“病院内で管理できていた距離から家でも始めること”
“病院では24時間携帯心電図で管理できていたが一番怖いのは不整脈で寝ている時、一人にさせてしまう時など傍にいて様子見してください”
“ハァハァしている、尿が出ていないなどの時は受診すること”
mili君は、5,6人いた主治医の先生たちで、お気に入りの先生たちの名前を出して人見知りながらも自分からお話をするようにもなりました。
N先生のことは
「おかー(息子は私のことをお母さんの「おか」と呼んでいました)、N先生かっこいいよなー!」
N先生は初日の夜の状況を診てくれた先生。
ことあるごとにお部屋にも身にきてくれて「miliさん」ってさん付けしてくれたり、遊ぼうと近づいてきてくれたり。mili君は結局、最終日のこの日にちょっとお話をしただけとなってしまいました。
K先生は若手の先生でmili君みずから「Kせんせいとおはなししてみたいー!」って言っていたほど。最終日のこの日は、明日の退院に向けて、夕方mili君に会いにきてくれてコインランドリー室で2人で新幹線のYouTubeを見てくれたり、mili君とっても嬉しそうでした。
友達のように接してくれる先生たちに、最後のこの日だけちょっと心を許したmili君。それまではお話しようと心を開くことはなく自分から近づくこともなかったのですが、どの人とお話したいかは決めていたようで、しっかり人を見ていたんだなぁと感心したものです。
mili君は、入院中、退院するお友達からお手紙をもらうことがあったのですが、この日は自分のお絵描き帳にお手紙を書く姿もありました。
お勉強したいんだなぁ、字を書きたいんだなぁ、退院後は字を教えよう!って1ケ月ずっと一緒にいたことでmili君の成長を頼もしく思っていました。
想像の世界でお話を作りながら玩具で遊ぶだけではなく、字を書いて想像の世界で遊べるようになるなんて目の前で成長するmili君を見れて本当に嬉しかったです。
4人部屋はこの日、mili君以外2組が退院して、また新しい2組の親子が入りました。
どちらも先天性の心疾患を抱えている子達でした。1歳の赤ちゃんは弁の手術で、1歳8ケ月の幼児は肺動脈が細くて心臓が肥大していると、どちらも生まれる前から先天性の心疾患が見つかっていて、予定手術の入院している子達でした。
心疾患というのは、先天性で見つかるものもあれば、心筋症を発症してすぐ見つかる場合、mili君のように発症した時期がいつなのかわからない、わかった時点で慢性心不全で見つかったように難しい病気であることは今になればわかりますが...それを発見してくれる先生に出会えてなかったことは私たちにとって不運だったなと思っています。
この日出会った赤ちゃんたちは、みな心疾患。
mili君のようにお話をすることはまだできなかったので泣いて不安を訴えます。泣いている赤ちゃんたちにお母さん達は一生懸命慰めますが、赤ちゃんたちは泣き続けます。
mili君は、ずーっと胸の痛さや苦しさがあったと考えるのですが、赤ちゃん達のように不快感や苦しさを泣き続けて訴えるというこはしない子でした。
きっと、一人でじっと我慢してじっと堪えていたんだと思うのです。
「大丈夫?」「苦しくない?」って聞いても、与えられた吸入器がこの苦しさを逃してくれると信じ、喘息用の吸入をして逃れていたのかなぁって今更ながら思うし、私もそう信じていた一人... 吸入器なんて買わなきゃよかった、どう考えても体調を崩しやすいと不安だったのに、紹介状を出すねともなく、私たちも大きい病院に行ってみたいと紹介状を要求すればよかったなと後悔ばかりが募っています。
開業医たちの誤診や過信は「あるべきではない」
誤診や過信で不幸になった親子は他にも沢山いるように思います...
どこかで見つけることができなかったのか、
「病院とは」「医師とは」「こどもの病気とは」
私たちがいい病院と医師に巡り合えなかっただけなのか…
mili君「明日はお家に帰れる!」って楽しみにしていたこの日、退院用の服を持ってきたおと(mili君はお父さんは「おと」と呼んでいました)を窓から見つけると、おともmili君もとっても嬉しそうに手を振っている写真があります。
「あしたはどこでふくをきがえるのー?」
「あしたはゲームをかいたい!」
「あした」のことを楽しみにしているmili君。
「帰れること」「明日があること」を家族で楽しみにしていた日でした。
mili君がお空に逝ってしまった日から
明日があることが苦しい日々が続いています。
“明日があることが楽しみ”
mili君がいるからこその楽しみだったよ。