哲学は役に立たないと思っている人に伝えたいこと
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哲学って、学んだからすぐに使えるわけでもないし、学んですぐお金に結びつくわけでもないので、なかなか学問のなかで哲学をわざわざ好き好んでやる人の気持ちがわからないって意見があるかなと思います。
みなさんに別に哲学やりましょう!やってください!と勧めているものでもないんですけど、そのネガティブなイメージを払拭したいという思いでこれを書いています。
まず哲学は、それそのものとして使うものではありません。他の分野とコラボレーションして力を発揮します。別の言い方をすれば、どんな分野とでもコラボできます。
例えば、医療だったら、倫理とか道徳とかについて考えないといけない場面ありますよね。政治だったら統治法とか、法律の役割・任務とか、政治哲学という分野で考えたりもします。科学ってなんだ?ってことで、この科学絶対主義(とでも言いますか)へのストッパーとなる科学哲学もありますし、本当になんでも、哲学的に考え、分析することができます。
コラボして力を発揮するので、喩えて言うなら・・・
と探してみましたけど、けっこうこの世のすべてのものって連鎖しあって存在しているから、まさに共存の象徴なのかもしれません。
紙は紙だけでは用途が限られているけど、ペンがあったら絵を描いたり文字を書いたりできる。カメラも被写体があってこそだし、人間だってほかの人間と関わりながら生きてる。
また、人生を生きる上で、人がぶつかるたいていの悩みはすでに哲学者によって考えられています。
雑誌で「人生に成功するには?」とか「どうしたら幸せになれるの?」とか「恐怖・プレッシャーをどうコントロールすればいい?」とか特集があったりしますよね。
それ全部、もう考えてくれています。人類の思想の積み重ねなのでね。哲学を学べば、「ああ、時代は違えどこんなこと考えてたんだな。」と、答えが見つけられるかもしれません。
哲学がコラボさんだとすると、日頃起きていることもよく理解できます。哲学といえばプラトンやアリストテレスといった古代ギリシアとかの人たちだけではないです。生きるとか死ぬとか存在とか、そういう大きな問いだけの話ではなく、さっきも言った医療とのコラボだったら、安楽死をどう考えるかとか、政治とのコラボだったらどうして民主国家から独裁者が生まれうるのかとか、色々考えられるわけです。
哲学がなにとでもコラボできる理由っていうのは、哲学がすべての学問の基礎だからです。プラトンや、ニュートン、ライプニッツ、パスカル、レオナルドダヴィンチとかは、哲学者ですけど、今では数学者、物理学者、科学者ともカテゴライズできます。それは彼らが「なんで物はいつも下に引き寄せられるんだろう?」とか「ゼロってなんだろう」とか考えたことから始まっています。
前回話したように、哲学するというのは驚く、問う、論理立てる、でしたけど、この問いを出して考え始めることなので、すべての学問の根っこにあるものなんですね。
私が学生時代、哲学やってると言うと、哲学意味ないとか役に立たないって散々言われましたけど、その役に立つって狭いところでもの考えてるなあと思ったりしていました。
私は、哲学は全ての学問の源なんだぞ!と思いながら、がんばっていました。
以上「哲学って役に立つの?」というはなしでした。
次回は、「哲学をはじめたい人はなにから始めればいい?」について書きます。