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三龍戦騎RPG復刻リプレイ 第2話 六花と桜花

 銀河の彼方にある惑星アマミツヨ。そこでは、恐竜、機械生物、獣人、植物知性体、水棲人など、多くの異星種属が、地球人の子孫と共存していた。
 三龍戦騎は、そんな星で、乗騎「トモガミ」とともに冒険する、少年少女「ウツロヒ」の物語である。

 このリプレイは、ほぼ公式サイト掲載当時のまま、再掲載しています。ご了承下さい。

 三龍戦騎RPG旧版ルールは、全文を現用サイトで無料公開中

 2004年末、12月30日。
 某所で深夜、星覇属の試験遊戯が開始された。遊戯者はL氏、AT氏。
 今回は、身内だけのくだけたセッションである。

 〈星覇〉(シンハ)は、惑星アマミツヨにある巨大マングローブ樹林にすむ、猫に似た獣人種属である。「知性」は低い反面、白兵戦能力に秀でており、生身で対戦車戦闘が可能なほどだ。
 彼女たちは、その能力を拡張するため、〈星娘〉(しんにゃん)とよばれる自分の幼女型クローン体をキズナ判定の対象とする。星娘は、〈まめ星覇〉とも呼ばれる。

 衣服はほとんど着用せず、全身は、金色に光る美しい毛なみと縞模様に覆われている。星覇は高い「魅力」と繁殖能力をもっており、性別を問わず繁殖可能である。彼女たちは、配偶者をさがすため、外の世界に冒険に旅立つのだ。


L氏 星覇って、みんな前のパラフリキャンペーンに出てきた震星(NPC)みたいに、語尾に「なのじゃ」ってつけて喋らないといけないの?

GM(清水三毛) 基本的には、「にゃ」「にゅ」「にょ」あたりの語尾がポピュラーなのではないかと(笑)。

L氏 えっ、特定の語尾をつけてロールプレイしないといけないの?(後に、これはあまりにキツイだろうということで、任意設定に変更された)

GM 「まめ星覇」は、クローンだから能力値自体は全部のまめ星覇で同一ね。

AT氏 星覇だと、「龍魂」は何につかうの?

GM まめ星覇と協調するのに使う。

GM で、魅力にプラス、知性にマイナス修正が入るから、修正後の能力値が0にならないように数値をわりふってほしい。くわえて、知性系の技能はとれないから。

L氏 うわッ。なんてハードなんだ。

GM 星覇だけのパーティとか終わってるよね。

L氏 今回、星覇ふたりだけじゃん!(笑)

 一同、キャラクターシートにそれぞれの星覇の諸元を記入するのであった。総計15点を、それぞれの能力値に割りふる。AT氏の星覇が「技術」6なのが目をひく。

L氏 星覇の語尾は、「ごわす」とかじゃダメか?

GM 幼児っぽさというかアホっぽさというか純真さが欲しいね。(後で聞くと我ながら注文の多い料理店である)

L氏 「さっさとお茶を出しやがれですぅ」とか?

GM それ違うから!(真紅ファン)

 この当時、GMはローゼンメイデンに嵌まっていた(編者注)。

L氏 あほっぽい語尾か。悩むなあ。

GM 喋り方は普通でも、全体的にギャラクシーエンジェルのミルフィーユみたいなノリもありかも。(なんという例えだ)

L氏 ううううむ。今回のテストプレイはまさか実現できないだろうと思っていたから、考えていなかったぞ(笑)。

GM 星覇の名前は、漢字の単語ひとつで、中華とか和風とかで。それこそ花の名前とかローゼンメイデンっぽくてもいいかも。日本軍風に、月光とか飛燕とかでもいいな。ガ行の濁音系の発音はダメよ、ガルナスっぽいから。透き通った音がいいね。

