組織変革の壁と越え方~サーバントリーダーはバレたらアウト?~

世の中、

サーバントリーダー
ティール組織
自律
自己組織化

といった言葉が目立ち始めている。

※あくまでも個人の見解です。所属する企業とは関係ありません。
※事例をそのまま書くことはありません。複数の体験を組み合わせたり組み替えたりして創作したお話を書きます。

これまでの組織

これまでのピラミッド型の組織構造でたちいかなくなってきたのでしょう。まあ、うまく行ってない。

けれども少しずつ問題認識が進んできた様子。
尻に火が着いてきたからなのか、数十年かけて上の世代がいなくなっていき徐々に世代が入れ替わってきたからか…

失われた10年と言われ…
失われた20年と言われ…
失われた30年でようやく問題は、どうもスピードについていけてない、組織の柔軟さが足りない、イノベーションしなきゃ、でもできない、変革できない、…というのは年寄りもさすがに受け入れざるおえないでしょ?

で、どうすればいいのか?

この過去からの大きな変化はとても難しい。
大きな集団になればなるほど難易度が指数的に高くなる。

問題は、変化への適応が低いこと、組織の柔軟性が低いこと。

指示と報告がピラミッド構造の上司部下のラインに沿って流れること
つまり、隣の組織とは情報交換しないこと(これはしないというよりは、してはいけない禁止に近い)

…何かをなすには、上司やリーダーが全体を取り仕切って、配下の組織やメンバーに指示をする…

リーダーがあるミッションの責任を持ち、部下に指示をしながら遂行する。
引っ張るリーダー、強いリーダー。

でもですね、これが良くない世界に変わってきたんです。リーダーが世の中を見通せている世界だと良かったんですけどね。

うまく行かなくなってきた

リーダー1人では全体をカバーできなくなってきた。世の中のスピードもあがってきた。

各人の専門性が高まってきて、リーダーは細かいことは見えてない。メンバー各々の責任が増えていく。

ピラミッド型の組織でと、配下は自律しないんですよねー。見えてる範囲をしっかりやる。範囲外をやると無駄。リーダーの考えてる範囲をやる。

ミッション以外を見なくなる。自分で外の世界を見なくなっていく。

外の変化をとらえて、判断して、問題を見つけて、対応していく…変化への対応です。が、旧来の仕組みではやらないよね。良いことだと思ってないから。

ではピラミッド型の組織をやめよう

…なんですけど、簡単じゃない。

何でなんですかね?
みんなが自ら考えて判断して行動すれば良いんです。

ずいぶんいわれ続けてきたこと「自ら考えて動こう」。私が新人のころ25年前には言われてましたねぇ。

つまり、20-30年放置されてきた問題です。

自ら考えて判断して行動する人ばかりで大丈夫?

…って心配になるみたい。
困りましたね。
経営者や組織の上層部は、これで固まって思考停止していたようです。

まあ、そもそもピラミッド型の組織は「自ら考えないで判断しない人」を育成しますから、彼ら個人のせいではないと考えています。仕方ない。
(ただし、早く席を空けるくらいの気は効かせて欲しかった。)

組織をまとめるには?

皆で協調連携する。
簡単なことです。

どうやって?

みんながリーダーになる。
緩く連携を促す役割の人や組織をおく。
方向性をつくっていくのは協議しても良いし、サーバントリーダーがつくってもいい。

どうやって新しい世界に移る?

数十年解決してないのですから、難しいことなんだろう。

既存のリーダー像が大問題

もうね、世の中の大半の人がこれまでの世界を信じきっていて正しいと思い込んでいる。ピラミッド型の組織構造と、上にたつリーダー像に染まりきってる。

さて、自ら考えて判断して行動するって、上司のいう通りに動くとは限らない人。

悪者なんですね。良き人物像に反する。
真面目に皆が、新しい世界に移る芽を片っ端から潰している。これが難しさの本質。

リーダーや上司や経営者が芽を摘む。真面目に。
しっかりした人ほどダメだ。
真面目な良きリーダーは部下の行動を把握しコントロールしたがる。

現場を活かそう。
皆の力を引き出そう。
権限委譲しよう。
…って言いながら、

潰す!

