人間だもの(2024年12月30日)
ジャパニーズウィスキーは近年の人気と希少価値で値段がうなぎ登り。
そんな状況を憂う夫の口ぐせは、
「酒を投機にするからまともな値段で買えやしない。酒好きの風上にもおけん」です。
今回の家族旅行では、数年ぶりに行くウィスキーの蔵元を見学して、お気に入りを見つけて買うのを夫と息子は楽しみにしていた。
ウィスキーはそれほど好きでもないわたしは支払い担当。
蔵元で飲んで夫と息子が気に入ったものがあったものの、販売用のボトルは既に完売したとのこと。
しかも、別の蔵元の原酒とブレンドしたもので、次の発売予定はないとか。
手に入らないのかと、なまじ味を知っただけに夫と息子は意気消沈。
仕方なく2番目に気に入ったものを買うことに。
ホテルの近くでとった夕食時も「おいしかったのに残念」と2人で悔しがることしきり。
しかも、ネットでは倍の値段になってるらしい。いくら美味しいとはいえ、倍の値段はねぇ。
ま、縁がなかったね。
ところが、夕食後ふらりと入った酒屋さんで、そのボトルを息子が発見。
棚の1番上に、夫と息子の目を射抜くように輝き鎮座してるではないか。しかも定価で。
普段、20%30%オフ、半額値札をチェックするわたしが定価に感謝する時が来ようとは。ネットのせいで時代は変わった。
ポップには“お1人様1本限り”の文字。
棚には2本。
家族3人で行ってるので2本は許容範囲。
定価ではあるが元々結構な値段のため、1本だけ棚から取る息子に、会計担当のわたしはすぐさま2本目も確保することを指示。
元々結構な値段✖️2本分を支払ってホテルに戻ると、夫と息子は喜びを噛み締めている。
まぁ、嬉しそうなこと。
あきらめていた女性にOK貰ったくらいに上機嫌。
そりゃそうだ。しかも定価。
さて、1本は飲むとして、2本目はどうする?
ネットの市場では倍の値段らしいよ。
家族3人、ネットの価格情報に完全に舞い上がっている。
夫がぽつりと、
「酒の買取店に持って行くかなぁ」
わたしはそのつもりだけど、
いや、あんたがそれ言うかよ。