ロンドンに住む理由
どうしてイギリスに、ロンドンに住んでいるのですか?どうやったら海外に移住できますか?という質問を学生さんからInstagramのDM経由でいただきました。
きちんとお答えしたかったので、こちらで書きます。質問くれた彼女にも見てもらえたら嬉しいな!
イギリスには一度大学院進学のために1年滞在していました。その大学院で出会ったイギリス人の彼と結婚したため、今はロンドンに住んでいます。数ある世界中の大学院の中で、私が進学先を絞り込む際の決め手となったのが「イギリスに住みたい」という小さいころからの夢でした。
前の投稿でも書いたように、私は大のハリー・ポッターファンでした。新刊が待ちきれないあまりに英語版の本を読み始めたくらいに。小学生の頃は、いつかホグワーツ特急に乗りたい、とか。いつかダイアゴン横丁に行ってみたい、とか。そういうことばかり妄想している子でした。
ハリー・ポッターから始まった私のイギリスへの興味は、その他のイギリス出身の物語、不思議の国のアリスやピーターラビット、ピーターパン、くまのパディントン、そしてロード・オブ・ザ・リングやメリー・ポピンズの映画を通してどんどん広がり、憧れは募るばかりでした。
念願叶って初めてイギリスの地を訪れたのは13歳の時。イギリスが好きな私のために、両親が家族旅行へ連れて行ってくれたのです。ロンドンはちょうど、キングスクロス駅でテロが起きた直後。ハリー・ポッターファンの私にとって、夢の中の一部だった場所でテロが起きたことが信じられず、この目で確かめに行きました。駅の中の、ハリーの映画が撮影されたエリアは無事でしたが、駅の外にはたくさんの花束。テレタビーズのカラフルな人形もたくさん置かれていて、ロンドンの人々の生活が脅かされた事実を肌で感じました。
初めて訪れたイギリスは、憧れていたとおりの街並みや景色があって、私にとって夢の国でした。魔法で満ちていて、美しくて。でも、そこには本当に人々の暮らしがあって、他のいろんな国と一緒で様々な問題を抱えている。13歳の私には夢と現実がリンクし、将来を考える大きなきっかけ、学びとなった旅行でした。
その後、相変わらずハリーファンの私は待ちきれずに新刊を英語で読むようになったのですが、私の興味・関心は徐々に「イギリス」から世界へと広がっていきました。英語を勉強するうちに出会った数々の本で知った、世界のこと。英語学習の目的で大学時代に挑戦した英語ディベート部での活動、進学したICUでの国際政治の授業。
日本の外側を知れば知るほど、今度は外から見た「日本」を勉強してみたくなり、「日本学」を勉強するための学校探しを始めました。数ある日本学を開講する学校の中で、私の目に留まったのがロンドン大学でした。もちろん開講されている授業も興味深いものでしたが、やはり自分の憧れている街に住んで学生生活を過ごしてみたいと思ったのが決め手です。
コツコツ英語の勉強をし、大学から合格通知を頂き、金銭面は奨学金の給付を受け、修士課程へ進学。幼い頃の「イギリスに住みたい」という夢や、海外での大学院進学という目標を一度に叶えました。
ロンドンでの学生時代、もちろん文化の違いや不便だと感じることも多くありましたが、それ以上にロンドンのライフスタイルをとても心地よく感じました。
街にはたくさんのミュージアムがあって、しかもそのほとんどが無料で、本屋さんや図書館がたくさん。政治や歴史についての議論から逃げずに語り合えるような人間関係や、読書を楽しむ人が多く感じられたのも魅力でした。イギリスも田舎だと人種差別が多いと聞きますが、ロンドン市内では私のことを「移民」扱いしたり、英語を話せない人扱いされることもほぼ無かった。女性が変に男性に媚びることをしていないのも良い。女性ものの服や靴のサイズが小さいものから大きいものまで、きちんと揃っているのも良い。
もちろん、私の勝手な意見でしかないので例外があることもわかっていますが、私の目には、ロンドナーはひとりひとりが周りの目を気にせず、よりイキイキしているように感じました。
日本に帰って、一時 東京で働いていた頃はよくカウンターカルチャーショックに苦しんだこともありました...
国際結婚で、どちらの国に住むのがベストか夫婦2人でよく話し合いをしましたが、私たちの結論はイギリスで、ロンドンで暮らす方が良いということでした。
そしてロンドンに戻ってきた今、私にはロンドンでの生活が「合っている」と感じています。
幼い頃から憧れていた国が住みたい場所になり、実際に住んでいる私はとてもラッキーなのだと思います。自分が好きなことややってみたいことにがむしゃらに飛びついて、歩いてきてみたら、目の前にこの街があって、たどり着いていたという感じ。今振り返ると、最初からこの街に呼ばれていたような気さえするのです。
だから、「どうしてイギリスなのか、ロンドンなのか。」
私にとってその答えは、ずっとここに来たかったし、やっとたどり着いた。憧れが募り、現実になった。夢を叶えた、ということだと思います。
「どうやったら海外に住めますか?」
この答えは各々が自分の道を模索し、自分なりのやり方や答えを見つけるしかないと思います。
どうして海外に行きたいのか、そこで何をしたいのか、そのためには何が必要で、自分には何が足りていないのか。
たくさん考えて、学んで、吸収して、いつか自分の興味や関心と、進むべき道がつながったとき。もしかしたら、行けるかもしれない。
地図がない冒険だと思って人生をとらえたら、自分で道を作れるなんて最高にワクワクしませんか??
この記事は無料ですが、もし万が一@mikitravelgramや #MikisLittleBookshop を応援したいと思ってくださった方向けに、下におすすめ洋書を紹介しています。今回は、私にとってハリー・ポッターの次に思い出深い1冊をご紹介。もしよかったらぜひ、ご覧ください。
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