「いいと思えないものは売れない」と、上司に反論した日
私はモノを売る仕事をしています。
あっというまに7年目です。
そういえばちょっとひとつ、聞いてほしい自慢なんですけど・・・
4月から昇級が決まりました〜!!!
うれぴ〜〜〜!!
はい、聞いてくださりありがとうございます(笑)ぜんぜん期待してなかったけど、素直に嬉しいです。
で、タイトルの出来事はたしか、3〜4年くらい前のことです。時間が経った今、改めて考えてみようと思って。
買い付けで上司に言われたこと
買い付け、というものに行きました。「新商品を仕入れにいく」という仕事です。
経験になるから!といって、入社3〜4年目の私を上司が連れてってくれました。
到着すると、見たことのない海外の雑貨がズラーっと並んでいます。これいいな!と思うものがあったらこの箱に入れてね、と案内され、しばし自由行動となりました。
そこで私は、めちゃくちゃ戸惑ってしまいます。
なぜなら、自分がいいな!と思えるものを全く見つけられなかったのです。
これ、ホントにうちの店で売るの?
いいモノなのはわかるけど、個人的に「これは欲しい!買う!」と思えるものがない…
そんなことばっかり頭に浮かんできます。
上司にどうした?と声をかけられたので、正直に伝えました。
「素敵だとは思うんですけど、うちの店で売るイメージが湧かなくて…。これを欲しいって思う人は、うちの店に来るのかなって…。」
「そりゃ、今まで扱ったことがない商品だから、イメージは湧かないだろうね。」
上司はそう言いました。
続けて、私は伝えました。
「自分がいいと思えないものを、売りたいと思えません。」
気さくで仲のいい上司だったので、かなり気軽に反論してしまいました。でも、本心でした。そして、上司はこう言いました。
「自分がいいと思うかどうかも大事だけど、買うのは自分じゃないでしょ?」
確かに、それはそうだ。
自分がいいなと思うモノじゃなくて、お客さんがいいなと思うモノを仕入れるんだと。お客さんの好みは自分と違うかもしれない。全てを自分の基準で選ぶなと。
当時の私にはなかった視点でした。
自分の好みはある程度、市場と一致しているだろうって思い込んでたんです。
そして、私は「自分がいいと思うか」という基準しか持ってなかったのです。
でも、疑問は残ります。
お客さんが欲しいかどうかって、どうやったらわかるの?
市場で今、こんなものが売れてます。
そういう実績があればわかりやすいけど。
原石みたいな、可能性が未知のものはどうなるんだろう。賭け?それとも、長年のカンってやつ?
結局、上司から新たな視点は教えてもらったものの、腹落ちしないままその日は帰ったのでした。
買い付けたモノの、その後。
で、その日に私たちが買い付けたモノはどうなったかというと。一部はそこそこ売れたけど、全く売れないモノもチラホラ、という結果に。
私の印象としては「失敗」だったと感じてます。買い付けたモノが100%売れる!なんて、ほぼない。大体がこれはうまくいった、これは失敗した、の繰り返しなんだろうと思います。
どれか選んでみ?と言われ、しぶしぶ私が選んだものも、1個は売れたかな…という結果。
ほら!やっぱり、私が思った通りじゃん。私だって売れると思ってなかったし…
なんて言い訳をしながら、その後、それを売り切るのに必死になるのでした…。
7年目になって思うこと
結論から言うと、「どちらの価値観も正しかった」のだと今は思っています。
結局、人の数だけ価値観や好みがあるんです。
私たちはなるべく、多くの人が「いいな」と思うゾーンのものを探す。神様じゃないから、外すこともあるけど。
そして、後からわかったこと。
それは「知ること」と「売る力」の方が大事だった、ということです。
以前の私には、これが足りてなかった。
私は買い付けに行った時、そこにあるモノの正しい価値を知らなかった。知識もなかった。
そこでしっかり勉強して、魅力を知ること。
どんなモノにも必ず魅力はあるから。
そして、知った魅力を「伝える」という力。
売場や接客で表現して、魅力を知ってもらう。
これが「売る力」ですね。
これが大前提に必要だったのに、過去の私はそこをすっ飛ばして「自分がいいと思うか」という基準でモノを選んでいたなぁ、と反省しました。
まとめ
・自分がいいと思うものを売る
・自分の好みに関わらず、お客さんがいいと思う(であろう)ものを売る
→どちらも正しい。しかし、お客さんがいいと思うものを判別するのは難しい。
【もっと大事だったこと】
・知ること
モノの知識や歴史、魅力を知ること
・売る力
魅力を伝えるため、あらゆる方法で表現すること
自分がいいと思ったものには、自然と「知ること」と「売る力」が最初から備わるんですよね。だから強いし、売れるんだ。
こうやって振り返ってみて、改めて得た気づきでした。
まだまだ、モノを売る世界って奥深いです。
でもとにかく楽しいんですよ。これだから辞められないよなぁ〜!なんて思いました。
また、仕事の話も記事にしようと思います。