ラーメンに味の素を限界までぶち込むのを見て失神する前に
リュウジ氏のXに味の素を限界までぶち込んだ「味の素ラーメン」がショート動画で再掲され、改めて物議を醸している。
味の素をさじで入れるという絵面の強烈さよ。
ちなみに、味の素の公式使用量は料理に数ふりで、多くても10ふり=1g/2人前、1人前0.5gということになる。
味の素小さじ1半が何グラムか、うちで実際に量ってみたところ、4.5g程度だった。
味の素ラーメンの使用量は、公式の使用量を大幅に上回る。アンチでなくてもなかなか躊躇する量ではある。
味の素の過剰摂取問題については、リュウジ著『料理研究家のくせに「味の素」を使うのですか?』の「第5章 MSGは本当に体に悪いのか?」で以下のように触れられている。
(MSG=グルタミン酸ナトリウム 味の素の成分)
・1971年ころから味つけ昆布を食べたあとで顔面がしびれるなどの訴えが東京都内の保健所に相次ぐ。
・調査の結果、味つけ昆布に総重量の平均31%という膨大なMSGが含まれていたことが判明。症状を訴えた人たちは空腹時に5〜10個の酢昆布を食べており、MSGを一度に3.3〜14.3g摂取したことになる。
・こうした事例を受けて、1972年、厚生省はMSGの適正使用の指導を通達、日本化学調味料工業協会も指導を強化した。同年味の素社は味の素適量について説明した広告を出す(詳細は割愛するが上記の現行の使用目安量と大きくは変わらない)。
・味の素社の『味の素グループの100年史』において、健康に悪影響を及ぼすMSGの摂取量は体重1kg当たり11gと記載されている。
体重1kg当たり11gということは体重60kgの人にとっては660g、味の素のパンダ瓶9.4本分である。
発症事例での摂取量3.3〜14.3gと、ずいぶん乖離がある理由は謎である(『味の素グループの100年史』原文にもその点の説明はなされておらず、信憑性が問われる記載ではある)。
摂取量3.3〜14.3gでの発症事例があるとすると、今回の味の素ラーメン(4.5g程度)もアウトになりかねないところだが、結論としては、その使用量での因果関係は証明できなかったということなのだろうか。
実際、MSG問題を検討していたWHO / FAO合同食品添加物専門家委員会(JECFA)の1987年の最終結論では、グルタミン酸ナトリウムは、人の健康を害することはないので、1日の許容摂取量を特定しないとしているとのこと。
そうは言っても、どうしてもこの量の味の素は感覚的に受け入れられない…という方は、とりあえず、以下のことだけ把握しておけば良いと思う。
色々な方のコメントを見ると、どうやらラーメン屋ではこの量の味の素を日常的に投入しているらいのである。我々が気づかぬうちに摂取している量なのだ。
化学調味料に賛否あるとしても、リュウジ氏ばかり名指しして人殺し呼ばわりするのはどう考えても不合理だということだ。