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あなた一人では無理
モノには「質」という言葉がしっくり来るのに、
カフェには似つかわしくない表現だと思っちゃうのはなぜでしょうね。
ホテルじゃあるまいし、街中のカフェで「質」とかいうとなんだか高飛車に聞こえるのかもしれません。
ナチュラルなとか、フラットなとか言う言葉が似あうカフェで敢えて私は
「質のいいカフェ」
を目指しています。
ではカフェの「質」って何でしょうか。
それは客単価が高いとか、調度品をおいているということではありません。
私はこれを
「お客様も店主も全員ハッピーでいること」
と捉えています。
そのために店主ができることって何でしょう?
業務用の食材に頼らずきちんと作っている?
素材を吟味している?
掃除が行き渡っている?
音楽のセンスがいい?
それにかかる手間ってどのくらいでしょうか?
掃除なんて30分もあればできること。素材選びも音楽も業者さんの方が詳しい。
カフェで手作りの料理なんて主婦の延長です。
自分ができることなんてとてもちっぽけですよね。
お店の質のほとんどはお客様に作っていただくものです。
口コミも、紹介も、店の雰囲気もすべてお客様が作り出すものです。
店主の仕事はそんなお客様が満足する「他のお客様」を連れてくることで、それが「集客」と考えています。
数だけ連れてくるのが「集客」ではありませんし、話が合うお客様を連れてくるということでもありません。
お客様同士が話を交わさなくてもむしろその方がいいってことだってあります(自分の時間を乱されたくないとか、集中したい時などもですよね)
お店をやっていると、たくさんのお客様に来ていただきたくて、いろんな方のニーズに応えようとします。
結果、誰のニーズにも応えられない中途半端なお店になってしまいます。
お客様の満足度もさして高くない、自分にも努力しただけの結果が返ってこない、誰もハッピーにはなれません。
それが私の考える「質の悪い店」です。
今、私がお店をやっていて、ランチが美味しいとかシフォンケーキが美味しいとか言われることがありそれももちろん嬉しいですが、一つだけ自慢できるとすれば
「うちのお客様は全員いいお客様」と心から言えることです。
大人気バンド「B'Z」は、「1人に共感していただければ、残り99人に嫌われてもいい」という気持ちで曲をリリースするのだそうです。
あなたのその1人は誰ですか?今すぐに言えますか?
その人が決まらないとその人が喜ぶことは決まりません。
その人が決まらないと「質の良い」店づくりは始まりません。
いまむらみちよ