Mikky

伊藤美喜雄:山形県立産業技術短期大学校庄内校非常勤講師、元山形県公立高等学校校長、元山形大学農学部非常勤講師。2020年秋の叙勲で「瑞宝小綬章」受章。『生きる糧の宝庫』(はるかぜ書房)『現代に生きる夏目漱石』(はるかぜ書房)『夏目漱石の実像と人脈』(花伝社)等の著書。

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伊藤美喜雄:山形県立産業技術短期大学校庄内校非常勤講師、元山形県公立高等学校校長、元山形大学農学部非常勤講師。2020年秋の叙勲で「瑞宝小綬章」受章。『生きる糧の宝庫』(はるかぜ書房)『現代に生きる夏目漱石』(はるかぜ書房)『夏目漱石の実像と人脈』(花伝社)等の著書。

マガジン

  • 庄内の作家の名言、漱石と庄内の文人、庄内の特産品(英語対訳)

    庄内地方ゆかりの作家・詩人たちと名言・名文、世界の日本文学愛好者に、山形県庄内地方ゆかりの作家・詩人たちの紹介をする。また庄内の特産品おすすめベスト10(英語対訳)を紹介する。

  • 「日々是好日」日々のつぶやき

    日々のつぶやきを投稿します。

  • 夏目漱石と大江健三郎、村上春樹、(英語対訳)

    夏目漱石と大江健三郎(英語対訳)10回シリーズ、夏目漱石と村上春樹(英語対訳)10回シリーズ、です。

  • マイ・セカンドライフ、投稿・寄稿、時遊人、余暇・趣味の愉しみ

    「セカンドライフ」とは「第二の人生、特に定年退職後の人生」です。四苦八苦するこの頃、「四苦」(仏語)とは「生・老・病・死」のことです。これを柱に、セカンドライフの生き方を約20回にわたり述べていこう。「マイ 寄稿・投稿」(17回)も併せてお読み下さい。

  • 『文章の名手・藤沢周平作品の魅力』(英語対訳)

    藤沢周平の作品は、文章に詩情があり、人間の心の機微が巧妙に表現されている。風景描写の美しさと心理描写の丁寧さが際立っている。『橋ものがたり』、『せみ時雨』、『三屋清左衛門残日録』、『溟い海』、『暗殺の年輪、』藤沢周平エッセー『周平独言』など、『日暮れ竹河岸(たけがし)』、『霜の朝』、『時雨のあと』、『静かな木』、『早春』(英語対訳)からその例を紹介しよう。

最近の記事

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ライフワーク夏目漱石研究のマガジン・著書(英語版)出版めざす !

 夏目漱石研究をライフワークにしているが、英語語圏の文学愛好者に発信するため、『現代に生きる夏目漱石』Natsume Soseki Living in the Present Age --His Essays and Short Stories --[English Version,]刊行をめざしています。章ごと、作品ごとマガジンで毎週目安に発表し、添削や感想を寄せていただき、アップデイトしていきます。画期的な著書にしたいと思います。

    • 庄内の特産品おすすめベスト10(英語対訳)1                Top 10 Recommendations・Special Products of Shonai (Japanese-English Translation)1

      1 庄内米  山形県庄内地方は平らな広い水田がたくさんあり米作りが盛んです。庄内地方で一番多くつくられている米「はえぬき」は、ねばりが強く、ご飯を炊いて時間が経っても品質が大きくくずれることはなく、おいしく食べられます。 いろいろなお米とブレンドしてもおいしく、他のお米との相性がよいようです。  「つや姫(つやひめ)」は、平成22年にデビューした山形県のブランド米です。山形県はコメ生産量全国第4位です。 1. Shonai Rice   The Shonai regi

      • ◎日々のつぶやき 56

        56 「秋愁」「孤独」を味わう。  秋になって、心に何かを感じたり思ったりをすることをいう「秋愁」はシュウシュウと読み、また訓にして「あきうれい」とも読みます。春は「春愁」といい、秋は「秋思」とも言います。憂鬱で心が晴れないこと。 なんとなくもの悲しく、ものうい感じ、という意味です。  孤独には、「ソリツュード」(solitude:愉しめる孤独)と「ロンリネス」(lonliness:不安で辛い孤独)があります。孤独(一人の状態で成長する)、孤独感(読書などで解消)を味わい、小

        • 夏目漱石と村上春樹(英語対訳)10      Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)10

