見出し画像

本件、リュウジは怒って良し。但し、相手の心が狭いかどうかは別の話だ

ちょっと関係性が分かりにくいけれど、
・「〇〇〇とお仕事してるよね?」のセリフを発したのは代理店
・「僕とお仕事してる企業」は〇〇〇(仮にA社)
・「先方」は「調味料の会社」であり〇〇〇のライバル会社(仮にB社)
・このコラボの話を持ち出したのはB社であって、代理店に落ち度はない
と仮定して話を進める。

おそらく、B社の社内調整の過程で、幹部NGが出たんじゃないかと推測する。
B社の担当者は本当にリュウジ氏とお仕事したかったんじゃないかな。さすがにリュウジ氏とA社との関係に気付いてなかったということは考えにくい。さしずめ、直属の上司はそれでも良いからとGOを出したが、その上のレベルでストップがかかったとか、そんなところだろう。サラリーマンあるあるだ。
いずれにせよ、リュウジ氏に非礼を働く結果になってしまったのは猛省してほしい。料理研究家の立場を軽く見られているのであれば、そこはリュウジ氏は怒っていいと思う。

ただ、「心が広い」「心が狭い」の議論には、私はあまり与しない。
A社とB社の商品がどれくらい近いものなのかにもよるけれど、同じキャラクターを使うことを避けるというのは、割と正当な判断であるからだ
私はマーケティング担当者ではないけれど、商標のことは少し分かるので考察してみる。

例えば、ハナマルキはリュウジパッケージの液体塩こうじを発売している。

この状況で、違う会社X社が、塩こうじまたは似たような調味料にリュウジ氏の写真を使ったら、消費者は「ハナマルキの新作かな?」と勘違いする可能性がある。これを、商標の世界では「出所の混同」という。
ここで、X社の商品の品質が高い場合、X社のライバルであるハナマルキの評判が上がってしまうし、逆にX社の商品の品質が悪い場合、ハナマルキの評判を貶めることになる。どちらにせよ平和的なことにはならないので、健全な会社であれば最初から競合するようなことはしない。

なお、繰り返しになるが、混同が起こるかどうかは互いの商品がどのくらい近いか(商品の類似性)による。極端な例を挙げると、Apple社のリンゴのマークの製品を果物屋の商品と混同する人はいない。
なので、B社がA社との被りNGとしたのが、どんな調味料なのかによって、話は変わってくる。商品の類似性の解釈でB社内の判断が割れた可能性はあると思っている。
いずれにせよ、社内調整が済んでから話持ってきて欲しいものではあるから、B社と縁を切るというリュウジ氏の判断は妥当だと思う。ただ、ある意味B社はA社への仁義を重視したに過ぎない可能性もあることは指摘しておく(A社は気にしないのかもしれないが)。

反対に、「商品が被らなければNGとかない」というA社は、好意的に見れば心が広いと言えるのかもしれないけど、ものすごく嫌な言い方をすれば、単純に意識が甘い懸念もある。むろん、限られた情報からでは何とも言えないのでここではジャッジしない。リュウジ氏が信頼している以上は良い会社なのだろうと期待しておく。

以上、こういう見方もあるということで理解していただければ幸い。

続きの記事はこちら: