サンダーバーズ、わっしょいわっしょい
『帝王』ことジャズの巨匠マイルス・デイヴィスは
”When you’re creating a group, you have to bring in different people. They have different flavors.”
(グループを作る時は色々な人間を引っ張らないとダメだ。色々な味ってもんがあるから。)
と遺した。
富山GRNサンダーバーズの応援団はまさにその言葉通り、肩書、世代、立場を超え多種多様な人物が参加している。
土谷応援団長はマイルスと同じ真っ赤なトランペットを吹き、選手達への叱咤激励を今日も叫ぶ。
7回に流れる球団応援歌『GO!GO!サンダーバーズ』の時に見せるエアボーカルはお約束で、事前に分かっていながら、いつも観衆は爆笑の渦。
林原さんは今日もトレードマークの麦わら帽子を瀟洒にかぶり、団長とのデュアルトランペットで美しいメロディを奏でる。
特に富山GRNサンダーバーズチャンステーマ『こきりこ』で見せる団長との阿吽のコンビネーションは鮮麗で、息が切れそうになる少し前のタイミングで切り替わる小気味良さは爽快そのもの。
「そろそろ応援団引退も考えてるんだよね。」
と言いながら、どんなに離れた球場にも駆けつける吉田さんは、富山サンダーバーズの生き字引。
球団発足当時から応援団に所属しているので、スタジアム溢れんばかりに観客が入った時の話や応援団の遍歴、過去所属選手の事をよくご存知。
「若い女の子も入ってくれんかねぇ。」
と生粋の富山弁で語りかける。
ファン代表として始球式を務めた事のある天近さんは、熱中症気味でフラフラになりながらも太鼓を叩き続けた、気力ある一人。
タイミングを読み一息置き、ファンが応援を送りやすいリード。彼の声出しは響くので、ネット中継でもよく聞こえてくる。
その他、お顔やお名前を出せないファンの方々が沢山いらっしゃいますが、どの方もお優しく、自分の様な新参者でも暖かく迎えてくれ、ゆるりとほんわかした応援団。
来年の試合では是非、応援団近くの座席に陣取って下さい。
たとえ応援歌を知らなくても、選手の顔がうる覚えでも、その手拍子だけで笑いと笑顔に包まれること間違い無しですから。
(応援団写真は全て筆者撮影。ご本人より掲載許可済)