靴の買い替えのタイミング
「いよいよ靴がダメになりました。新しいのが必要なのでお願いします」恵那市のHさんがお仕事用の靴の注文に来られました。
靴の素材の寿命と履き心地の寿命
靴で一番摩耗しやすいパーツと言えば靴底です。地面にじかに接するので、カカトが減りやすいですね。O脚傾向の方や靴をゆるめに履いている方だと靴底の真後ろや外側の減り方が激しくなります。いずれの場合も修理が可能です。そしてあまり目には留まりませんが、中敷きも摩耗しやすいパーツです。中敷きは足のウラが直に載るパーツです。歩くたびに足の返りの周辺(母趾と小指を結ぶ横断面辺り)に大きな圧がかかるので厚みが痩せてきます。また、足裏からの発汗で中敷の表面が滑りやすくなってきます。「最近、足のウラのつけ根辺りが地面を感じるようになった。靴ひもでしっかり縛っても前へ滑っていく感じがする」ような履き心地になったらそれは 中敷きの寿命なので、交換する必要があります。これらは修理や交換で間に合います。甲革が乾燥してひび割れたりエッジ周囲(甲革と靴底の境目)が裂けてしまうことがありますが、これは甲革の寿命が尽きているので、残念ながら修理はできません。
これら素材に寿命があるように履き心地にも寿命があります。
例えばおろしたての肌着や洋服が体にピッタリフィットしていても気慣らしているうちにフィット感が落ちてくることがありますね。これと同様、靴も履きこんでいるうちにその甲革や足を支えるパーツに「ゆるみ」が出てきます。中敷きを交換したり微調整することである程度はもとに戻りますが、よく履き古した靴ほど履き心地のピークを過ぎているので緩みを解消するのは難しくなります。
こまめなお手入れと保管
Hさんは腰やひざにトラブル抱え来店されました。お見立てした靴をお求めになって数年が経過しています。毎日のお仕事で1日の使用時間が長ければ履かれる靴には相応の負担がかかってきます。小まめなお手入れ・修理と共に靴にも適度な「休憩」をとらせてあげましょう。1日使った靴の中は片足でコップ1杯ほどの汗をかいていると言われます。着脱できる中敷きが入っている靴の場合は中敷きを外し通気のいい場所で乾かしましょう。靴本体にはシューツリーを入れて返り周辺のしわをとって形を整えます。
また、1足の靴の寿命が来る前に履きよい足に合った靴を別に用意され交互に履いてあげましょう。素材や履き心地の寿命も延びますし、足のムレを解消し快適な履き心地でお仕事ができますので、ぜひお試しください。
Hさんのようにヒザや腰の痛みを軽減して仕事がしたい…そんな方のお役に立てたら嬉しいです。どうぞコチラからご予約ください。
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