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【コーヒー飲めないくせにカフェでバイト(前編)】~怒涛のメニュー暗記~

こんにちは、Mikoです!

私はワーキングホリデーでオーストラリアに滞在中の約4年間、様々な仕事をしていました。ざっくり分けると、ファーム(農場)、ジャパニーズレストラン(和食店)、カフェの3種。今回はそのうちのカフェで働いた時の話。

渡豪する前から、「オーストラリアにいる間に、いつかはカフェで仕事がしたいなぁ」とぼんやり思っていました。日本にいた時の本業がカフェだったとか、将来自分でカフェをやりたいとか、そういった訳では全くなく、ただ「なんかオシャレだし、オーストラリアっぽい仕事」というイメージでそう思っていました。
ただ、「実際英語もままならない人間が、英語圏でのカフェで働くというのはかなりハードルが高いのではないか…。」そう私は思い、しばらくの間はカフェの求人に応募する勇気も自身もありませんでした。
そしていくつかのジャパニーズレストランで働く中で、英語の接客や会計に慣れ、やっと自分の中でカフェで働く心の準備ができたのです。

しかし実は、英語以外にカフェの仕事へのハードルを高めているものがありました。それは…

コーヒー。


そもそも、私は完全なるティードリンカー(お茶飲み人)なので、コーヒーは一切飲みませんでした。その為、コーヒーの種類も全然わからないし、興味もありません。今でこそ少しだけコーヒーを嗜むようになりましたが、当時は本当にコーヒーは苦手でした。だって苦いんですもん。
しかし人々がカフェに行く一番の目的といえば、カフェという名前だけあって、やっぱりコーヒー。コーヒーはカフェの仕事をする上で、避けては通れない道だったのです。

「別にコーヒー飲めなくても売る方なんだから関係ないんじゃない?」と思われるかもしれませんが、そこはガチでコーヒー知識ゼロの私。「カフェラテ」とか「カフェモカ」とか言葉は聞いたことありますが、何が何やら日本語ですらわからない状態。それを英語で取り扱うというのだからもう情報量が多すぎて、脳みそが付いていけなくなってしまう訳です。
ですが、カフェでの仕事はオーストラリア滞在中に一度は経験したい事だったので、思い切ってその未知のコーヒーワールドに飛び込んでみる事にしました。

ただ、カフェの仕事はしたいと思っても、私の様にカフェ未経験の人はすぐにゲットできるものではありません。ジャパニーズレストランとは違い、応募してくる人は国籍問わずたくさんいますし、カフェの経験者かつ、英語力があるもしくはそもそもネイティブなんていう人がゴロゴロいるのです。

そして、カフェの求人で目に付く「オールラウンダー募集」という文言。All-Rounderとは「万能選手」つまりバリスタ、ウェイトレス、キャッシャーまでなんでもできるという人です。

え……、ハードル高っ……。

しかも、私なんとかウェイトレス、キャッシャーはできるけれども… だけども…

バリスタ……。(絶望)


カフェの求人は、どこもかしこも「オールラウンダー」と「バリスタ」の募集ばかり。ウェイトレスやキャッシャーだけの求人は見つかりませんでした。

はぁ……カフェの仕事、無理じゃん……(泣)

肩を落としていると、ふとある広告が目に入ったのです。

『1日で資格がとれる♪ バリスタコース』

うわーーー!!これだーーーーー!!!(喜)

すぐに申し込み、受講。丸一日で、コーヒー豆の話から始まり、最後はラテアートの実践まで行うという、超スーパー早送りコース
最後にそのコーヒーを飲みながらみんなでお疲れ様と言って修了証を貰って終了。

驚くほど簡単に資格を取れてしまってびっくり。とりあえずバリスタの資格も”一応”とれたので、さっそくちゃっかりレジュメ(履歴書)に追記。そしてたくさんプリントして、良さげなカフェに配りまくりました。

すると、とあるカフェから連絡がありました!話を聞くと、そこはすでにバリスタがいて、逆にバリスタ以外の仕事をしてくれるスタッフを探しているとの事。

なんとーー!!私にぴったり!!!(感動)


嬉しさと同時に、バリスタを求められなくてよかったと心底思いました…!

コーヒーも飲めないズブの素人が1日で取った怪しい資格で、店の看板となるコーヒーを作るなんて事があったらそれはマジでやばい

予想通り活かす事もなかった資格の修了証を横目に、まずはほっと胸を撫で下すのでした。


怒涛のコーヒーメニュー暗記の日々

そこは夫婦でやっている小さなカフェで、営業中は基本2人体制。
バリスタ(旦那さん)はコーヒーを作り、もう一人(私もしくは奥さん)がお会計をします。私は早朝から昼までの勤務で、昼からは代わりに奥さんが働くという勤務体制でした。

お客さんがカウンターに来たら、すぐに私が注文を取ります。バリスタは隣にいるので、それを聞いたらすぐコーヒーを作り始めます。その間に私はお会計を終わらせ、コーヒーが出来上がったらバリスタがお客さんにコーヒーを渡すといった流れです。

仕事をするにあたり、まず私が頭に叩き込まなくてはいけなかったのが、沢山あるコーヒーの種類。

ラテ、カプチーノ、エスプレッソ、フラットホワイト、ロングブラック…

普通にコーヒーを飲む人からするとそんなの初めから知っているかもしれませんが、私はそこからのスタートでした。

おもしろいと思ったコーヒー用語は
マグチーノ

マグカップに入ったカプチーノ
→ すなわち、「店内で大きいサイズのカプチーノ飲みますよ」の意

なんじゃそりゃー!って突っ込みたくなりました…。(でもこれみんな結構普通に言うんです)

まるで新しい言語を覚えているような感覚でした。

そしてそれぞれのコーヒーの値段。そこのレジは、現代のレジの様な便利なものではなく、ただただ巨大な計算機の様な昔ながらのボタン式レジ。画面と言えば、押した数字だけが緑色に表示される「ザ・昭和のレジ」です。

そんなレジで、注文を受けると同時に値段を打ち込み、会計を進めないといけないのです。
やっかいなのは、お客さんが必ずと言っていいほどコーヒーにオリジナリティーを出してくる事。例えば、

「ミルクをローファット(低脂肪)にして」
「スキムミルクで」
「ダブルショットで」
「熱々にして!」
「上にちょっとだけシナモンかけて」など。

うわ… めちゃくちゃ個性出してくる…。


それが私の感想でした。
私が知らないだけで、日本のカフェでもそうなんでしょうか?

要望によっては料金がプラスされるのでそこも要注意なんですよね。英語のリスニングと数字の計算で、私の頭はぐるぐるでした。家では夜な夜な単語帳を使ってコーヒーの名前と値段を繰り返し暗記し、次の日に備えていました。

ところがまさかの急展開

新しい事がいっぱいで大変だけど、充実した毎日が続くと思っていました。
ですが、残念ながらそう長くは続かなかったのです…。

その時の私は知る由もありませんでした。

〈後編に続く…〉


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