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日本液晶パネルの凋落、その裏に隠された変化の波

AppleがiPhone向け液晶パネルの調達を全て有機ELに移行することで、日本のパネル業界に激震が走った。かつては世界シェアを独占していた日本勢。しかし、その栄光は過去のものとなり、現状は韓国勢や中国勢が市場を掌握している。なぜ日本の液晶パネル業界はここまで後退してしまったのか?


1. かつての栄光、日本の技術力

1970年代にシャープが電卓に採用して以来、日本の液晶パネル技術は世界をリードしてきた。90年代後半までは日本がほぼ独占していた中小型の液晶市場も、スマートフォンの普及とともに大きく成長し、日本勢のシェアは一時7割に達した。しかし、この成功体験が、後に日本の液晶業界を苦しめることとなる。

2. 転機は2015年、Appleの変心

2015年、AppleがiPhoneに有機ELパネルを採用するという決断を下した。当時、サムスンはすでに有機ELで大きなシェアを占めており、Appleはその技術に追随する形で液晶からの脱却を図った。これにより、最大の顧客であったAppleからの需要が減少し、日本の液晶パネル業界は一気に厳しい状況に追い込まれた。

3. 投資判断の誤り、JDIとシャープの苦境

Appleからの大口注文に依存していたJDI(ジャパンディスプレイ)やシャープは、この変化に対応できなかった。特に、JDIはAppleとの関係を維持しようと、新たな工場建設を進めていたが、Appleの方向転換によりその計画は頓挫。シャープも、テレビ向け液晶パネルの過剰投資で経営危機に陥り、有機ELの開発を進める余力がなかった。

4. 今後の展望、残るチャンス

現在、JDIはスマートフォン向け液晶パネルを非中核事業と位置付け、車載用やウェアラブル機器向けのパネルに注力している。シャープも同様に、収益性の高い中型パネルでの生き残りを図っているが、かつてのような市場規模は期待できない。日本の液晶パネル産業が再び世界をリードする日は来るのか、その道筋は不透明だ。

5. 読者へのメッセージ

技術の転換点を見逃した日本の液晶パネル業界。しかし、過去の栄光にとらわれることなく、新たな分野での活躍を期待したい。車載用やウェアラブル機器市場は今後も拡大が予想されており、ここにチャンスがある。日本の技術力が再び輝く日を見逃さないよう、経営者や投資家はその動向を注視する必要がある。

JDIとシャープの再起、次の一手は?
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