 この後、夕食の間じゅう、星覇の語尾を何にするか悩む遊戯者二人であった。

GM 今のところ、星覇の装備は、〈星覇大剣〉しかないんだよな。持つと攻撃力+2。防具のデータは、恐竜用の装甲と同じ数値で。しかし、星覇に防具って、絵としてはヘンだから、毛皮という解釈で。
 あとは、まめ星覇を二種類から選んでおいてくれ。今は二種類しかないが、そのうち増やすから。
 格闘型まめ星覇〈ヒマワリ〉というのは、「ヒマワリ蹴球弾」や、「対戦車拳法」といった肉弾技で戦う。
 支援・治療型の〈サザンカ〉というのもいる。
 最初は一種しか選べないのだが、今回は試験遊戯だから、特例で、二人もっていていいよ。

AT氏 ヒマワリにしよう。あと、星覇大剣ももっておこう。

GM とりあえず生命点と精神点は、一律15点にしておいて。……精神点というのはSFっぽくないから、将来的には廃止するかもなあ(「和魂」(なぎだま)に変更された)。
 あとは、トモガミの「環境」だが、これはとりあえず「森林」で。複数のまめ星覇をつれている場合、生命点は、その合計を書いておいてくれ。キズナ難易度は、つれているまめ星覇のなかで最も難易度が高いものの数値を書く。

PC作成 おわり

第1章


星覇王国の村。
樹上に下がっている巨大マングローブ種子は、地中貫通爆弾のように落下する。
まきこまれないよう注意しよう。


 一糸まとわぬ獣人女性の身体を、蒼い月明かりが、濡れたように照らしている。

 その星覇は、大きな猫のようなしなやかな肢体をシンハメヒルギの大樹の梢にあずけ、くつろいだ様子で、夜空にかかる月を見つめている。若い星覇に見えるが、数世紀を生きる種属であり、実際の年齢はわからない。

 金色に光る全身の毛なみは、機関砲弾すら弾き返すほどの防御力をもっているのだが、見た目にはまったくそんなことを感じさせない。

 かつて大宇宙を駆けたという遠い祖先の記憶が、いまもなお遺伝子に刻まれているのだろう。星覇一族は、月と星を見つめるのが好きだった。

 その星覇は、一族に伝わる古い唄を、澄んだ声で歌い始めた。

 呼応するように、周囲の茂みからも歌声がつづく。

 月の美しい晩は、誰ともなく、星覇たちは棲家としている森の梢に集まるのだ。唄を始めるのは、群れの長である。

 巨大な大海樹林の樹冠のむこうには、はるか下に、月明かりを映した夜の水平線が光っている。

 星覇たちの静かな歌声がいくつも重なり、彼女たちに伝わる太古の神話をアマミツヨの夜空につむいでいく。

 ――最初の女神はたったふたり、リダ・ロットとシセイ

 リダはとっても照れ屋さん ほんとの気持ちをいいだせない
 戦の前にかなしむシセイ リダが帰らなかったらどうしよう

 泣いてるシセイに リダはやさしく口づけ
 こうしてふたりは結ばれて  われら星覇がたくさん生まれた――

 歌っている星覇たちの端には、梢に隠れるように、幼さの残る少女星覇たちがいる。〈ウツロヒ〉の旅を目前にひかえた彼女たちは、胸もまだあまり膨らんでいないし、手足も長ほどには成長しきっていないのだった。

「もうすぐ、わたしたちもウツロヒの旅にでるんだね。だいじょうぶかな、桜花」

 不安そうな声色で、少女星覇のひとりがいった。長い髪が月光を浴びてきらめている。

「大丈夫。六花、強い」

 いくぶん背の低い、短髪の少女星覇がこたえた。口数が少ないこの星覇は、桜花という。昔からの友だった。ウツロヒの冒険も、ふたりで、ともに経験することになるだろう。

 六花は、友の瞳をみる。子猫のように澄んだ大きな瞳は、二つの月を浮かべて、未来への憧れに輝いていた。そこに、不安の色はない。

「そうだよね。がんばろうね、桜花。それから、一華たちも」

 六花は、膝元で眠る、あどけない幼女星覇の肩を優しくなでる。6、7歳にみえるその幼い星覇は、もちろん六花の娘ではないし、妹でもない。六花とほぼ同一の遺伝子をもつトモガミ、〈まめ星覇〉のひとりである。彼女もまた、六花と生死をともにする、大事な仲間だった。

