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諦めて下さい

仏教的な考えでは、諦めることを『あきらかにみる』という意味で捉えるそうだ。上手くいかない、思うように進まない出来事があると感じたら、それを見て、確認して、手放せば上手くいくらしい。

一度ちゃんと絶望する。絶望を味わって、それを確認したら、ありがとうと言いながらそれを手放せばいいそうだ。

昨日、旦那のお墓参りに言って、初めて泣かなかったからそう思ったのかもしれない。お葬式の時、会社の方達が来られた時に感じた事を思い出した。

旦那が野球チームに入っていて仲良くしていた方達が来られた時には「自分が死んだ時に寂しいと思ってくれる人がこんなに沢山居るかしら?」と思う程野球チームの方達で棺に感謝の言葉の寄せ書きをしてくれ、野球をしている旦那の写真を棺に沢山入れてくれた。

仕事で直接関わりがあって来てくれたのではなく、所属部署代表のような方や女性の職員の方も来てくれたのだが、その女性の職員の方が帰り際に「ちゃんと悲しんで下さいね」と言っていて、その時は全く意味が分からなかったが、それが旦那が亡くなって1年半経ってようやく分かったような気がする。

多分、次々やらなくてはいけない事で頭がいっぱいで、ちゃんと目の前の旦那が死んだという現実が腑に落ちておらず、なんで?なんでこうなった?夢なのか?という気持ちのままだったのをその方は気づいたのだろう。

娘は、来る会社の方達にニコニコしながら油性ペンを渡して、『良かったら、メッセージを書いて下さい』なんて言って、自分も沢山お絵描きしていたのだから。

一度ちゃんと絶望して、それを受け入れて、手放して、別の方法を考える。

手芸していてもわりとそうだ。勢い余って縫いすぎてしまった場合、「あーあ」とガッカリしたあと、まぁ、失敗は成功の元だしね!と糸を1つづつ切って縫い直すか、別の布で作り直す。

料理していてもわりとそうだ。調味料を入れすぎてしまったら、やっぱり「あーあ」とガッカリしたあと、失敗したから分量が分かるよね!と他の材料を足すとか、水で薄めるとか、最初から作り直すとか。

転職にしてもそうだ。この仕事は自分には向いてないなぁと感じたら、「あーあ」とガッカリして、仕事を教えてくれた周囲の人に感謝してから他に興味がある事をやればいい。

これは全部きっと旦那が死ぬことで教えてくれたんだよね。ありがとう。


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