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ラグビーのキック について

ラグビーのプレーは「パス」「ラン」「キック」の3つで構成されています。キックは点を得る方法であり、プレー中は人事を一気に広げることができる重要なプレーです。
ラグビーワールドカップのTV解説などで聴くキックの種類、また世界的キッカーについて語ります。

得点を取るためのキックの種類

ラグビーで得点が入るプレーは4つ。相手陣のゴールラインを越えてボールを地面に置く「トライ」以外はキックによる得点=「ゴールキック」です。ゴールキックには3つの種類があります。

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(1)コンバージョン(G)
トライをした後に行うキック。地面にキックティーや盛り土による台座にボールを置き、助走してキックをします(劣勢勝時間がない時には手で持ってキックをすることもあります)。ゴールポストに入れば、2点が加点されます。

(2)ペナルティーゴール(PG)
相手チームのペナルティに対して、得点することをもとに選択できるキック。コンバージョンキックと同様に、一般的にはプレースキックをします。ゴールポストに入れば、3点が加点されます。

(3)ドロップゴール(DG)
プレー中に、流れの中から得点を決めるキック。ボールを地面に一度落とし、跳ね返ったところをキックをし、ゴールポストを狙います。入れば3点が加点されます。

プレー中のキック ~ 蹴り方による呼び方の違い

プレー中、自分から他の選手に渡すには、パスの場合は後ろにしか渡せませんが、キックであれば前にボールを出す、渡すことができます。

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ドロップキック
ドロップゴールでも記載しましたが、ボールを地面に一度落とし、跳ね返ったところを蹴るキック。キックオフ等の開始時に使われるほか、得点するためのドロップゴールにも使います。また、7人制ラグビーでは、トライ後のコンバージョンをドロップキックで行います。

ハイパント/ショートパント
ボールを足元に落とし地面に着く前に蹴るキックを「パント」といい、高く蹴り上げるキックを「ハイパント」、相手の後方等へボールを短く蹴りだすキックを「ショートパント」と呼びます。
攻撃中に、滞空時間の長いハイパントで、自分のチームの優位な体制を作ります。さらに前に蹴ったボールを奪えば、前進して陣地を獲得できます。

グラバーキック
野球でいえばゴロです。ボールを地面を這うように転がすキック。攻撃をする際に、相手のディフェンスラインの裏に蹴ります。ゴロなので、ディフェンスをする選手の足元を抜けます。

プレースキック
コンバージョンでも記載しましたが、キックティーや盛り土の上でボールを固定したうえで助走をしてけるキック。一番精度が高くなるキック方法です。

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Youtube超絶キックプレー集

Youtubeから。

ラグビーワールドカップ2019日本大会公式サイトから。
公式サイトが選ぶ、クロスフィールドキックTOP5です。

(私が選ぶ)スーパーキック、キッカー

過去~現在までに素晴らしいキッカーが、多数います。私が選ぶ世界の素晴らしいキック・キッカーを、ご紹介します。

ジョニー・ウィルキンソン選手(-2014・イングランド)
ユニオン代表戦での歴代最多得点保持者。ラグビーワールドカップ2003オーストラリア大会の決勝戦では、開催国オーストラリアと対戦。17-17で延長戦に突入、延長戦20分、相手陣22mライン手前からのドロップキックで17-20でイングランドを優勝に導きました。
歴代のラグビーワールドカップでも、今も語り継がれるスーパーキックです。

廣瀬佳司選手(-2015・日本・トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
「ゴールデン・ブーツ」と呼ばれた日本ラグビー界屈指のプレースキッカー。ジャパンラグビートップリーグの2004,2005年の2シーズンで得点王・ベストキッカーの2冠を獲得しています。特に2005-06シーズンは、公式戦でのプレースキック成功率92.9%を記録しています。
ラグビー日本代表でもSO、キッカーとして活躍。1999年パシフィック・リム選手権のトンガ戦のペナルティーゴール9PGは、テストマッチでのPGの世界タイ記録です。
「22mライン上であれば、どの位置からでもプレースキックが成功する」と言われたプレースキックは、私にとっては史上最高プレースキッカーです。

田村優選手(現役・日本・キャノンイーグルス)
ラグビーワールドカップ2019日本大会の正SO。世界のトップレベル選手も認める、現在の日本の最高キッカー。ラグビーワールドカップ2019日本大会では、全選手の中でコンバージョンで全体6位、ペナルティーゴールで全体3位の成績でした。日本の快進撃を支えたキックです。

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下の動画は2019年7月に行われた、ラグビー日本代表 vs. フィジー戦。最初のトライは田村選手が相手のディフェンスラインの裏にボールを蹴り、ぴったり合わせたWTB福岡選手が押さえたプレーです。

ヘイデン・パーカー選手(現役・ニュージーランド出身・神戸製鋼コベルコスティーラーズ)
スーパーラグビー2019年シーズンのヒト・コミュニケーションズサンウルブズのキッカーとして活躍。2018年シーズンのプレースキック成功率は96%(50本中48本が成功)という驚異の成功率です(世界のトップレベル選手の平均は、70~80%)。安定したプレースキックは、母国ニュージーランドの代表、オール・ブラックスからも注目された、と言うニュースがあるほどです。

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(番外編)ダン・カーター選手(現役・ニュージーランド・神戸製鋼コベルコスティーラーズ)
上述したヘイデン・パーカー選手は、現在所属する神戸製鋼コベルコスティーラーズで、必ずしも全試合で出場していません。本人のケガもありますが、何よりも「ラグビー界のスーパースター」「ニュージーランドの至宝」と呼ばれたダン・カーター選手の存在があります。
名司令塔SOであり、キック・ラン・パスの個々の技術のすばらしさ、その判断力が光ります。

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キックで見るラグビーの楽しみ方

ラグビーの攻撃は「パス」「ラン」「キック」で構成されます。3つのスキルを使って相手陣に攻め込み、ゴールラインを越えてボールを地面につくことで「トライ」となります。
その中で「キック」は、1つのプレーで、最も陣地を大きく得ることができるプレーです。それは、前に進めるだけでなく、ラインの反対側から反対側へ、攻撃のポジションを変えることもできます。

チームによって、プレー中の戦術として、キックを使う/使わない、またキックの使い方が異なります。例えば、ラグビーワールドカップ2015イングランド大会のラグビー日本代表のヘッドコーチ、エディー・ジョーンズ氏は、決まったセットプレーを決まった通りに実践するスタイル。プレー中のキックは少ない戦術でした。一方で、現ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフ氏は、ニュージーランドスタイルの自由で柔軟、選手自身の判断を大切にするプレーです。プレースキックだけでなく、天性の判断でプレー中の攻撃のキックを自由によって攻撃の幅を広げています。

https://www.youtube.com/watch?v=Vo8CrFibjrU

各チームのプレースタイルと、キックを担うキッカー。攻撃時の陣地の拡大、守備時のブレイクなど、キッカーに注目すると見どころ満載です。


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