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【遺稿シリーズ】機械

みこちゃん家の父の書斎から古ぼけた紙切れがでてきました。某文豪の未発表の遺稿だったので翻訳してみました
(゜0゜)

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「この機械は一体何なのですか」

生来、人に物を訊くということがまともにできなかった俺は、勇気を出してそう聞いてみた。

「この機械はグルンと手で回すと動くんですよ」

「いえそうではなくて、何を目的とした機械なんですか」

「それはあなたが、この機械を使えば分かることです」

「刃物が見えています」

「安全な刃物ですのでお気遣いなく」

俺は恐る恐る機械に手を触れた。

触れた手の何倍もの量でいきなり刃物が回転した。

よくよくみると、刃物は機械に取り付けられていて次々と回すたびに、刃物はそこからまるで羽ばたくように壁に向かっていった。

ドスンドスンと音がしながら刃物が壁に刺さっていく。

「もうやめてもいいですか」

「すでに始まったことを中途で終えることなどできません」

男は言った。

「回すんですね」

「それしかできないでしょう」

「はい」

そういうと、男は頷いた。

回した。

だんだんと、必死に回した。

次々と、刃物が正面の壁に設計通りだと言わんばかりの正確さで当たっていった。

俺はしだいにその謎の機械を回す自分の指先を信頼した。

次第に焦点が一つに当たってきた。

「当たりましたよ」

思わずこういった。

男は一言だけ言った。

「的に当たるなんてことはこの世の中にないんですよ」

寂寥という名の沈黙が、ナイフのなくなった機械の回転音とともに響いた。

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嘘ですみこちゃんのオリジナルでしたー(^-^)
第十八回目は! カフカでしたー

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