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小学校の運動会

先日、お世話になっているあるお客様に、「みるださんはニコニコ笑いながら毒舌だよね」と言われたので、毒舌ついでに書いています。

私は何にでも序列があるのは仕方がないと思っています。

かけっこでも、勉強でも、会社での評価も。

その評価に対して納得がいかないことはもちろんありましたが(笑)

 

好きな人にでさえ、序列があります。

一番が娘。
二番が両親。
三番が…
(この序列についてのお問い合わせにはお答えできませんが、あくまで例として(笑))

あなたはどうですか?
 
 

それではお店ではどうでしょうか?
 
 
「お客様は等しくお客様」って思っていませんか? 
 
 
 
私は、思っていません。 
 
 
ちゃんと、お客様に序列があります。 
 
その序列を何で決めているかというと、一度に使っていただける金額ではなく、
 
来店回数
  
です。

これは、あくまで私の指標です。 
 
私はたとえコーヒー一杯でも、回数多く来ていただけるお客様が一番大切です。
 
そういうお客様だったら多少の無理にもご対応しようと思っています。

でも、そういうお客様ほど、無理なことをおっしゃいません。一人営業の店がイレギュラーなことに都度都度対応していたら身が持たなくなることを気にかけてくださっているからです。理解してくださっているのです。

私もご来店が開くと、自分の売上がというより、お客様の体のことなどが気になってメールを差し上げたりしています。

この信頼関係はお金では買えません。

来店回数=お客様といる時間の長さでしか得られないと思っています。
 
以前私は「お客様とは一期一会」だと思っていました。
どんなお客様も分け隔てなく接することがリピートへの始まりだと思っていました。

 
もちろん、今でも、たくさんあるカフェの中からうちのお店を選んでいただけるのはものすごく嬉しいし、来店していただいたお客様には精一杯の接客をしようと思っています。決してぞんざいにしていいということではありません。
 
でも、自分の心のなかで序列は付けていいと思います。口に出すことだってあります。

  
私がそれをよしとしてもいいんだと思ったのには、あるきっかけがありました。 
 
以前、ホテルのラウンジで過ごす人と、大手のコーヒーチェーンで過ごす人にはどんな違いがあるんだろうと、とある超高級ホテルのカフェラウンジに行ったことがあります。

高級ホテルだからってちょっといいもの着て行ったりしませんでした。服のセンスのない私はむしろもっさい格好だったと思います。

ホテルの方が出てこられて、

「ただ今店内が混んでおりまして、入り口近くの席になってしまいますがよろしいでしょうか?」とおっしゃいました。

でもどう見ても店内は空いていました。

私は入り口の一番近いちっとも寛げない席に通されました。

店内はシックな調度品であふれ、心地のよい音楽がかかっていました。

ホテルマンの接客だって丁寧で適当にあしらわれている感じでもありませんでした。

でも、そのあとでやってきた若い女性へのホテルマンの応対は明らかに違っていました。

スッと奥の席に通されて、やり取りするその感じから、女性がたびたびここを訪れているのだということは容易に分かりました。

 

ホスピタリィを重んじる高級ホテルでさえ、序列があるのだと思いました。

その日から私は、お客様に対してちょっぴり「えこひいき」することを罪だと思わなくなりました。

 

私はお客様の選ぶカフェの中で一番でありたいと思っています。

そして誤解を恐れず言うなら

お客様にも「私を一番に思って欲しい」と思っていただきたいと思います。

お互いにそうなれる努力をするのがいいと。

 

私のお店は小学校の運動会ではありません。

参加しただけで誰もが一番にはなれません。

 
 

いまむらみちよ

 

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