しん次元!クレヨンしんちゃんを鑑賞してみてのざっくりした勢い感想文
『しん次元!クレヨンしんちゃん THE MOVIE』を劇場で鑑賞した。
いい歳こいた大人だが、ちびっこに紛れて浮いてやしないかと思いつつ、一人席について作品が始まったらあっという間にエンドロールだった。
以下はその感想となります。
勢いで書いたものなので、間違った内容もあるかもしれません。
ネタバレも含まれます。気になる方は閲覧回避でお願いします。
【感想1】敵役・非理谷と救い
よくクレしんの映画は大人も泣けるというが、
今回はむしろ大人だからこそ泣ける内容なのではないかと思う。
増税に物価上昇、社会保障も不安定で、お先真っ暗な今の社会。
誰しもが未来に希望を見出せるわけではない。
正直、今回の敵キャラとなる非理谷の言動には共感することが多々あった。
周りだけがキラキラと輝いて見え、自分だけが報われない虚しさ。
なんとか派遣でも働いているのに、ちゃんと働けと若いリーマンに馬鹿にされる、なんと理不尽な社会だろうか。
本人は本人なりに頑張っているのに、応援どころか見下されるのは、あまりにも惨めである。
そんな現代社会の闇の権化とも言える非理谷に光を与えたのが、しんちゃんだ。
パンフには「エモい」がキーワードとあったが、しんちゃんによる救いのシーンは、まさにエモさそのもの。
大人の非理谷に対してではなく、子ども時代の非理谷と出会い、徐々に仲良くなっていくのなんか、好きすぎる…
おまけに「オラの仲間をいじめるなー!」ってそれ、防衛隊のみんなじゃなくて、充くんのことだったのね。
それにしんちゃんは、充くんが敵役の非理谷だということに、その時点では気づいていないのがまた良い。
大人やある程度成長してからでは、充くん=非理谷だと容易く気づくだろうが、
純粋な幼稚園児のしんちゃんはそんなことよりも、充くんに寄り添い、応援し、仲間と呼べるんだから、やっぱりすごい5歳児だ。
その後、充くんが非理谷だったことに気づいてもなお、しんちゃんは拒否することなく仲間と呼んでくれる。
暗いことも多い世の中だけど、良い出会いがあってよかったね、充くん…
【感想2】池ちゃんとヌスちゃん可愛すぎ案件
この作品にはもう一つ、個人的に欠かせないコンビがいる。
池袋教授とヌスットラダマス2世である。
声を当てているのは空気階段で、完全にこれが目当てで観にいったわけだが、初挑戦なのに二人とも上手くて違和感なかったことに感動した。
それにプラスして、二人の関係性があまりにも自分の好みだったので最高でした(語彙力)
超能力を研究し世界を救おうとする池袋教授。
世界を転覆しようと企む悪の親玉・ヌスットラダマス2世。
一見、敵対しお互いを嫌悪するのが普通なふたり。
それなのにである。
互いの携帯の電話番号を知ってる
互いに「池ちゃん」「ヌスちゃん」と呼び合っている
学生時代からの仲(劇中で学ランでのツーショット写真が映る。ヌスちゃんは、おちゃらけたポーズで写ってるから険悪な仲ではなさそう)
攻撃を避けるのに、二人で抱き合って飛ぶ
…など多々仲良しな様子が伺える。
その中でも特に好きだったのが最後のシーン。
「予言の続きを実現させる!」と意気込んで、ヘリに乗り、彼方へ去っていくヌスットラダマス。
その直後、ヘリが故障し、ヌスットごと墜落する。
それを見て「後で助けに行くか…」と池袋教授。
普通ならそのまま放っておくとか警察に突き出してもいいはずなのに
お前ら絶対仲良いだろ!
本当に敵対してる?と疑いたくなる、絶妙にブレてるふたりが好きでした。
作品自体、他の人のレビューや感想を見ると、評価が割れてるみたいですね。
改めて考えると確かにツッコミたくなる部分もありますが、個人的には深く考えず楽しめました。
考察よりもキャラ萌えしたい性分なので、その観点でいうとお気に入りの作品です。正直、一回だけでは内容を追いかけるのに必死で、全ての描写を確認できなかったので、次は細かい動きや絡みなどに意識を向けて観てみたい。
あと池袋教授(もぐらさん)のいびきから物語が始まったのも、空気階段ファンとしても何気に嬉しかった。ちょい役ではなく、がっつり主要キャラに空気階段を起用してくれた大根監督に感謝です。