悩みや葛藤の正体、そして、本来の自分に還っていくための絶対条件
四姉妹のお母さんにお伝えしたこと
高校生〜社会人1年目の四姉妹のセッションをさせていただいたときのお話です。
一ヶ月ほどかけて、4人全員のセッションが終わり、最後に4人のお母さんであるMさんに、ご報告という形でお電話させていただきました。
自分の個性ゆえの悩みや葛藤を持つ、四姉妹。同じ環境で生まれ育っても、魂がどんな設計図を描いてきたかで、性格も引き寄せる現象もまったく違いました。
そしてお母さんであるMさんも、「あの子たちには何が合っているのか?」「どうしてあげたらいいのか?」「でも娘たちの人生だし、あれこれ言うのもな……」と、じれったいような、苦しいような、複雑な思いを抱えていました。
そんなMさんに私がお伝えしたのは、「ただただ、順調です」という言葉。
悩みや葛藤の正体
セッションをしていて、毎回教えられるんです。
私たち人間は、悩みや苦労すら込み込みの設計図をしっかりと描いて、この世に生まれてきたんだと。
悩みや苦しみは、何かが間違っているから生まれるのではありません。
必要だから、生まれるんです。
陳腐な言葉ですが、「すべてに意味がある」んです。
悩みや葛藤の意味、正体。
それは、本当の自分を開かせていくための通過儀礼。
本来の道から遠く離れていく時期を、誰もが必ず通過します。脱線しなければ、本来の道など見えてきません。
苦しさや葛藤がアラームとして機能し、「何かが違うんだ」と気づかせてくれて、そのとき必要なものを学んで、より大きくなって、本来の自分へと還っていく。
悲しみも、苦しみも、絶望も、本来の自分に気づいていくために、すべてがあるんです。
逸れては気づき、大きな円を描きながら、幅を広げて育っていく。削り出すように、余計なものをそぎ落とすように。
私たち一人ひとりが、そんな旅をしている。
だから、大丈夫。
道を逸れているように見えても、自分を活かしきれていないように見えても、問題はありません。
しかるべき時が来れば、私たちの魂はちゃんと気づいて、自分の道に戻っていく力を持っているから。
本来の自分に戻っていくために必要なもの
苦しくても、すべては順調。
ただ、「そろそろ軌道修正が必要だ」というタイミングがやって来たとき、これだけは外さないでください、とMさんに言い添えたことがあります。
それは、Mさんや周囲にいる人たちが、娘さんたちのポテンシャル(本来の輝き)を忘れないこと。そして、本人たちにそれを伝え、応援すること。
葛藤する時期を経て、本人たちがはたと気づいて足を止めたとき、「本当のあなたの輝きを、私は知っているよ」と言ってくれる存在がそばにいること。
これが、人が本来の自分へと還っていくための絶対条件です。
人は過去に引っ張られるもの。いつかどこかで投げかけられた言葉や他者の視線を、自分の中に取り込んで、それを壊れたテープのように繰り返し自動再生する。
それが、人の変化を邪魔する一番の障害です。
その障害を越えさせてくれるのが、自分が本来なりうる姿を見せてくれる人、そしてその未来に向かっていけるよう応援してくれる他者という存在です。
現在地はどんなものであっても、その人の内面の、絶対的な光を見失わない視点。見守る眼差し。
その眼差しを持った人がそばにいるだけで、人は自分に還っていく力を取り戻します。
そして何より、自分はずっと守られていたのだと気付かされるんですよね。
親から、兄弟から、近所の人から、先生から、友人から、パートナーから。
そして、他の誰でもない、あなた自身の中にある、あなたという存在の輝きから。
だから、お母さんであるMさんには、「社会が求める姿ではなく、娘さんたちが持って生まれた個性の美しさを、ずっと見つめてあげていてください」とお伝えしました。
あなたという道。人生という道。
曲がりくねっていても、急な坂道のようでも、回り道のように見えても、それも全部、自分で描いてきたから。
そして、そんなあなたを見守ってくれている眼差しが、この世界のどこかにきっとあるから。
大丈夫。
ただただ、順調です。