          10 文体や視点の比較 (2)(2)視点について  漱石の視点は人間の側から自然へ向かい、また人間の内部に回帰するという反復の中で、人間の心の中にある自然と不自然を描き、その中から人間のめざすべき真の美を抽出しようとしています。  村上春樹の視点は、人間の持つ心の闇、意識するとしないに拘わらず、実は誰もが持っている心の深い井戸の底へ自己の意識を掘り下げることによって、あるいは壁を往来させることによって自己を再構築させ、社会の一分子として存在できる状態にするようになっていま

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        • 庄内の特産品おすすめベスト10(英語対訳)1                Top 10 Recommendations・Special Products of Shonai (Japanese-English Translation)1

        • ◎日々のつぶやき 56

        • 夏目漱石と村上春樹(英語対訳)10      Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)10

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        • 庄内の作家の名言、漱石と庄内の文人、庄内の特産品(英語対訳)
          21本
        • 「日々是好日」日々のつぶやき
          56本
        • 夏目漱石と大江健三郎、村上春樹、(英語対訳)
          20本
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        • マイ・セカンドライフ、投稿・寄稿、時遊人、余暇・趣味の愉しみ
          46本
        • 『文章の名手・藤沢周平作品の魅力』(英語対訳)
          231本
        • 大人の英語学習:学習方法、盲点、略語、なぞなぞ、自作俳句英訳
          101本

        記事

          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)9      Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)9

          9 文体や視点の比較(1)(1)文体について  漱石は文学作品で視覚的情景を言葉に表し、絵画的な言語表現と流暢な流れを持つ表現をしている。『坊っちゃん』も『草枕』もそれぞれ文体が異なっている。司馬遼太郎は漱石の文体を「恋愛から難しい論文まで書くことの出来る万能の文体」と述べている。  一方、村上春樹は聴覚的情景を表現し、想像性豊かな比喩が密集した言語表現を散りばめている。文体の変化は見られない。  『小澤征爾さんと、音楽について話をする』(村上春樹著 新潮社)で、村上春

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          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)9      Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)9

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          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)8         Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)8

          8 『こころ』と『ノルウェイの森』の類似性 (2)(2)内容の「類似性」  『こころ』と『ノルウェイの森』の内容の「類似性」がある。『こころ』の中で、封建的で国家主義の社会から、合理主義・自由主義・資本主義社会への移り変わりの中、このような淋しさや孤独、自己喪失が付きまとうことを、百年前の漱石は早くも見抜いていました。村上春樹も『こころ』から七十三年後の『ノルウェイの森』で、そうした現代社会の淋しさや孤独を描き出しています。孤独な現代人や一人っ子に好まれ読まれているのです。

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          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)8         Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)8

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          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)7         Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)7

          7 『こころ』と『ノルウェイの森』の類似性 (1)   漱石の『こころ』が現代作家に与えた影響をはっきりと確認できる作品の一つに村上春樹の『ノルウェイの森』を挙げることができる。 『こころ』と『ノルウェイの森』に類似点が散見されるので比較しみよう。 ・『こころ』のあらすじ 「先生と私」:先生と私は鎌倉の海岸で知り合い、帰京してからも先生のお宅をたびたび尋ねるようになった。親しくなっても、先生には不思議な感じが消えないまま。先生を包む暗い影の正体を知るため、私は先生に過去を

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          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)7         Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)7

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          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)6         Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)6

          6 漱石と村上春樹の男女三角関係作品  村上春樹は、文体に強く惹かれた作家の具体例として、「僕が文体としてこれまで強く惹かれた人々を具体的にあげると、フィッツジェラルド、カポーテイー、チャンドラー、ブオネガツト、夏目漱石、その他いろいろあります」と述べています。そして、「僕は漱石って好きですが、『明暗』と『こころ』だけはどうしても好きになれません」(余裕やユーモアが感じられないから)と述べています。  漱石は約十年間で多くの男女三角関係小説を執筆しました。漱石の男女三角関

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          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)6         Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)6

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          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)5        Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)5

          5 ホームページ「村上さんのところ」と『職業としての小説家』

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          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)5        Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)5

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          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)4          Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)4

          4 村上作品の特徴(平易な文章と難解な物語)(2)(2)作品のストーリーはしばしば難解  一方、文章の平易さに対して作品のストーリーはしばしば難解だとされています。村上自身はこの「物語の難解さ」について、「論理」ではなく「物語」としてテクストを理解するよう読者に促しています。物語中の理解しがたい出来事や現象を、村上は「激しい隠喩」とし、魂の深い部分の暗い領域を理解するためには、明るい領域の論理では不足だと説明しています。このような「平易な文体で高度な内容を取り扱い、現実世界

