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言霊は絶対にある

私は5年前に店をオープンしたとき、

「何気ない日常にちょっとだけ特別な時間」というコンセプトで営業していました。

女性って仕事、家事、育児って色んな役割があって忙しい。自分のためにとれる時間なんてそんなにない。そんな忙しい日常に色を差すようなお店でありたいと思っていました。

だからこう言っていました。

「女の人って忙しくてなかなか自分の時間なんてとれないもんね、せっかくやからゆっくりしてね」

そしてそのとおりになりました。

モーニングからやってきてランチの時間まで食い込んで客単価550円。

ランチ開始11時から5時間滞在で客単価1400円。

450円のドリンクだけで3時間。

そんなお客様が来店し、帰るときに一様に

「あー久しぶりにゆっくりできてよかったー」

そうなんです。ただ言ったとおりになってるだけなんです。

お客様は私の発した言葉を見て、聞いて来店しているだけなんです。

「忙しい」も「ゆっくり」も人によって捉え方、感じかたがちがう。

私にとって平日の昼間に3時間以上の時間がとれる人は忙しい人じゃなかったし、

カフェでゆっくり過ごす時間も5時間ではなかった。

私の店は言葉に出して言ったとおりにはなっていたけど、思った通りにはなっていなかったんです。

店にかける思いなんて、胸のなかに秘めてたって誰にも伝わらなくて、

思いが強ければ強いほど、言葉にきちんと出さないと、ちょっとずれているお客様が来店し、その時は仕方ないと飲み込めても、重なると抱えきれなくなってしまいます。それがだんだんストレスになって体も心も蝕んでいくのです。

誰一人悪くないのに。

私のお店は
「毎日仕事で忙しい女性が、お休みの日に一人でふらっとやってきて、束の間の自由時間を思いのまま過ごし、明日の元気に繋げられる店」です。

5年前と自分が持ってるコンセプトはなにも変わらない。

変わったのはお客様のご職業と、滞在時間と、平均客単価。お店の雰囲気。店前に停まる自転車の数。

あなたも一度振り返ってみてはいかがでしょうか?

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