記憶喪失は月9だけで充分!うちの夫がいつまでも少年過ぎて困るんです
※こちらの記事は、アルロンさんの企画「 #うちの子かわいいでしょ 」に参加しています。(趣旨とちょっと違うかもしれないけど……)
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「みくさん、僕昨日何してたの?全く記憶がないんだけど」
朝起きてからの第一声が、これ。そう聞くなり、私は頭を抱えて重いため息をつく。
「僕、何時に帰ってきた?どうやって帰ってきたんだろう?ビアフェス会場出てからの記憶がない」
「私は、あなたじゃないのでわかりません」
こんなことは、一度二度ではない。記憶が飛ぶのは、月9ドラマのイケメン俳優だけでいい。
ルックスが二宮和也さんや、眞栄田郷敦さんなら許せるのかもしれないけれど。いや、これが毎回だと、どんなイケメンでも許せないかも……。
記憶が飛んでロマンティックなのは、ドラマの世界だけ。現実となると、周りにいる人が迷惑を被るだけである。
今日は、そんな夫の「困ったちゃん」なエピソードを紹介する。
夫は先日、ビアフェスに1人で向かった。ビアフェスとは、年に数回開催されるビール飲み放題のイベントのこと。(※参加費は必要)
夫は毎年、ビアフェスを楽しみにしている。いつもは弟と一緒だが、今年は行く人がいないので1人らしい。
「1人で行く」と聞くなり、私は恐怖と不安で震え上がる。理由は、誰も彼を止められないからだ。
夫は時折、お酒を飲みすぎてしまうことがある。とくに「飲み放題」というシーンでは、お酒を飲めば飲むほど「お得」という考えの持ち主。
食べ放題の時もそう。たくさん食べて、元を取らないといけないのだとか。
でも、いつも食べ過ぎて、家に帰るなり「腹壊したァァァァ!」と叫びながら、トイレに駆け込んでいる。毎度のことなので、なぜ学習しないのだろうと私は思う。
夫婦は、価値観の合う合わないが大事と聞く。私たち夫婦は、その点に関してはバラバラだ。
ご飯の好みも違うから、それぞれが違う店へ入り、あとで合流するというケースも多い。
そんな話を友人にすると、びっくりされることがある。どうやら、我々は一風変わった夫婦のようだ。
さて、もう一度「夫の、お酒の話」に戻そう。夫は時々、乗りすぎて酔っ払い、記憶が飛ぶことがある。
先日も、会場から戻る夫からのLINEにはすっかり困り果ててしまった。
挙げ句の果てに、さらに珍事件が起きる。
なんと「財布がない。どうしよう」と、夫から電話がかかってきたのだ。
「はぁ?財布落としたの?擦られたの?」
「しらーん、わからーん(この時もすでに記憶がない)」
すでに会話のやり取りができない様子。この時点で、酔っ払って記憶がないことを察した。
しかもこの男、家族のグループLINEに「財布がない」と呟き始めたのである。
「警察に届けた方がいいのでは?」と、心配する家族たち。
そして、私も心配して「財布は?どうするの?」とLINEすると……。
なんともふざけたスタンプで返してくるので、流石にブチギレた。
もう、好きにすれば良い。財布を落としたとしても、肝心のカード類はすべてあなたのものだし。もう知らん。
そうは言っても、心配だった。無事、家に辿り着けるのだろうか。財布がないから、クレジットカードを止める必要があるかもしれないし。
そうこうしているうちに、ピンポーンとチャイムが鳴る。インターホンに映る彼は、ふらふらとしていて、まるでボウフラみたい。
酔っ払った状態の夫は、千鳥足で呂律が回っていなかった。ドアを開けるなり、フラフラとした足取りで和室に向かい、そのまま倒れ込んで爆睡。
グァァァと、大きなイビキがあたり一面に轟く。起きる様子もない。きっと、朝まで眠りこけるつもりだ。
彼のカバンをチェックすると、財布があるのを確認する。財布、あるじゃん。そもそも財布の中に定期が入っているので、これがないと帰れないはず。
「財布がない発言」は、どうやら酔っ払った彼なりの虚言だったらしい。酔っ払いのかまってちゃん行動ほど、迷惑なものはないとつくづく思う。
早速私は、家族のグループLINEに「心配をおかけして、誠に申し訳ありませんでした」と送付した。
腹立つけど、これも嫁の勤めである。
朝が来た。
夫の目が覚めると、「俺、どうやって帰ってきたの?」と尋ねてきた。それは私が知りたいわ。
どうやら、会場を一歩出てからの記憶が全くないらしい。
一回意識が戻った時に、名古屋の「八事」に着いていて「あれ?俺、なんで八事にいるんだ?」とは思ったらしいが……。また、そこから記憶を失ったそうだ。
「もう勘弁して欲しい。私があなたの家族に、代わりに謝ってるんだけど。そっちからも、ちゃんと謝って欲しい」
朝から、私の叱責が続く。平和主義なので、揉め事は嫌いだ。できれば誰も怒りたくない。それでも、人には怒らないといけないシーンがある。
怒る方もエネルギーがいるから、本当に勘弁して欲しい。
すると、夫は申し訳なさそうに、朝から卵雑炊を作り始めた。私が怒る時、彼は言い返したりもせず、黙々と何か作業に取り掛かる。手を動かしながら、反省しているのだ。
そんな彼を少しでも「かわいい」とか「しゃーないか」と思ってしまう私は、つくづくダメ男好きなのかもしれない。
【完】
【追伸】
クズ男ネタは、こちらでも色々書いてます。もしよかったらぜひぜひ。
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