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これはクレームなのか!?

「福祉の増進と職員負担の軽減との両立をめざす」が最近のテーマとなっている、みきやと申します。関西在住の地方公務員です。

先日窓口で久々にクレームをいただいたのですが、どれだけ考えてもなぜ責められているのかよく分からない内容でした。今日はこのクレームと呼んでいいのかどうかよくわからない出来事について御紹介したいと思います。


前置き

そもそも「クレーム」とは

クレームというと私の職場ではほぼ100%苦情という理解が成立しています。日本国内における多くのサービスの現場でも同じような意味で使わているのではないでしょうか。

厳密には違うようですが、今回私が経験したケースでも「クレーム=苦情」という解釈を前提に、内容について触れていきたいと思います。

クレーム?の発端となったケース

そしてクレーム?がどのようなきっかけで生まれたかについても触れておきたいと思います。

どこの自治体でも実施していると思いますが、障がいがある方のために日常生活用具の給付事業というものがあります。車いす用レインコートなど様々な物品が対象となっているのですが、人工肛門を付けた方のための袋や消臭剤も対象となっています。どこの自治体もこの物品は給付対象になっていると思われます。

給付という文字が使われていますが、所得に応じて納入業者に一定金額(所得によっては0円の人もいます)を支払い、自治体から業者に残りを支払うという制度です。(下図では⑧とありますが、実務では⑧の業務は発生しません)

資料 国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局 別府重度障害者センター 「在宅生活ハンドブックNo.1(補装具・日常生活用具等の申請手続き)」 http://www.rehab.go.jp/beppu/book/livinghome.html

少し前置きが長くなりましたが、利用者は役所に①の申請をすれば、後は業者とのやりとりのみが残るという感じです。所得に応じて負担金額が異なるため、毎年申請が必要な制度となっており、現在新年度に向けた更新手続きを進めているところです。

新たな取組

以前の記事にも書きましたが、福祉部門での業務は多くが年度更新等の定例業務が占めています。

送られてくる申請書に必要事項を記入して役所に提出する、という流れを効率化できないかということで、今年度新たな取組として、オンラインでも申請できるようにしました。導入直後ということもあり従来の紙ベースの手続きと併存させています(将来的にはオンラインにしていきたいところです)。

こういった流れを踏まえ、今回職場に届いたクレーム?について紹介していこうと思います。

クレーム内容

クレーム①

今回約150件の案内を発送したのですが、案内が届いた直後に数件クレームの電話がありました。内容としては次の2点です。

  • オンラインで申請しろということか!?

  • オンライン申請なんてできない!

1点目についてはこういうクレームが届いたことに驚いています。今回は今までどおりの申請書類にオンライン申請の案内を1枚だけ追加した案内をお送りしたのですが、まさかオンライン申請を強制しているという解釈をされるとは思いませんでした。オンライン申請の案内文にも「オンラインでも申請できるようにしました」と書いたのですが、、、

件数としては全体のうちの3%くらいなので、残りの97%の方は「まあ、いつもどおりでいいんでしょ」と思っていただけたようです。

これはある意味クレームらしいクレームと言えるのですが、次に経験したものが、非常に不可解なものでした。

クレーム②

このクレーム②がどう考えてもクレームとは思えないクレームで、クレームの主は年配の男性の方でした。12月の寒い中、窓口まで来てお話をされていたので、お元気な方だとは思います。

提出すべき書類について勘違いしていたようで、こちらは申請書だけお預かりしたわけですが、「わざわざ持って来るのが面倒」と話されました。今回の更新書類の中には返信用封筒も同封していたのですが、時間を使って窓口までお越しいただいた方という事になります。

私からは「お越しいただかなくてもいいように返信用封筒をお付けしています」とお伝えしたところ、予想どおりの回答が返ってきました。それは、

切手代がもったいない

年配男性

というもの。自分の命の時間数十分よりも、切手代110円のほうが価値があると考えているということですね。もったいないなと思ってしまいます。

私からは「切手代はかかりますが、わざわざお越しいただく時間がもったいないので返信用封筒をお付けしています」と言ったところ、こんな答えが返ってきました。

何を言うてるねん!時間は金で買えるんや!

年配男性

私はお金を呼び捨てにする人は信用しないので、これ以上話す気はなかったのですが、言っている内容は私も賛成です。時間はお金で買えます。お金で時間を節約し、残された時間で人生を有意義に過ごせるようになるので、「時間をお金で買う」という発想は私も大いに賛同するところです。

、、、、、、ん?

これっていったい何を言いたかったのでしょう?クレーム?

私からは「お越しいただく時間がもったいない」とお伝えし、それを受けて来庁者からは「時間は金で買える」と発言。なぜか怒り気味。

最後にその方は「これ以上言ってもケンカになるだけやから帰る。」といって帰られました。なんとも不思議な時間が流れた出来事でした。

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