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外出制限中のパリから。 ウイルスへの「危機感」は持つべきだがロックダウンを「恐れる」必要はない。

今週末は日本の多くの都市で「外出自粛」の要請が出ていて、近いうちに外出制限(ロックダウン)がかかったらこれからどうなるんだろうという不安を抱えながら自宅で過ごされている方も多いのではないだろうか。

私も実を言えば、フランスで外出制限が決行される前はなんとも言いようのない不安にかられたひとりだ。

何しろ「外出自粛」要請及び「レストランやカフェ、商店等の閉鎖」が政府から発表されたのは施行されるたったの4時間前、更にその3日後、「外出制限」の発表から施行まで16時間しかなかったので、そのあまりの劇的なスピードに、そして生まれて初めての出来事に動揺し、一体どういう風に気持ちを落ち着けたら良いのか全くわからなかったのだ。

そして一番の心配事は「仕事探し」。
もしこのまま仕事が見つからなかったらこれからどうやって暮らしていけば良いのだろう。外出制限によってこのままフランス、いや世界の経済活動が一定期間縮小して失業者が急増したら仕事探しも困難になるのは必至である。私の貯金も無限ではないし、実際にはそろそろ本気で働かないといけない状態だ。

しかし実際に外出制限が始まってからは、仕方がないというか諦めがつくというか、意外と冷静に「こうなったら大人しく家にいるしかない」と覚悟が決まるものだ。

何しろ、外出制限を強いられて制約のある中で生活しなければならないのは私だけではないのだ。仕事探しだってなるようにしかならない。

家で出来ることを少しずつ、淡々と片付けていけば普段より大変な状態ではあるがまあそれなりに何とかなるのだから必要以上にパニックになることもない。

常に「冷静さ」を失わないように心がけていればいろいろな問題にも落ち着いて対処できるであろう。

そしてこんな時こそ、この不自由な状況を逆手に取っていろいろ工夫すれば、今まで思いつかなかったアイデアが浮かんでくるかもしれない、いわゆる「ピンチはチャンス」と、私はそうポジティブに捉えている。


「外出制限」は完全に自宅に閉じ込められるわけではない。

テレワークが不可能でどうしても出勤しなけれなならない場合や、病院に行ったり、食料品や医薬品、仕事のための必要不可欠な買い物、親族のためにやむを得ない移動をする場合や、健康上必要なジョギング、散歩、飼い犬の散歩等のためには時間や距離の制限やソーシャル ディスタンシング(人同士が接触する機会を減らす対策)の徹底等、守らなければならないことはあるとしても、それでも外出することが出来るのだ。

だからもし仮に「外出制限」が施行されたとしても、事前に慌ててスーパーで「買い占め」などする必要は全くないのである。


だからといって自由に出歩いていると感染者は増大し、規制もどんどん厳しくなる。

フランスも最初は「外出自粛」の要請が出ただけだった。しかしそれを甘く見て多くのパリジャン、パリジェンヌが公園やセーヌ川で散歩やピクニックを楽しんだ結果、「外出自粛」状態とはならず、結果的に強制的な「外出制限」が決行されたのである。

そして、「外出制限中」の今でも規則を守らない人が少なからずいるので規制はどんどん厳しくなってきているし、少なくとも4月15日まで延長されることになった。

日本もここ数日の頑張り次第で、ロックダウンになるかならないかが決まる非常に重要な時なのではないかと思う。


#家にいるだけで世界は救える

新型コロナウイルス感染症はどうやら本来季節性インフルエンザとそんなに変わらないようだ。だから殆どの人が感染しても普通の風邪症状で自宅療養すれば自然に完治するし、人によっては無症状の場合も多い。子供も若者も感染する。

問題は、高齢者や基礎疾患を持つ人が感染したて重症化した場合、ワクチンも治療薬もまだないために、あっという間に症状が進んで死に至る危険性があること。

そして症状が軽くて普通の風邪だろうと思っている人々や、無症状の人たちが普段通りに生活し、他者と接触を繰り返すことで無意識に人々に感染を広げていることだ。

万が一重症感染者が爆発的に増えれば病院も対処しきれず、救える命も救えなくなる。

自分が罹患して酷い思いをするのは嫌だが、それよりも一番怖いのは、自分が新型コロナに感染しているのに気が付いていない状態で、両親や祖父母、持病を持った家族、そして赤ちゃん、大切な友人などに接触してしまって、それが原因で彼らを死に至らしめるような事になったらもう本当に取り返しがつかない。

一旦オーバーシュート(感染爆発)が発生すると、医療現場が大量の患者を診ることが出来なくなる。そして残念ながら死者が急増する。

イタリアでは亡くなった方があまりにも多すぎて、火葬も葬儀も出来ない状態が続き、遺族が途方に暮れていると聞いた。ニューヨークでは死者の増加に備え、仮設の遺体安置所の設置を進めている。
別に恐怖感を煽るために言っているのではないがこれが海外の現状だ。

もし、暫くの間、家に篭ることによって家族や友人、そして世界中の人々の命を守れるのであるのならば、ちょっと我慢して自宅で過ごすことぐらいどうってことない。


昨日、ツイッターで 「#家にいるだけで世界は救える」 というタグを見つけた。一人ひとりが責任感を持って「家にいる」任務を遂行すればいいだけだ。何かすごく前向きでいいタグだなと思った。



とにかくこの状態がずっと一生続くわけではない。終息する日は必ず訪れるのだから必要以上に心配せず、落ち着いて行動しよう。


そして、せっかくだから家にいることを楽しもう。




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