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なぜリュウジ氏が「ジェネリックもこみち」なのか、元薬剤師が解説してみた。
リュウジ氏の持ちネタの一つに、「ジェネリックシリーズ」がある。
卵黄とナンプラー、オイスターソースで作る、ジェネリックうに丼
パスタと重曹で作る、ジェネリック油そば
そもそも、リュウジ氏自身、自らを「ジェネリックもこみち」と称していたものだ。
どうもー、ジェネリックもこみちでーす
— リュウジ@料理のおにいさんバズレシピ (@ore825) April 8, 2020
「ジェネリック」は、「ジェネリック医薬品」からの連想で、代替品という意味合いのネットスラングらしいが、
元薬剤師の私としては、以下の思考経路によって「ジェネリック〇〇」の意味を把握するところである。
まず、「ジェネリック医薬品」の呼び方の由来については、東和薬品のHPが詳しい。
ジェネリック医薬品の「ジェネリック:generic」とは、英語で「一般的な」という意味を持つ言葉です。
欧米では、お医者さんがお薬を処方する際に、商品名ではなく一般名(generic name)を記載するケースが多く、後発医薬品を「generics:ジェネリック医薬品」と呼んでいます。それが、世界共通の呼称となり、日本でも「ジェネリック医薬品」と呼ぶようになりました。
例えば鼻風邪のときによく処方される「ムコダイン」は杏林製薬の商品名で、主薬の化合物名は「L-カルボシステイン」。そして、各種の後発医薬品メーカーは、その化合物名を冠した「カルボシステイン錠」という商品を”ジェネリック医薬品”として販売している。
まあ化合物名とか先発品とか後発品とかはここではどうでもよく、言いたいのは「ジェネリック」は「一般的な」という意味であるということ。
そうすると、リュウジ氏が「ジェネリックもこみち」足り得る理由は、以下のように理解できる。
まず、もこみちがいる。
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それを、「料理が得意なイケメン」に一般概念化する。
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かくして、「料理が得意なイケメン」に一般化された「ジェネリックもこみち」の概念が出来上がり、そこにリュウジ氏も包含される(自称)ということになる。
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「ジェネリックうに」も同じ構図である。
リュウジ氏のすごいところは、「うに」を「磯の香りのするタマゴ」か何かに一般概念化するセンスである。ここまでくれば、後はその要件を満たす代用品に落とし込むだけだ。
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現役薬剤師からは、二流の代用品を「ジェネリック」と呼ぶのは、ジェネリック医薬品に対する風評被害を起こすためやめてほしいという意見がある。
一方で、ネットスラングの広がりは止めようがないのも事実。
せめて、「ジェネリック」を、ちゃんと本来の意味である「一般的な」という意味で理解していただければと思う。そうすれば、決して「本家に劣る」というイメージは付かないはずなのだが。