笑うよ…
目の前で力説されると…マジ笑いそうになる…本当に…

心ある人がいても…

さらに別の問題がある。

ここまで説明してきた問題を良く分かった人がいたとしよう。

ピラミッド構造の組織から、皆が自律して行動するように変えたい。

仮にその人が「皆が自律して行動するように変える」ミッションを持ったとする。既存の強いリーダーシップを発揮して推進しようとする。

………皆はリーダーに頼ってしまう。自ら考えて行動しなくなる…

面白いもので、誰かが主体性を発揮すると人はその人がやってくれると思って主体性が減少する。ほとんどの人がそう。スゴく主体性のあるリーダータイプでもそう。

ソーユー癖がついてしまっている。

ここでサーバントリーダーだ!

皆の自らの行動に移ることを妨げる既存のリーダーではうまく行かない。ならばサーバントリーダーでいこう。

皆が自ら動くように促そう。ただし、

リードしていることを皆に気づかれてないけない。

気づかれたら皆は頼って、自ら動かなくなってしまう。

我慢だ
隠密行動だ!

かなり辛くて難しい条件なんだと思う。気付かれてはいけない。

弱く、謙虚に、控えめに、能力や問題意識を悟られないように…

強いリーダーを強要される

どんなに気を付けても、隠しとおせない。
いろいろ話をして働きかけをしていくので、チラチラ見えかくれしてしまう。

上司や気の効いた同僚や後輩から、無邪気に「なんでやらないんですか?」「いつやるんですか?」「簡単ですよ、やれば良いんです」「手伝いますよ」だとか…

逆に(これは想定通りなんだけれども)、「偉くなりたがってない」「逃げてる」「がんばれ」とか、異動させられたり、評価を下げられたりする。
繰り返すが想定通りなんだけれども。

強いリーダーシップが正しい(というより刷り込まれてる)人は、真面目に真摯によかれと思ってお節介を焼いてくる。邪魔であり、新しい世界に進むことに逆行しているのだが。

…これもとても面白い現象だ。

さて…

私はこれを20年以上続けてきた。

最初の頃は、上記の問題が明確に認識できてなかったから、まず組織や周囲の人間観察と様々な実験を繰り返して、理解を深めて考察を繰り返してきた。徐々に上記のことを言語化できるようになってきたし、働きかけもいろいろできるようになってきた。

いま、ずいぶん状況は進んできた。

どうしたらよいか?

強いリーダーシップをしないこと。
ここまで説明した問題点を周囲に繰り返し伝えること。すぐには理解されない。
損な役回りだと自覚すること。
意図して悪者になること。
時間がかかること、何度も後戻りすることが予定どおりだと知っておくこと。

で、我慢!!!

それでもやると覚悟すること。

今現在なら、上記の話ほど難しくない。世の中が進んできている。

10人の集団なら、話せば伝わる。繰り返し話続けて伝わった人から一緒に行動してもらえばよい。

100人の集団なら、いくつかの小さな集団に分割されてるはずで、先ず近場の自分の所属する集団(10人目安)を上記ように変える。そこまでは出来る。そうすれば、その10人だけが変わってしまえば、周囲は横目に見ながら真似をするようになる。伝えることは最初より容易なはず。

それ以上大きな集団は難易度かかなり高い。

何度か繰り返しながら、何度も後戻りする。予定どおりだ。挫けないように。社長など権限を持った人が理解者になれば早い。強いリーダーシップを発揮する人は一番最後に変化する人なので、その人をリーダーにしないことだ。

社長など強い権限を持つ人が強いリーダーシップの人だと大変だ。その人と根気強く会話するか…何度も失敗(強いリーダーシップの人から見ての失敗であって予定どおりの失敗ですが)して見せる。まあ、ひどい目に合わない程度にのらりくらり出来るといい。

クビにならない程度に調整しつつ、粘り強く継続する。

上記の話を理解した上で、強いリーダーシップを振りかざす人の言動を観察してみるとよい。とても良い見識が得られるはずだ。
(可笑しくて吹き出さないように注意したほうが良いかもしれない。)

ポイント

働きかける相手を、一人一人良く見て、それぞれの人に合わせて言葉やタイミングを選ぶ方が良い。

皆、それぞの価値観で行動しており、生まれてから今までの人生経験の積み重ねで今がある。

難しいけど、世の中の流れがもう出来ている。
10年後には変わってルと思う。
ただし、早く変わった方が他の集団よりもメリットを沢山得られるはず。

…やってみては?

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