自分で自分を育む〜セルフケアの大切さ〜
こんにちは。
久しぶりの投稿です。
今日は、セルフケアの大切さについてお伝えしようと思います。
私がセルフケアについて伝えようと思った理由は2つ。
ひとつ目は、
自分自身が大切な人を亡くしてセラピーを学んだ時。他者からの言動で更に傷つくという経験をしたこと。
もうひとつの理由は、
ご相談者様のお話をお聴きする中で。
以前カウンセリングを受けた際にカウンセラーの方の言葉に傷ついたり、やっぱり自分が変なのだと思ったことがある。
だからもう誰にも話さないと思っていた。そのようなお話をよく伺うようになったことです。
人を頼るのはある意味とても勇気のいる行動です。
過去に誰かの言葉に傷ついた経験のある方や、身近に相談できる環境がなかった方にとっては尚更。
やっとの想いで行動したのに以前よりさらに辛い状況になってしまうのは、とても残念なことですね。
ということは…
自分自身でケアすることが出来るようになれば、辛い時にさらに辛い思いをしなくて済みます。
そしてその後の人生で何か壁にぶつかった時にも、自分で自分を守り・労い・勇気づけながらこの先の人生を生きていくことも出来るようになる。
そんな想いがこの記事を書くきっかけです。
大切な人や存在を亡くした時の悲しみは心と身体にあらわれます。
グリーフケアで大切なことは、哀しみを無くそうとしたり抑え込まずに自分らしく表現すること。
人はみんなもって生まれた性質も違えば育った環境も様々です。
なので哀しみの現れ方も人それぞれ違うのが自然なのです。
誰かの言動に傷ついてもう誰にも頼らずにいきていこう。
そう決めてしまったこともあったかもしれません。
でも人って自分一人で生きているようにみえてもたくさんの人との関わりの中で生かされています。
だから自立して生きて行くために先ずは頼れる先を見つけること。
そして安心安全を感じながら自分の想いを表現すること。
そうやって少しずつ力を取り戻していくことが肝心です。
カウンセリングがそのような「安心安全な場」となるように。
私はそのことを一番大切にしています。
「あなたという人を生きているのはあなたひとり」
誰かと比べる必要はありまませんし、そもそも比べられるものではないんです。
そんな辛い経験もすべて学びなんだよ!
そう言われることも少なくないと思います。
確かにそういった面もあるとは思います。
ですが、あなたが出口の見えない暗くて深い穴の中に落ちてしまい、もう二度とここから出ることはできない。そんな風に孤独を感じているとしたら。
「助けて欲しい」と勇気を出して声をあげてください。
自分で立つために先ずは頼れる先を見つけること。
そして哀しみと向き合う時間と、それ以外の時間を行き来しながら過ごすこと。それがやがて訪れる「再生」へとつながる道になって行きます。
喪失体験は今までのあなたを大きく揺さぶり、時に自分が生きる意味を見失ってしまうこともあるかもしれません。
反対にこんなに大変な経験をした自分には、何かしなければならないことがあるはずだと思い込んでしまうこともあるかもしれません。
ですがそんなあなたの想いの全てを大切に、一歩ずつゆっくりと進んでほしいと思います。
グリーフを抱えていると心身共に疲弊してしまうこともあります。
動けなかったり、逆に何かしなくちゃと動き回り過ぎてしまうこともあります。
でもそれも自然なことなので安心してくださいね。
とは言っても、心身ともに疲弊している中でわかちあいの会に参加したり、カウンセリングを受けることが難しい場合もあります。
ひとりで自分の感情をただただ沸き起こるままに表現し続けるだけだと、さらに疲弊してしまうということも起こります。
自分と向き合うことは大きなエネルギーを必要とすることですから。
なので先ずは自分一人でできる「セルフケア」に取り組んでみるというもの一つの手段です。
日々のカウンセリングにおいて、カウンセラーが何か特別な力を持っているのではなく相談者様ご自身が既に持っている力に気づいて、その力を使ってやがて再生に向かっていく。
そのような場に立ち会わせていただくと「人ってすごい力をもっているのだな」そう思います。
そしてカウンセラーは「同行者」としてその場に一緒にいること。そのくらいしかできることはないのだなとも常々感じています。
私はグリーフケアが「特別」なものではなく、「日常」になればいいという想いで活動しています。
そしていつの日かグリーフケアという言葉をあえて使う必要が無くなり、カウンセラーという職業も必要とされなくなる。
そんな日が来たらいいと本気で思っています。
先日、ご相談者様ともちょうどそのようなお話をさせていただいたところです。
少し話が逸れてしまいました。
それでは具体的なセルフケアの方法についてお伝えしてみます。
セルフケアで大切にしてほしいことは、心のケアだけをやり続けないことです。
グリーフを抱えていると自分の感情や想いと向き合う時間がどうしても多くなってしまいがちです。
特に一人で家の中にいることが多い場合。沸き起こる感情に飲み込まれてしまうことも少なくないかと思います。
それから「自分と向き合わないといけない」「感情をしっかり感じないといけない」そんな風に頑張り過ぎてしまうこともあるかもしれません。
先程もお伝えしましたようにグリーフを抱えているときに大切なことは、
「自分の想いや感情をあなたらしく表現すること」です。
ですが少しだけコツがあります。
沸き起こる感情はあなたにとってすべて大切なものです。いいも悪いもありませんので、
「ああ、今○○っておもっているんだな」
こんな風に少し距離を置いた視点から自分をみるイメージで感じてみてください。(よく言われているのは映画のスクリーンを見るイメージです。)
もしこんな感じていいんだろうか…
これで合っているんだろうか…
そう思ったときには「今こんなんでいいのかなぁって思っているんだな」
こんなふうに。
あと、これは私自身が意識せずにやっていたことですが、とても辛かったり哀しみがあふれてどうしようもないときは、
自分の利き手で、胸(心臓のあたり)を軽くトントンとしてみてください。
無理にわたし頑張っているなとか、落ち着かせなくちゃと思う必要はありません。
ただ優しくトントンとしてみてください。そしてゆっくり深呼吸を忘れずに。
後から調べて分かったことですが、
心臓のあたりを軽くトントンすることでオキシトシンというホルモンの分泌を促します。
オキシトシンとは、
「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」などと呼ばれ、脳や心を癒し、ストレスを軽減する働きを持つホルモンです。
公益財団法人テルモ生命科学振興財団:生命科学DOKIDOKI研究室より、抗ストレス作用や社会行動に関する「オキシトシン」https://www.terumozaidan.or.jp/labo/class/s2_11/interview02.html
いかがでしたか。
今回の内容がほんの少しでも、あなたの力を引き出すきっかけとなれば嬉しく思います。
それでは、また。