 六花は、彼女のまめ星覇をみつめ、それから、アマミツヨの夜空を見上げた。


「これ私の!」と言っているような星娘(まめ星覇)


GM では始めよう。試験遊戯の第4話にあたるのかな。自己紹介からよろしく。

L氏(以後、六花) 星覇王国出身、六花(リッカ)。連れている星娘(シンニャン、まめ星覇の別名)は特例措置で二体で、サザンカ種とヒマワリ種。サザンカが一華(イチカ)、ヒマワリが三華(ミツカ)という名前。自分の能力値は、体力2、技術2、魅力5、知性1、龍魂4。

AT氏(以後、桜花) 同じく、星覇王国の桜花(オウカ)。能力値は、体力4、技術1、知性1、魅力3、龍魂5。連れているまめ星覇はサザンカ。

GM ふむ。君たちが住んでいる星覇王国というのは、おそらく惑星改造用とおもわれる、樹高数百メートルの巨大なマングローブ樹林の国でね。遠浅の海から、いきなり森が広がっているわけだが。入り組んだ巨大オヒルギなどの常緑の巨大樹の森が、青々と茂っている。
 そういう高層ビルほどもある巨大な木々の中ほどに、木の枝などでつくった丸い巣のような家をつくって、星覇はそれぞれの家族集団で暮らしている。狩猟採集が基本だね。雑食性だけど。

六花 いいなあ、気楽そうで。


サザンカ種の星娘(シンニャン)
画:朱雀飛鳥さん、2008

GM 早速だが、ふたりとも「知性」で警戒判定をしてもらおうか。2人とも知性は1だが、どちらかが6ゾロを出すかもしれないから、いちおう2人とも判定してほしい。難易度は6で。

 星覇たちの暮らしは、おおむね午前中、狩猟と採集を行い、午後は装飾品を作ったり、ごろごろ昼寝したり、夜になるとごろごろ夜寝したり、そのまま朝まで寝たりといった行為で大半が占められている。商人星覇は、街にでて、狩りの獲物を売る。
 うららかな午後。六花と桜花は、いつものように、巣のなかで丸まって寝ていた。まどろんでいた六花の耳に、大森林のなか、遠くから、巨大な地響きがかすかに聞えた。巨大な樹が倒れるような音だ。


六花 「巨大な樹が倒れるような地響きが聞えてきたっちゃ」

GM (そのまんまかよ!)

桜花 あっ、語尾を決めないといけないのか。

GM ちゃんと語尾をつけないと発音した場合、生命点-2ね(嘘)。「にゅ」推奨。

六花 「にゅ」だと常に判定値+2とか?(笑)

GM いや、そんなことはないが(笑)。
 六花が入り口にいくと、「どうしたのじゃ!」「どうしたみゃ!」などといいつつ、周りの巣から、星覇がひょこひょこと顔をだしているのが見えるよ。で、わらわらと、樹の上をジャンプして現場に向かっていく。

桜花 ……ぷちこの語尾ってなんだっけ? それにしよう。

GM 「にゅ」だよ。(現行の解釈では、語尾は強制ではないので、必ずしも設定しなくてもよい。)

六花 「行くっちゃ」

GM 樹から落ちなかったかどうか、木登り技能で判定を。難易度10で。(星覇は日常的に樹上で生活しているので、普通の移動なら、木登りの判定は不要である。このときは、急いでいたから判定を行ったらしい)

六花 あっ、失敗しちゃった(笑)。

GM 六花は、バキバキと木の枝を折ってブチ落ちていく。体力判定を。成功したか。50メートルほど落ちて、大きな枝にひっかかって止まった。

六花 「ふう、木登りは苦手じゃ」

桜花 危機感がまるでないね……。

GM 君たちがしばらく森のなかを行くと、森の中心部にある、巨大オヒルギの老木が倒れていて、そこだけ空が見えている。周囲には星覇がたくさん集まっていて、やいのやいのと騒いでいる。

六花 なんで倒れているんだろう?

