フッサールのエポケー

幼い頃に思っていたことがあります。
自分が見えている世界と、他の人が見えている世界って違うのかもしれない。
僕が可愛いと思う人と、友達が可愛いと思う人が違う。
その逆も然りで、僕がなんとも思わない人を友達は可愛いと言う。
幼い頃の僕は、可愛いモノやキレイなモノって『絶対的な存在』であり、万人が同じように思うはず。
意見が一致しないというのは人というフィルターを通してるから。
人はそれぞれ見えている世界が違うのだろう。
見えている『色』も違うかもしれないし『形』も違うのかもしれない。

成長するにつれて『見えているモノに違いはないけれど、主観だったりバイアスがあるため感覚的なズレは生じている』というのは分かった。
#色覚障害
だが主観やバイアスって意外と厄介。
時として物事を真っ直ぐ見れなくなったり、思考の邪魔になることがある。
そこでオーストリアの哲学者、フッサールが唱えた『エポケー』というのがある。
エポケーとは『判断中止』という意味。

エポケーとは、主観、バイアス、思考を停止して、目の前の事実だけを述べて共通点を探ること。
たとえばリンゴについて。
リンゴを目の前にした時の事実としては、赤いよね、丸いよね等がある。
事実だけ述べ合って共通点を探っていけば、主観やバイアスが取り除かれた事実が出てくる。
そしてその分『真理』に近づくね、ということ。
これがエポケーという手法です。

エポケーはビジネスでも使われており、知っていれば実生活でも役立ちそう。
覚えておいて損のないモノだと思う。

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