三國浩平/作編曲家、レコーディングエンジニア

Finale, Pro Tools, SEQUOIA, Dolby Atmos, 360 Reality Audio/闘会議2017出演(編曲、指揮)/映画「20歳のソウル」吹奏楽PART編曲、Rec&Mix/日本レコーディングエンジニア協会理事/吹奏楽教育協会会員

三國浩平/作編曲家、レコーディングエンジニア

Finale, Pro Tools, SEQUOIA, Dolby Atmos, 360 Reality Audio/闘会議2017出演(編曲、指揮)/映画「20歳のソウル」吹奏楽PART編曲、Rec&Mix/日本レコーディングエンジニア協会理事/吹奏楽教育協会会員

最近の記事

クラシックの演奏会録音、ホールさんでも録音してくれるのにわざわざプロに頼む意味とは

こんにちは、作編曲家/レコーディングエンジニアの三國です。 今日は記事タイトルの話をしようと思います。 オーケストラや吹奏楽、合唱などが演奏会をおこなうとき、通常「⚪︎⚪︎市民会館」とか「⚪︎⚪︎音楽堂」とかいう名前がついている、自治体が保有している公共のホールを借りることが多いと思います。 そしてこれらのホール、だいたいの場合において「三点吊り装置」というものがついていて、デフォルトだとホールが保有しているマイクが吊られています。 そもそも三点吊り装置とはホールの天

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    • 【3点吊り装置】6pin→3pin変換ケーブルについて

      完全に同業者(レコーディングエンジニア、コンサート収録業者)向けの記事になります。 ヤマハサウンドシステム株式会社が2020年4月に「HYFAX MHN1」という三点吊り装置をリリースしました。 こちらの三点吊り装置、停止したときに傾きが発生しないように設計されていたり、タッチパネルで位置を数値で入力できてリコール性に優れていたり素晴らしい三点吊り装置なのですが、端子が6pin仕様に変更になっております。 3pinへの変換は基本的にホールに1本はあると思うので普通にAB

      • qdcのSUPERIOR/SUPERIOR EX/Studio 8SS並べて聴いてみました

        こんにちは、作編曲家/レコーディングエンジニアの三國です。 qdcのイヤホンラインナップのうち3機種(SUPERIOR、SUPERIOR EX、Studio 8SS)が手元にあったのでせっかくなので比較してみました。 そもそもqdcってどこの企業よ中国深センに本社を置くIEM(インイヤーイヤホン)を中心に展開しているブランドです。中国内でのステージモニターとしては高いシェアを誇っているそうで、コンシューマ中心に展開しているというよりはプロレベルの製品を中心に展開している印

        • 楽譜のリズムを読むのが苦手な人はこういう風に楽譜を読んでいる?という仮説

          突然ですが、以下の2パターンの楽譜、どちらのほうがリズムを読みやすく感じますか? 楽譜作成ソフトの画面を手でキャプチャしたものなのでややサイズ感が違うとかは置いておいて、このふたつは音の長さ(音価)としてはまったく同じものを示しています。 私の知人Aさんは楽譜のリズムを読むのがとても苦手なのですが(楽器歴は相当長く、楽譜の読み方自体がわからないわけではないです)その方が耳コピして楽譜を起こすとこのパターン2のようなリズムの書き方の楽譜が誕生しました。 リズムが読みやすい

          商業音楽×吹奏楽の企画のときは、吹奏楽を書き慣れてる作編曲家にお願いしたほうがいいよ、という話

          めちゃくちゃ限定的なトピックなのですが(笑) 近年、メジャーアーティストと吹奏楽部のコラボや、ドラマやアニメに吹奏楽が取り入れられることが増えています。 全国に吹奏楽部はたくさんあるんだから、ついでにその楽譜を販売なりCDの特典にするなりしてたくさんの吹奏楽部に演奏してもらおう……という展開も併せてちらほら見かけることも多く、吹奏楽に携わる者としてとても嬉しい流れです。 そんな素敵な企画なのに、吹奏楽の現場的には「この楽譜は現場では使いづらいな……」ということが結構少なく

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          ホールでクラシックのレコーディングをするために必要な機材と方法

          ※はじめに、この記事は既に宅録などである程度録音自体はおこなっている人のために書いています。「コンデンサーマイクの取り扱い方法がわからない」「DAWの使い方がわからない」「録音をしたことがない」という方向けの記事ではないのをご了承ください。 クラシック系の楽器を演奏していて機械やコンピュータが好きな方なら「録音を業者に頼まないで、自分でできないのかな?」と思ったことがあると思います。 でも検索しても宅録向けの情報ばかりで、ホールでレコーディングするためにはどんな機材が必要

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          ソニーのロングセラーモニターヘッドホン「MDR-CD900ST」についての私見

          レコーディング、ミキシング、マスタリング、歌ってみたや演奏してみたなどなにかしらの形で音楽制作やDTMに携わったことがある人なら必ず一度は耳にしたことがあるソニーのロングセラーモニターヘッドホン「MDR-CD900ST」。 「業界標準」だとか「プロがみんな使ってる」とかそんな評判を聞いて試してみたら「あれ、こんなもん……?」と思った方も多くいると思います(笑)そんな900STについて、個人的に思っていることを以下にまとめました。 元々はソニーのスタジオだけで使われていた今

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          Dolby Atmos、360 Reality Audioなどのイマーシブオーディオ(空間オーディオ)について

