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タイムマシンに乗ってきたおばさん④

キリスト教の幼稚園だったので、クリスマスにはページェントの出し物があった。

イエス様誕生のシーンなので、役どころはだいたい決まっている。
女の子たちがやりたいのはマリア様か、天使、羊。
男の子たちは、博士、羊飼い。

子どもは博士に手をあげる。

先生たちは驚いて、お迎えのときに私に報告してくれた。
女の子が博士をやりたがったのは、創立以来初めてです、と。
結局、強い男の子たちの猛反対にあい、うちの子は天使の役になった。

はい、今日はここまで!

ヒラヒラ、キラキラやプリンセスにはあまり興味を示さずに、虫とかポケモンが好き。

でもぬいぐるみも大好きで動物図鑑ばかり見ていたね。

カッコよく、ヒーローみたいな感じが好き。

でもランドセルはピンク色、お友達は男子も女子もたくさん。

だけど女子でつるむのは好きじゃなかったね。

夏祭りにはみんな可愛い浴衣を着たけど、欲しがらなかった。

でもイケメンの男の子の芸能人の話で盛り上がったね。

部活の演劇部では男役ばかりやりたがった。

だけど、高校にはミニスカートのなんちゃって制服で通ったんだ。

今思うと、明らかに女子ではなかったかな?
明らかに男子でもなかったけど。

この謎が解けるのはもっともっと後だよ。

私は親として、女子の枠にきっちり閉じ込めようとはしてなかったけど、女子ならこうだろうと勝手に思ってたところはあったかも。
今思うと。

少しずつ期待と違う感じになっていた。

朝、起きられないのは相変わらずだったし、夜中まで眠れなく、昼夜逆転もしょっちゅう。

この時は、昼夜逆転が大問題すぎて女子とか男子とかのことまであんまり考えられなかった。

うん、考えなくて正解だったと思う。

なぜなら私が考えることではないから。
正直本人さえクエスチョンマークを連発しながら進んでる。

いろんなことを問題と捉えるな。

抵抗せず流れに乗っていこう。

大丈夫なんだよ、平気でいれば平気なんだよ。

タイムマシンに乗ってきて、
いろいろ言うおばさん。
53歳のわたしから30〜44歳のわたしへ。


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