【遺稿シリーズ】ウォッカと女
みこちゃん家の酒蔵から、某文豪の未発表の遺稿が見つかったので翻訳してみました
(゜0゜)
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ドミートリーニコラーエフは、いつものように場末の小汚い喧騒の絶えない酒場でウォッカを次々と、まるで泥水を飲むように、顔中に渋面を作って飲み干していった。
下級官僚によくありがちな、不機嫌さという自分の習性を存分に発揮しながら、職場でのぐちを店主にまるで喉から蛙を吐き出すように酒くさい息の中で投げかけて無視されていた。
相槌を期待しては無視されていたドミートリーニコラーエフは、隣の女に声をかけた。
「ドーブライ ヂェン」(Добрый день)
帰ってきた言葉は予想に反しており、ドミートリーは苛立った。なぜいつも自分の人生はこうなるのだ。理不尽な怒りが全身を駆け巡ったが、よく考えてみれば今はすでに夜だった。当たり前だ。職場で悪態をついてから、家に帰る気がしなかったのでここに着たのだからすでにもう夜だったのだ。
「ドーブライ ヴェーチェル」(Добрый вечер)
こんばんはと言われたが、おれは「Добрый вечер」とは言えなかったので女はすぐに俺から目を話し、金を払って酒場を出ていったので、俺もとっさに金を払って女を追った。
「なにか御用ですか、お役人様」
女がそう言ったので、「生意気な口を叩くな」と俺は言った。
「大変失礼なことをいたしました」
女が美しく笑ったので俺は踵を返して帰宅した。
あの美しい笑顔がなんだか目に浮かんでしゃくだったので、ウォッカを家で飲み直したが、眠るまでに時間がかかってしまい、もうあと数時間であのくそみたいな職場に行く時間になっていたが、もうこのまま寝るのはやめようと思ってウォッカを飲み続けた。
さて今日はどんな喧嘩をしてやろうと、そう思うと少しだけ酔が回ってきた。
このまま寝てしまって今日は勤務を休んでしまうのもまたいいなと思った時に、意識がなくなったが起きたのはいつもの時間だったので役所に行った。
出入国管理の窓口に座った時に最初に相談者はあの女だったので驚いたが、俺は何ごともなかったかのように話をしたが女もまた何ごともなかったかのように話を聞いていた。
今日もまたあの酒場にいこうと俺は、そう思った。
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嘘ですみこちゃんのオリジナルでしたー(^-^)
第六回目は! ドストエフスキーでしたー