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翻訳はリサーチ力

今月上旬からずっと探していた台湾産パイナップル、2日前にやっと近所のスーパーでゲット。忙しくてすぐに解体できなかったので今日やります♪ これで微力なりにも、窮地に立たされた台湾のパイナップル農家のお手伝いができました(意味不明な人は今すぐ「台湾パイナップル」で検索GO!笑)。

さて、今日の話題はリサーチ力。

翻訳者は仕事を受けてからリサーチすればいいと思っている人、いませんか? 確かにどんなジャンルの仕事が飛び込んでくるのか予測できないので、仕事を受けた時点でのリサーチ開始は正解と言えます。

ただ、興味のあること、一度翻訳して面白いと思ったジャンルなどは、普段から情報をフォローしておくのがベスト。分野によっては独特の言葉遣いがあるため、ソース言語の単語の意味=ターゲット言語の正しい訳とならないことが多々あると、ここ4年間の実務翻訳経験から学びました。

だから、普段から「この単語には他にも限定的な訳語がある」と意識することが大事だし、少なくともターゲット言語の言い回しを薄っすらと記憶しているだけで、距離の近いジャンルでも流用でき、翻訳作業がラクになります。

最近お仕事をいただくようになったクライアントからは、扱い的には実務翻訳の範疇とはいえ、けっこう文芸翻訳的イマジネーションを必要とする依頼が来ます。両方の良いところを取った“ハイブリット翻訳”と言えるかも。

これは何の根拠もないのですが、今後の人力翻訳ではこういうハイブリット翻訳が主流になる気がしてなりません。人間の脳みその想像力や発想力というのはまだまだAIではカバーできませんから。

また、機械翻訳後の編集で対応できる実務翻訳の場合、翻訳作業はAIが行うわけなので、ポストエディット作業を行う翻訳者には機械にできない能力が必要になります。外国語→日本語の翻訳なら、やはり日本語としての正確さと流れの良さでしょう。

日本語の正確さと言えば……

最近、若い世代の日本語力を垣間見るお気に入りツールがYouTubeのアニメ動画。特に「LINE動画」と呼ばれる、画面にLINEのように会話が文字で出てくるものは呆れを通り越して面白いとすら感じます。

文字の変換ミスも多いし、そもそも言葉や言い回しを間違えていることが多い。例えば、名詞の「間違い」をフツーに「間違え」と書いてるし……公開前に日本語をチェックしているのでしょうかね?

つまり、普通に日本語の文章を書くにしても、最後の詰めで重要なのがリサーチ力。「母語だからこそ疑ってかかる」が鉄則です。

言語は進化するものなので、確かに間違いがそのまま定着することもあります。そもそも仮名誕生前の「万葉仮名」なんてバイクで走って暴れる方々の専門用語の如し。そこから仮名やカタカナが生まれたわけなので、変化自体は不可避だし、ある意味で素敵なことです。

だからこそプロの翻訳者が意識すべきことは……

自分の訳文が必ず他人の目に触れるという事実。特定の人と交わすプライベートな通信アプリのメッセージとは質が異なります。正確なターゲット言語を目指すべきで、そのための下地もしっかりと整えなくちゃいけません。そのためにインターネットという情報の宝庫をどんどん活用しましょう。

いや、ほんと、リサーチは重要ですよー!


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