GM 群長(ムレオサ)が調べている。立派な装身具をじゃらじゃらさせた星覇だ。このあたりは泥地といっても割と乾いているんだが、倒れた樹の根元に、直径2メートルほどの穴があいているんだ。
「ここに、穴があるようじゃのう!」

六花 オサの喋り方がおじいさん風だけど、外見は16、7歳なんだよね。「この穴のせいで、樹が倒れたちゃ?」

長/GM オサの年齢は、普通に300歳ぐらいかな。
「そうに違いないのじゃ。ちょうどいい、おぬしらこの穴に潜って、中を調べるのじゃ」

六花 「面白そうだから行くちゃ。桜花は行かないちゃ?」

桜花 「……行くにゅ。」この語尾、ヤなんだけど(笑)。プレイヤーの発言を自動的に修正してそっちで語尾をつけてもらえないかな(笑)。

GM ロールプレイ全般に言えることだが、台詞を直に発言せずとも、「こういう内容のことを言う」といった間接話法で演技すればいいんだよ。男性が女性キャラ演じるのを嫌がるヒトもいるらしいしね。

桜花 ところで、そのテーブルにおいてあるヤシガニの殻はなに?(GMは、10数年前にサイパンで食べたヤシガニの殻を倉庫から取り出して置いていた)

六花 きっと後で出てくるんだろう。

GM さて、では2人は、その巨大な穴に潜っていく。穴の中は真っ暗だから。

六花 長老にいって、なにか灯りをもらわなきゃ。


アヤメ種の星娘(シンニャン)
画:朱雀飛鳥さん、2008


GM 交渉判定だね。魅力で攻めるなら「魅力」系の技能で、理詰めで説得するなら「知性」系の交渉技能でやってくれ。新米らしくお願いするなら、……魅力系かな。


 六花はムレオサにおねだりして、オオマクガンの脂で作ったトーチを貸してもらった。オオマクガンとは、星覇王国にすむ巨大ヤシガニで、家畜としてよく飼われている。脚を広げた差し渡しは2メートル、体重は1トンにもおよぶ。
 六花と桜花は、尻尾の毛をふくらませて、おそるおそる泥土の中の穴に潜っていく。暗く、じめじめと湿った穴である。


GM 穴について調査、観察するなら、知性系/調査技能、難易度12の判定を。

六花 っておい、知性低すぎて、11以上出さないとムリなんだけど!(笑)

GM (ダイス目をみて)ああ、君らはその穴が何なのか、皆目見当もつかない(笑)。

六花 (アホっぽく)「深い穴だちゃー」

GM しばらく潜ると、分岐している。「調査」技能でどちらに行くか決めてくれ。

桜花 6ゾロ!

GM うおお! 桜花は、星覇にあるまじき天才的ひらめきによって、この穴がオオマクガンの巣穴らしいことに気づいた!

