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文字起こしが役に立たない取材ライター

ボイスレコーダーを買った。

何を買ったらいいのかわからなくて、Webライターラボの「なんでも質問・相談」ブースで検索したところ、見事にヒット。ここぞとばかり検索、比較して、お得意のリサーチ沼にはまりながら、やっと決まった。

オリンパスのレコーダーを購入。

取材は来週。レコーダーも買ったし、事前調査や質問の内容もばっちり。

しかし当日。ピカピカのボイスレコーダーで張り切って録音したにもかかわらず、一度も聞くことなく記事を書いた。(正確にいうと訳あって一回聞いたけど)

何ともかわいそうなレコーダーちゃん。

ボイスレコーダーを使ってインタビューをすれば、文字起こしツールを使って簡単に記事化できるんじゃないの?!

そう思っていたが、わたしの場合、そうもいかなかった。

「なぜか?」

その理由は明確だった。

文字起こししても記事にならなかった

インタビューの音声を文字起こししたところで全く記事としてなりたたなかった。なぜなら、わたしのインタビューが下手だからだ。

記事にしやすいインタビューは、質問したことに対して回答をいただく。そして次の質問…と想定されるのが記事の形だと思うが、わたしはそれができていない。まだまだだと反省するわたしの中に、それでもいいと囁くわたしもいる。

下手くそなのに「それでもいい」と囁く自分がいるのはなぜ?

理由を知るために、気持ち悪い自分の声が入ったインタビューの音源を聞いてみた。すると「良し」としようとしている理由は、結構単純だった。

聞かなければならない重要クエスチョンは済ませているのだが、わたしの場合、一回で終わらない。回答に対して気になることがあると、そのポイントに対しての都度質問を投げかけるので、半永久的に会話が続いてしまう。よく言えば深掘り、悪く言えば脱線(内容による)。

インタビューをしている最中に「記事にすること」を忘れているのだ。

記事にするときにネタに困らないのはいいのだが、例えば音源をライターに渡して記事にしてもらう、ということが難しくなる。また、今回は深掘りすることで盛り上がったが、人によってはそうもいかないケースもあるだろう。

うん。決められた時間内で効率よくネタを引き出せる「会話力」が必要だ。

まだまだ赤ちゃんインタビュアーだな。

興味の有無でインタビューが変わる

興味があればあるほど、質問は増える。ただし、回答に対して気になるポイントをむやみに深掘りしてしまうのは、良し悪しかもしれない。

悪い点は、先ほども言った通り「外注化」をしにくいことと「時間内で収められない可能性がある」こと。

一方で、良い点は「とにかくネタが増える」ことと、興味の深さが記憶につながり「録音に頼らず記事にできる」こと。

興味のまま、本心のままにインタビューすると、話の内容をほぼ覚えていられることに気づいた。音源を聞いても新しい発見や内容、あーそうだった!なんて思い出すこともなく。記憶のまま、インタビュイーの目の輝きや表情、前のめりな姿勢などを総合的に覚えているので、想いが強いパートも比較的記憶に残る。

例えば以下の記事は、1秒も録音していない。たまたま担当者の方がいらっしゃって、世間話程度に会話をした。それを一部、記事に反映した(もちろん先方に使用許可はいただいている)。

行きたい!食べたい!と思っていた先で、たまたまお話が聞けたものだから、興味以外の何物でもなく。取締役兼広報の黒澤さんとは、友達のように話が盛り上がった。

録音・録画のメリットは「表情」

せっかく買ったボイスレコーダー。
自分の声を聞くのは超イヤだけど、せっかくなので聞き直してみた。

案の定、記憶の範囲内の会話。記事化した後だったので、大幅な修正はなかったが、大切なことに気づけた。

「この人この話題のとき、テンション高いな」
「すらすら話しているな」
「楽しそうに話しているな」

声の感じでインタビュイーの表情を改めて確認できたのだ。
盛り上がっていたり熱がこもっていたりする口調ってなんとなくわかるじゃないですか。映像であれば確かだが、声でもなんとなくわかる。

この声のトーンによって、インタビュイーが何を一番伝えたいかに改めて気づけたのだ。

記事は8割仕上がっていたが、声を聞いて調整。目的に沿った内容かつ本人の想いが詰まっていると感じた箇所を、ブラッシュアップした。

わたしが大切にしていること

ボイスレコーダーは必要。録音録画は超重要。話の内容の記録はもちろんのこと、誤認や言った言わないの証拠にもなる。

この点を踏まえて話すし、これからも活用することを前提として「想い」を吐き出してみる。

きっと決まった時間に必要な質問だけを投げかけ、記事に盛り込める話を引き出せるのがプロなのであろう。わたしはまだまだだ。

ただ、自分なりに大事にしたいこともあって。

それは「会話を楽しみたい」ということ。

インタビューといえども、人対人の会話。1人の人間として相手への敬意や興味を素直に出して、相手を知りたいという思いを持ってお話をしている。

また、中には録音されているとわかると、緊張して話しにくくなる人もいるだろう。普通の会話から生まれる言葉は、より「想い」に近く、リアルだな…なんて思ったりしている。

(緊張させない雰囲気作りもインタビュアーのスキルのうちなのかな)

もちろん多忙な方へのインタビューやお堅いテーマのインタビューなどは、必要最低限の質問に留める必要があると思う。

ただ、相手がどんな人であろうと、会話は会話。ノートに書いた質問表はほどほどに、わたしはあなたの想いを会話から聞きたい。

インタビュー。何を持って"成功"なのか

インタビュー記事は目的があっての記事なので、ゴールを見据えて書かなければならない。

  • 採用/ブランディング

  • 商品、サービスのPR

  • 顧客の声、事例 などなど

目的によって想定読者・ターゲットも変わる。

誰に見てもらいたいのか
どう思って欲しいのか
どんなことを伝えたいのか

この点を押さえないと、まるで違う記事になるので十分に意識している。

例えば企業の魅力を伝えるための社員インタビューなのに、その社員本人(インタビュイー)の魅力を語る記事になってしまっている、とか。
いやいやこの人はいい人なんだけど、この人を通じて企業の魅力を伝えたかったんだよね。と、当たり前だけどこんな感じになりかねない。

この場合は、この企業の働き方によってこの社員は理想の生活(人生)を送れている、といった"企業ありき"の質問が必要だろう。

「うおぉーいいの書けたーーーー!!!」

と思っても、ゴールが異なっていれば終わりだ。(まぁでもこれはどんな記事でも言えるか)

ただ目的がブレていなくても、仕上がった記事が果たして有効なのかは自分で判断するのが難しい。何をもって成功なのか、何を持って喜んでいいのかがわからなかったりする。

提出してクライアントさんやインタビュイーに喜ばれて、やっと、喜べるのかな。(探り中)

Webライターが書く記事は、SEO記事だけではない。Googleさんや数字だけでは測れないものがあると知ってから、ようやく「書く」ことに向き合えた気がする。


「相手が求める成果に近づけること」

数値なのか感情なのかわからないが、この点はしっかりと意識して今後も活動していきたい。














最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2024年8月のわたしが感じることを素直に吐き出しただけなので、温かい目で見ていただけると嬉しいです。

数年後この記事を見て「まだまだだな~」と思えるよう、丁寧に成長していきたいと思います。


さて、仕事しよ。


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