【哲学カフェ入門】哲学カフェのルールって?
今回は哲学カフェをするにあたって、ルールが設定されていることが多いので、これらを紹介します。哲学カフェに参加するまえに、知っておいて損はないことですし、普段の会話の中でも心がけると会話をより楽しめるようになるかと思いますので紹介しますね。
まず現在日本で行われているほぼすべての哲学カフェ・哲学対話に適応されているとも言えるルールは、ある本から参照されています。
『考えるとはどういうことか、0歳から100歳までの哲学入門』
という梶谷真司先生の本です。日本の哲学カフェの入門書としてすばらしい本です。理論的なことが書かれています。
ここに紹介されているルールが8つあるので、1から順に、さっそく、紹介しますね。
①何を言ってもいい
②人の言うことに対して否定的な態度をとらない
③発言せず、ただ聞いているだけでもいい
④お互いに問いかけるようにする
⑤知識ではなく、自分の経験にそくして話す
⑥話がまとまらなくてもいい
⑦意見が変わってもいい
⑧分からなくなってもいい
8つのなかで、なにか気になったルールはありましたか?
哲学ならではの、おもしろいルールもありますね。
でも、そもそも、哲学カフェは自由な議論の場所なのに、どうしてルールがあるの?どうしてルールが必要なの?と思った方がいるかもしれません。
やはり最低限のルールがないと、逆に自由な、のびのびと、いきいきとした議論は難しいからですね。
はなしあいが、悪口になってしまったり、知識がたくさんある人ばかりが発言して議論を進めていってしまったり、学校での勉強のように一つの正解を探すためだけのものになってしまうのを防ぐために、ルールがあります。
でも、ルールを禁止事項のようにとらえてしまうと、「これをしちゃいけない、あれをしてもいけない」とちぢこまって、消極的になってしまうリスクもあります。
ルールをどのように伝えるかも、ファシリテーターの悩みごとの一つかと思います。
さて、このルールのなかで私が一番重視して、こども哲学「哲学アトリエPHILO」でもルールとして取り入れているものが、ひとつあります。
それは4つめの「お互いに問いかけるようにする」です。
これは、ルールの中で一番難しいんじゃないでしょうか?
なぜなら、問いかけるには、まず相手の話を聞かないといけない、そして理解していないといけないからです。聞いていても理解していなければ、問いも、とんちんかんなものになっちゃいますよね。
そしてさらに、問いが大事な理由としては、問いから思考が生まれるからです。
なにか問題を出されると、答えを探したくなりませんか?
「世界一高い山はなんでしょう?」や「世界で一番大きい犬はなんでしょう?」か聞かれると、頭の中で自然に答えを探していませんか?
(ちなみに世界一高い山はエベレストで、世界一大きい犬は、セントバーナードではなくアイリッシュウルフバウンドだそうです)
問いにはこういう力があるんですね。だから問いがあると、人は自然に考え出します。そして議論が深まります。
哲学カフェでは、わからないというのは全く恥ずかしいことではなく、むしろわからないことが増えるのは新たな世界に足を踏み入れたということで、質問もとても良いことと考えています。
わからない → 質問(「それってどういう意味ですか?」など) → それに答えようと、みんなも考える!
「例えば?」とか、「それってこういうこと?」と言い換えてみたり、「他の人や他の時代でもそう考えるかな?」など、いろんな問いがあればあるほど、議論が豊かになります。
でも実際、日本社会では、学校でも会社でも、あまり質問しすぎると先生や上司に嫌な顔されたりすること、ありますよね。でも、それって思考停止であって、物事をもっと深く追求しよう、もっと違う視点からみてみよう、っていう態度がないので、とてももったいないです。
とくに子どものころ、せっかくでてきた問いを摘み取ってしまっては、そのあと好奇心も育たないので、問いはいつも大事にしてあげたいなと思うところです。
みなさんもぜひ意識してみてください。問いは大事です!
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こども哲学に興味をもたれた方は、ぜひ実際の「哲学アトリエPHILO」にもご参加くださいね♪小学生であれば何先生でも参加できます!
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