桜花 「……にょ」(どうやらGMの発言に語尾をつけただけらしい)

GM オオマクガン、つまり巨大ヤシガニね。乗用生物として星覇がよく使っているんだ。(用意しておいた甲羅を示しながら)胸甲の前半部にでもまたがって乗るのかねえ。ヤシガニは地面に穴をほるけど、木にも登れるんで、この王国では便利なんだ。
 しかし、六ゾロだから桜花は気づいている。このへんでオオマクガンが巣穴を掘るのはおかしいと。本来は、もう少し乾いた陸よりの土地に穴を掘るはずだ。

六花 「桜花、すごいちゃー」と感心している。「その変なオオマクガンをとっ捕まえるちゃ!」
 あ、ちなみに意識してなかったけど、まめ星覇もついてきてるんだよね。

GM うん、いつも一緒に行動してるから。3匹(人?)、ちっこいのが、みゃーみゃー言いながら、ちょこまかついてきている。さて、警戒判定をしてもらおうか。
 ……六花は気づいた。巨大なヤシガニが、装甲車をも破壊するハサミをふりたてて、ガサガサと迫ってくるぞ。

六花 いきなり星娘で攻撃してみる。例の、まめしんボール「向日葵蹴球弾」で。星娘の消費生命は3、「体力」で攻撃判定か。達成値が9。


 星覇は、まめ星覇と力を合わせ、様々な特殊攻撃をおこなうことが出来る。ヒマワリ種のまめ星覇がくるりと体をまるめ、球状になったところを、六花が思いきり蹴飛ばす。ヒマワリ弾は、空中を激しく突進しつつ、体表に無数の衝角を突きだし、敵めがけて突っこむ!

星覇と星娘。
豪星団という星覇属の特殊部隊で、特殊白兵武器を装備している。


GM 蹴球弾は白兵攻撃あつかいだから、ヤシガニも回避を試みることができる。10で回避した。君のヒマワリ星娘は、壁にめり込んだ(笑)。

六花 「ああっ、三ツ華ーー!!」(笑)

桜花 壁にめりこんじゃって、次の攻撃はどうするの?

GM 外れたものだから、「うみゅ~」って不機嫌な顔をして戻ってくるよ。自動で(笑)。戻ってくるから次ターンでも攻撃可能だ。

 星娘については、たまにGMが行動を描写することが望ましい。幼い獣人娘なので、子猫っぽく可愛らしい演出をするとよい。

桜花 じゃ、「肉弾強呪」でも使ってみるか。

GM 生命消費を記入しておいてね。桜花のまめ星覇が、「うみゅみゅ~」と難しい顔をして、小さな掌から、筋力増幅の電磁パルスを照射している。効果は次ターンから。
 次はオオマクガンの攻撃だ。岩のようなハサミがぶーにと振り回され、殴りかかってくる! 達成値は15。

六花 うわ、ムリ。9。まめしんガードとかないの?

GM ダメージは装甲で減って1点か。かすり傷だな。ちなみに、特に指定無い限り、攻撃目標になるのは、星娘じゃなくて覡(ゲキ)星覇のほうね。(ここは後で変更するかもしれない)

桜花 「ところで、こいつを倒しちゃっていい……にょ?」

六花 オオマクガンは星覇の財産だから、殺したらまずいか。

GM 判定に成功したら分かった。戦意を喪失させるぐらいが望ましい。

桜花 「んあー」(ダルそうに)

六花 「三華、もういちど向日葵弾ちゃ!」今度こそ!(ダイスをふる)

桜花 もう戻ってきてるんだ(笑)。

GM 「うみゃー!」くるくるー! あッ1ゾロ(一同笑)。
 蹴球弾は命中した。メカ戦闘あつかいだから、火弾・徹甲値7ダメージか。マクガンは、甲羅が砕け散って仰向けになり、ドクドク血を流している(笑)。戦意を喪失して奥のほうに逃げていく。君たちは気づくんだが、どうも、脱皮をするために巣穴を掘っていたらしい。

六花 「ちょっとやりすぎたちゃ? 死んでないからいいちゃ~」

桜花 ……ねえ。「肉弾強呪」の効果は?

