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捨てられない植木鉢

4年前、お客様に植栽をいただきました。

私は自他共に認める枯らし名人。

オープンのお祝いにいただいた植栽を一年で枯らしてしまい、

「これなら強いから」と分けていただきました。
 

その言葉どおり、どんどん大きくなっていきました。 

2年ほどしたとき、植木剪定をされている方に、

「上ばっかり大きくなってるから切った方がいい」
 
と言われたのですが、ちょうど客席と外の目隠しの高さまで育っていたので、

「これ切ったら外から丸見えだし」と思って触れずにいました。
 

そのうち、葉っぱが出てきてもすぐ枯れるようになりました。

私が自分のお店に対して不満や不安が多くなっている頃でした。

私は思いきってその木を短く切ってもらうことにしました。

そのことで、違う風が入るかもしれない、
自分が今まで信じて来なかった
「気」というものの存在を確かめたくなりました。

植木やさんに頼んで切ってもらったその木は

どの枝も中は黒くスカスカになっていました。
 
見えてるところは葉もたくさんあって、それなりに繁っていたのに。

まるで、自分の店を見ているようでした。

「もしかしたらこれならまだ行けるかも」

という部分だけを残して、全て捨てました。

植木鉢から抜こうとしたら簡単に抜けそうな株を、
私は育てています。

柔らかな緑の葉っぱが出てきて、枯れずに少しずつ伸びているのです。

雨に当てたり、陽に当てたり。

瀕死なのかもしれないけど、生きている植木鉢は

私のお手本です。 
 

生きることを、育つことを

きっと諦めていないから。

今日は台風が近づいていて雨降り。

経済は「自然」がお手本なのだそうです。

 

いまむらみちよ

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