          2021年から、音楽制作業界では「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」や「イマーシブオーディオ」「空間オーディオ」という言葉が飛び交うようになりました。 しかし、レコーディングエンジニア以外の方にはまだまだ認知度が低いので今回説明の記事を書いてみました。 イマーシブオーディオとは「没入感の高いオーディオ」を意味します。「立体音響」「空間オーディオ」と言った呼ばれ方をすることもありますが、ほぼ同じ意味です。 今までのステレオ(=LとRの世界)では音が右から、左から

          Dolby Atmos、360 Reality Audioなどのイマーシブオーディオ(空間オーディオ)について

          ヘッドホンアンプ Shinya's Studio HPA2520を試してみました

          こんにちは、作編曲家/レコーディングエンジニアの三國です。 レコーディングエンジニアであり、オリジナルのスタジオ機材も制作されているShinya's Studioさんから新商品のヘッドホンアンプ「HPA2520」をお借りしたので試してみました。 ファーストインプレッションはツイートしたのですが、ほかのヘッドホンアンプと比べるとやや変わった(?)仕様になっており(その変わった使用が便利なのです!)これは詳しい説明が必要だな、と思って今この記事を書いています。 オーディオイ

          ヘッドホンアンプ Shinya's Studio HPA2520を試してみました

          ヘッドホンの使い分けについて(私の場合)

          こんにちは、作編曲家/レコーディングエンジニアの三國です。 レコーディングエンジニアは、大抵いくつものヘッドホンを使い分けて使っています。 音楽制作に関わりのない人からすると「そんなにたくさん必要なの?」「ただ単にヘッドホンを買うのが好きなんじゃないの?」という声も聞こえたりしてきて……これは必ずしも否定しきれないのですが……笑 私も例に漏れずいくつかのヘッドホン、イヤホンを併用しています。 というわけで今回は、私がそれぞれどういう用途/意図で使い分けているのかを紹介し

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          ヘッドホンの使い分けについて(私の場合)

          続・アコースティック系楽器の宅録機材について(2023年版)

          以前に、アコースティック系楽器プレイヤー向けにこんな記事を書いたのですが、 そこから3年が経ったので一段ステップアップした機材が欲しい!という声も聞こえてきて、また3年も経てば新しい機材もどんどん出てきているのでここで追加紹介したいと思います。 一段ステップアップさせてくれるマイク商用レコーディングスタジオなら世界中どこにでも置いてあるNeumannというメーカーの「U87」というマイクがあるのですが、そのマイクをRoswell Pro Audioというメーカーが特徴を捉

          続・アコースティック系楽器の宅録機材について(2023年版)

          吹奏楽におけるドラム〜楽譜通り叩かなくていいってどういうこと?

          こんにちは、作編曲家/レコーディングエンジニアの三國です。 吹奏楽でよく使われる楽器のなかで、数少ない……というかほぼ存在しない「楽譜通り叩かなくてもいい楽器」のドラムセット。 先生に「楽譜通りきっちりやらなくてもいい」と言われたり、あるいは「楽譜通りちゃんと叩け!」と言われて困惑した方も多いんじゃないでしょうか。 作編曲家から見た「どういう部分は楽譜通り叩かなくてもいいのか」、あるいは「どういう部分は楽譜を守ったほうがいいのか」をまとめてみました。 そもそも、なぜ楽

          吹奏楽におけるドラム〜楽譜通り叩かなくていいってどういうこと?

          チームでものづくりをするときにおきがちなすれ違い

          なにかしらのものを作るとき、個人の創作活動ならひとりきりでの作業となることが多いですが仕事としておこなう場合、それはチームでおこなうことが多いです。「依頼を受けて制作する」という時点でそれは「発注者と受注者のチームで制作している」わけです。 ところが、チームメンバーがみんな真剣にやっているのになぜか上手くいかない、噛み合わない、そしてストレスが溜まっていく……ということが起こることがあります。私は音楽業界に身を置いて作編曲、レコーディング、楽譜制作などをおこなっていますがど

          チームでものづくりをするときにおきがちなすれ違い

          CDを作りたい人向け、予算の話

          クラシックやジャズ系のプレイヤーから自主制作でCDを作りたい話をよくいただくのですが、「それ先に相談してくれればもっと良い提案できたな〜」とか「ミュージシャンが想定していなかった必要な支出があって、思ったよりお金がかかってしまった」いうことが割とよくあります。 というわけで今回は、「CDを作るにあたって、なにが必要なの?」という話です。 CDを作るのに必要なこといきなり本題ですが、CDを作るにあたって以下が必要になってきます。 楽曲 ミュージシャン レコーディング

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          マイクからの音がDAWに来ない!のときの原因と解決策

          先日、私の録音のレッスンを過去に受けた子から「今ホールの舞台袖で録音の準備をしているけれどPro Toolsに音が来ない、困った」という泣きつき電話がかかってきました。 録音って、マイクの拾った音がスピーカーなりヘッドホンなりから聞こえるようになるまでに要素が多すぎるんですよね。スタンドにマイクを立ててRecボタンを押せばすぐ録れたらどんなに楽なことか! すべてのチャンネルのメーターが良い感じのレベル感で振れてるのを確認できただけでホッとしてしまいます。もう仕事は半分終わった

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          宅録でありがち! 危険なセッティング

          2020年は宅録人口が急増加!(個人的な印象です)誰もが家で気軽にレコーディングできる時代になりました。 私のTwitterのタイムラインにも「my new gear...」と機材の写真をツイートされている方がたくさん。自宅で録音している風景を載せている方もたくさん見かけるようになりました。 今回は、そんな宅録で起こりがちな「致命的な問題ではないけれど、危険でプロのエンジニアは絶対にしないセッティング」をご紹介します。 さて、早速ですがこちらの写真。 マイクスタンドに

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