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          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)3      Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)3

          3 村上作品の特徴(平易な文章と難解な物語)(1)(1)平易な文章  平易で親しみやすい文章は村上がデビュー当時から意識して行ったことであり、村上によれば「敷居の低さ」で「心に訴えかける」文章は、アメリカ作家のブローティガンとヴォネガットからの影響だという。「文章はリズムがいちばん大事」とは村上がよく話す言葉ですが、そう思うに至った理由を次のように説明しています。「何しろ七年ほど朝から晩までジャズの店をやってましたからね、頭のなかにはずっとエルヴィン・ジョーンズのハイハット

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          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)2         Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)2

          2 村上春樹の生活・趣味・嗜好

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          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)1            Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)1

          1 作家・村上春樹  村上 春樹(むらかみ はるき、1949年1月12日~ )は、日本の小説家、文学翻訳家。京都府京都市伏見区に生まれ、兵庫県西宮市・芦屋市で育ちました。  早稲田大学在学中に喫茶を開店。1979年、『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞しデビュー。1987年発表の『ノルウェイの森』は2009年時点で上下巻100万部を売るベストセラーとなり、これをきっかけに村上春樹ブームが起きました。その他の主な作品に『羊をめぐる冒険』、『世界の終りとハードボイルド・ワンダー

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          夏目漱石と村上春樹(英語対訳)1            Natsume Soseki and Murakami Haruki (English translation)1

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          ◎日々のつぶやき 55

          55 なぜ学校へ行くのか?  小学校2年生の孫娘が「なぜ学校へ行くの?」と聞いてきた。8歳からの人生哲学である。  学校の役割は、「人間社会で生きる力を蓄える場」「文明・文化を継承する場」である。文明は苦労することを減らし、物質的に生活をよりよくするもの。 文化は精神的に生活をよりよくするもの。知識を得るだけならひとりでできる。 学校に行かず、独学でも学ぶことは可能である。しかし、学校に人が集まることの意味は、多様な価値観を持つ多様な人たちとそれぞれを認め合い、お互いに自由に

          ◎日々のつぶやき 55

          藤沢周平『静かな木』と『早春』 ダイジェスト(英語対訳)8      Fujisawa Shuhei's "The Quiet Tree" and "Early Spring" A Digest (Japanese-English Translation) 8

          8 『野菊守り』から  特に気に入ったのは、捻くれた感がある斎部五郎助が菊を守る事を命じられ守りきり、心の交流と甦る剣さばきを確かめる機会がきっかけで、雪解けのように頑なな心に変化を生じさせ穏やかになってゆく様を描いた「野菊守り」です。  作品の中で主人公が弁慶めし様のものを想像させるおにぎりを食べる場面があります。  「その握り飯も、このあたりでへら菜と呼ぶ菜っ葉の漬け物の葉でくるみ、上からこんがりと焼いたもので、おかずは大てい塩辛いたくあんか、小茄子の漬け物二つ三つで

          藤沢周平『静かな木』と『早春』 ダイジェスト(英語対訳)8      Fujisawa Shuhei's "The Quiet Tree" and "Early Spring" A Digest (Japanese-English Translation) 8

          藤沢周平『静かな木』と『早春』 ダイジェスト(英語対訳)7      Fujisawa Shuhei's "The Quiet Tree" and "Early Spring" A Digest (Japanese-English Translation) 7

          7 『早春』から  現代小説『早春』は、妻と死別し、仕事人としては窓際に追いやられ、妻子ある男と恋愛をしている娘と二人暮らしの男の物語。何のために生きてきた、今まで生きがいとしてきたものが失われて行く時、それらが何故生きがいたり得た物だったのかわからなくなる。  そんな男の悲哀は読者自身にも襲いかかっても不思議はなく、だから響くのですが。  「子供や家に対するあの熱くて激しい感情は何だったのだろう。 こんなふうに何も残らずに消えるもののために、あくせくと働いたのだろうか。

          藤沢周平『静かな木』と『早春』 ダイジェスト(英語対訳)7      Fujisawa Shuhei's "The Quiet Tree" and "Early Spring" A Digest (Japanese-English Translation) 7