【必殺料理人みこ】薬膳に多少詳しくなる道 その一 自慢の舌が崩壊した日
20代も終わりの頃、病院に3ヶ月ほど入院しました。完治して出てきたのですが、一つ大きく学んだことがありました。それは、食べることの大切さでした。
それまでのみこちゃんは、食べることは好きでしたが、足りない部分はサプリを飲めば同なじでしょ。ということで、偏食しながらサプリには異様に詳しいという、いびつな食生活を送っていたのでした。案外こういう人は20代女性には多いと思います。
ところが、投与した薬の副作用と、放射線を当てたことにより味覚が完全にぶっ壊れました。先生にはわがままを言って、「病院食不味すぎて食べられない」とか威張っていたのですが、どうも病院食のせいではなかったのです。
先生は「食べないより食べたほうがいいから1階のコンビニで買ってきてもいいよ」だったのですが、好きな味噌ラーメンを食べると、泥を口に入れたような感じ。肉まんを食べると、幼稚園児がこねている粘土を口に入れた感じ、カツ丼を食べると、工業用のゴムを口に入れた感じです。
一切の食べ物が食べられなくなったので、栄養素だけ取れる「エンシュアリキッド」というものを飲んで、後は点滴で栄養補給という生活になってもうた(゚0゚)。
そこそこ高いお店にいっても「この料理の隠し味はあれだ」と当てていたみこちゃんの黄金の舌(自称)は完全に失われました。主治医によれば退院して半年ほどで戻るから、ということだったので絶望はしなかったのがせめてもの救い。しかし、食生活というものがなくなりました。
段々と頭がボーッとしてきて、集中力が出なくなりました。歯で噛んでそれを胃袋に運び、胃袋が繊毛運動を起こして、内臓が活性化し、胃から各種臓器へと血液を通じてそれぞれの担当の臓器へ配送。各臓器が自分の役割を果たす。これが健康な体の特徴で、これによって体は内側から運動によって元気になるのです。
これができなくなったことをまざまざと知り、それまでの「偏食+サプリ生活で文句ねえだろ」というのは、根本的に間違った考えだったのだなと気が付かされました。
食べてこそ、体は元気になる。食べることによる内蔵の運動が引き起こす内側からのエネルギーが、体の免疫力を高め、新陳代謝を促進し、デトックスも自然とやってくれるのだ。やっとそのことに気が付きました。これを読んでくれていて、まだ気がついていない人は、みこちゃんのようにならないうちに、正しい食生活をぜひ身につけて下さい。
そこからみこちゃんは、どうせ食べられないのなら、また食べられるようになるまで、いわゆる「食育」「薬膳」「医食同源」「精進料理」などについて、どうせ時間はあるのだし徹底的に学んでみようと、食べられるようになった日を想像しつつ、いろいろな本をAmazonから病院により寄せて読んでみました。
退院してからは、無理に食べるようにしながら、今日はラーメンが1/3食べられた、などの食育日記をつけていました。その努力もあってか半年かからず3ヶ月程度で、ほぼ味覚がもどってきました。
それからは心を入れ替え、サプリはサプリで使うにせよ、噛んで食べることの幸せを確かめつつ、体調がどんどん良くなっていくことをじんわりと体に経験として染み込ませていきました。
思ったのは、サプリというのは算数や数学の途中の式を理解することの重要さをすっとばして、いきなり答えを見るようなものだ、ということです。
ただしいのは正しいのですが、その途中に胃が繊毛状態で活性化してさらに食欲が出る。老廃物を正しく作り出して排出に回し体に良いエネルギーを全身に血液で運ぶために肝臓や腎臓が働く、などなど、五行説も勉強しつつそれを自分の体で確かめていきました。
いきなりサプリで答えを手に入れるのではなくて、正しい道筋で自分の体で問題を解いてカンニングせずに自力で回答を出す。これが正しい食育なのだろうと、思いました。
まだまだ、勉強途中なのですが、幸いにして『THE NEW COOL NOTER賞』審査委員仲間でもあるNorikoさんは、国際薬膳マイスター、食育マイスターですし、同じく審査委員仲間の ゆうのうえんさんは、有機栽培農園のプロでもありますので、いろいろ教えてもらおうと思っています(^~^)。
*このnoteは【共同マガジン】これが私のイチオシnoteだ!寄稿作品です。
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その二では、ぶちこめば何でも薬膳化する作り置き薬膳の素(みこちゃん考案)をご紹介致します(^~^)。