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男女別で考える最新フィットネス④:「ライフステージ」に合わせる重要性

ライフステージによって「あなたにぴったりのフィットネス」は異なります。

◆年齢ではなく「ライフステージ」で考えることが大事

ここでいうライフステージとは、必ずしも「年齢」のことではありません。

生まれてから何年経ったかよりも「その人がこれまでどうやって生きてきたか」のことを指します。パーソナルセッションをする際も、私が重視するのは年齢よりも人生の歩みの方です。

例えば、同じ30歳の女性を並べても、妊娠・出産を経験したことがない女性と、2度の出産経験がある女性では子宮の大きさも違いますし、腹筋の形も異なりますし、生活様式も、(時期によって)ホルモンのバランスも大きく異なります。

また、妊娠・出産未経験の女性だとしても、避妊をして意図的に妊娠していない方と、妊活をしているけれどまだ妊娠までいたっていない方も、身体の中の様子は変わります。さらに、IUDピルを使っているかどうかでも、ホルモンの状態は変わりますね。

似たように、妊娠・出産経験のある女性も、自然分娩だったのか帝王切開だったのかで身体の筋肉の状態が変わったり、妊娠後期の高血圧・脂質異常・糖尿病があったかによってその後の対応は変わります。

「言われてみればたしかにそうかも…」と思えるようなことですが、ネット上では女性をライフステージで区別して取り上げているダイエット情報はほとんど見つかりません。

20代前半の女性も、閉経前の40代後半の女性も、「みんなに同じ方法が効くかのように」流行の方法を紹介している情報ばかり溢れているんです。

◆ライフステージに合わせたフィットネス

「女性の身体は10年ごとに別人のように変わる」とも言われるほど、ホルモンの変動があります。

・生理が始まる思春期
・成熟期を迎える頃(妊娠しやすい時期)
・妊娠初期・中期・後期、産後
・閉経に向けて準備が始まる時期
・閉経中
・閉経後

さらに、こうした身体の変化だけでなく、離婚・パートナーとの死別・介護など、精神的に負担の多い時期も含んでライフステージと考えることもできます。

例えば、離婚調停真最中の方に「ストレスの少ない生活を心がけて、3食しっかり自炊して栄養をとりましょう!ちゃんと8時間寝てますか?」なんて話をしたところで、ベストな形のフィットネスが見つかるわけありませんよね。

▷思春期に注意すること

思春期の女性は、鉄分不足低体重が問題になったり、急に変わる身体に心がついていかなくて身体に対するコンプレックスを抱えやすい時期です。

この時期に不要なダイエットするのは、精神的にも身体的にもあまり適切ではありません。(健康の観点から見て”不要”という意味)

私のように摂食障害まで経験しなくても、この時期のダイエットはその後の身体との付き合い方に大きく関わります。思春期にこじらせた心と身体の関係を30代、40代でも引きずっている方々が私の元に多く訪れています。

今は、思春期の女性をターゲットにして整形の学割とかが出てきているくらいですので、ダイエット学割みたいなサービスが既に出ていてもおかしくありません。

人のコンプレックスを餌にする事業が拡大し、若い人たちの将来を奪うような社会にしてしまったのは、私たち上の世代の責任。といいつつ、そんな私たちも搾取されている側なので、そういった目が¥な事業に目を光らせて声をあげることは、今の社会に必要なことだと思っています。

▷妊娠中・産後

妊娠中・産後のフィットネスに関しては、別の記事でまとめます!
記事が出次第、リンクを貼ります。

▷閉経前後

閉経前・中・後の女性の身体は、思春期の時のようにホルモンの乱れを経験します。

PrecisionNutritionより引用

このグラフに表されているようなホルモンの変化は、あくまでも一般化されたもの。実際には個人差が大きく出るものなので、人それぞれ異なるプロセスであると考えてください。

閉経の準備は45歳くらいから始まるとされていて、どれだけ体調に気を使っても、これまでと同じような生活をしていても、以下の症状が出てくる場合があります。(もちろん、ほとんど出てこない人もいます。)

不眠
急な発汗
頭がモヤモヤする
関節痛
体重増
不安・動悸

個人差が大きいだけでなく、日によっても大きな差があるので、以下のことを念頭に置きながら「その日の体調に合わせたエクササイズ」を選択することが大切です。

・ウェイトを使った全身の筋トレ(2−3/週)
・息のあがる運動は、循環機能のためにも有益
・強度は、調子がいい時に上げる
・関節痛があれば、飛んだり跳ねたりする運動を避けて、地面に足をつけたままの運動を選ぶ
・十分な休養をとることは必須
・午前 or 午後?体調のいいタイミングを選ぶ
・特に柔らかすぎる関節・硬すぎる関節に注意して安全な種目を選ぶ
・動悸、不安症、発汗、不眠の症状が出ている時は無理して運動しない

◆まとめ

女性に特化して言えば、フィットネス科学の進歩は遅いです。「2023年だよ!?まだここ!?」ってくらい遅いです。でも確実に進んでいます。

これから明らかになってくることがたくさん出てくる一方で、科学研究で明らかになることは一般化された知見でしかないという点は変わりません。

あなたの人生の歩みをたどってきた人間は、あなたしかいないからです。

科学は、方向性を示してくれるヒント。そのまま当てはめられるような正解ではないので、「今の自分にあった最適なフィットネスってなんだろう?」という視点を忘れないようにしながら情報収集・自分で実験ましょうね。


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