『Tomizo~僕と親方の造園日記』③一点集中!
親方が、ものすごく集中しているところを時々見かけるようになった。
誰も声をかけられないほどの、緊張感を感じる。
こんなに集中している姿は、仕事中でもめったに見られないことだ。
そして、体のポーズは決まって、クラウチングスタートのスタイルだ。
片膝を立て
もう片膝は床につけ
両手は肩幅よりやや広めに軽く床につけ、
目線は斜め下で、一点集中している感じだ。
そして、膝が床についている足のかかとは、しっかりとお尻の中心に固定されている。
2,3秒後、何かを察したかのように、すっと立ち上がり、
少し、吹っ切れたような爽やかな雰囲気で歩き出す。
その光景を何度も見かける度に、気になってしかたがなかった。
親方オリジナルの集中方法なのか?
それとも、多くのやり手経営者がやっているという「瞑想」の一種なのか?
はたまた、メンタル強い親方でも、落ち込むような出来事があったのだろうか?
僕はある日、思い切って親方に聞いてみた。
「あの、、親方、、時々陸上選手のスターティングポーズで集中している時ありますよね?それって、何か考え事してるんですか?」
同じセリフを何度か伝えた後、
親方は、
少し戸惑いながら、
少し照れくさそうに、
僕にこう教えてくれた。
「イボ痔をケツの中に入れとるんじゃぁ」
??????
「?イ、イボ痔??」
「わし、イボ痔に何年も悩まされとってなぁ、クソした後、絶対出てくるんじゃぁ。
それを、かかとで、押し込んどる!」
...…うっそぉぉぉ!!!!!
僕が何度も見かけた、親方のあの真剣な眼差しと集中力は、、、
イボ痔を、ケツの中に入れこむ作業だったのかぁぁぁ!
「二十歳(はたち)ん時からの付き合いでなぁ。何度も試行錯誤してなぁ、やっとこの方法に行き着いたんじゃぁ」
そして親方は少し得意げに、こう続けた。
「コツは、集中力じゃ!お前もイボ痔になった時はこのやり方覚えとけよぉ。力仕事やけんのぉ、この業界、イボ痔になる確率は高いぞぉ。」
そう言って、親指立てたグーサインを出しながら、親方は去っていった。
あー、、、
そうだった、、、、
確かに、あのポーズをしている時は
決まって親方がトイレ🚻に行った後だったぁぁぁ!!
いつイボ痔になるか、
ハラハラしながら、
今日も庭仕事を続けている
僕です。
いつか親方のアドバイスが
役に立つ日がきませんように..…
アーメン!!!
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