GM 次で発動するはずだったんだが。ちなみに戦闘終了で効果はなくなる(笑)。

桜花 ええー! 発動させた意味ないじゃん!(一同笑)

六花 星娘が哀しそうな顔をしているかもしれないぞ。

GM まあ、少し耳を下げているだろう。「ふみゅ~」
 疲れているようだから、おんぶしてやらないといけないな。

 ふたりが巣穴の奥に行くと、先ほどのオオマクガンが、がくがくと震えていた。もう行き止まりである。

六花 「こんなところで脱皮しちゃダメなのちゃ!」

GM って、節足動物に話しかけても通じないよ(笑)。龍魂生物でもないから、龍魂で念話するわけにもいかないしな。だいぶムリがあるから、難易度20で。魅力系かな、判定してみて。

六花 20なんて絶対ムリ! あっ、6ゾロ。

GM ええー!(一同笑) では、奇跡的に何かを悟ったらしく、巨大ヤシガニは、巣穴を出て本来の居場所に戻っていく(笑)。

六花 「どうやら私の説得が通じたようちゃ」と、満足顔で穴を出る。

GM 周りには、何事かと他の星覇たちが群がっている。と、群れオサが、「待て! まだ終わってないのじゃ。何が原因でこんなことになったのか、その原因をつきとめるのじゃ」
 あっ、戦闘終了後だから、ふたりともキズナ判定をしてね。成功したら〈武魂〉というポイントが貯まる。
 ……桜花は、星娘とのキズナ判定に失敗した。ワザを発動させたのに、その前に戦闘が終わって役に立たなかったから、不機嫌なようだ。背負われたまま、ぐずりだして、桜花の背の毛をむしる。むしっ。

桜花 (笑)

 逃げたオオマクガンは、森の外れに逃げていく。二人の星覇は、大海樹林(マングローブ林のこと)の中を走り、そのあとを追った。GMは、オオマクガンを見失わないかどうか、知性で判定をさせる。マクガンは目の前にいるのに、六花は判定に失敗した。

六花 知性の判定が多いなあ。難易度の高い冒険だ(笑)。「ああっ、どこ! どこー!?」

GM オオマクガンは森の外れに出た。この辺りに行くと、だいぶ地面も乾燥している。木々も普通の樹種になっている。そして、このあたりにはオオマクガンの巣穴がたくさんあるんだが、どうも荒らされたような形跡がある。オオマクガンは巣穴に入りたくないらしく、うろうろしている。

六花 巣穴の中に何かあるんじゃないか? 巣穴に入って探ってみようか、と桜花と相談しよう。「きっと奥さんとケンカして戻るに戻れないのちゃ」

桜花 「なるほど。にょ。」(投げやり)

六花 そういえば、星覇の一人称って、自分の名前なのか。「ここは六花たちが仲をとりなしてやるしかないちゃ!」

桜花 「……穴に押し込むという手もある。にょ」

六花 いやそれは嫌がるとおもう(笑)。

GM 巣穴に潜るんだね? 知性、難易度10ね。

六花 星覇なのに知性判定が多いなあ!

GM 種属に関係なく、調査、警戒、戦術とか推理関係はどうしても知性が多くなるのは仕方がない。さて、巣穴に潜ってみると、奥のほうで、子供のヤシガニが何匹か死んでいるのが見つかる。

六花 ……夫婦ゲンカの惨劇?

桜花 (笑)

GM そして、子供ヤシガニの死体のそばには、幾つか空薬莢が。……しかしふたりは判定に失敗しているので、それが何なのか全く分からなかった(笑)。

六花 「きらきらしてて綺麗なのちゃ」かじってみるか(笑)。


 死体を調べたりしてみるが、ことごとく知性系の判定に失敗するので話が進まない。夜もふけてきたので、子供ヤシガニの死体をもってかえり、オサに見せようということになった。ふたりが巣穴を出ると……。


GM 警戒判定してね。……桜花は気づいた。小型の一人乗りシンテツが二両、強力なフラッドライトで照らしていて、「なんだ、誰か巣穴にいるぞ!」と、数人の男の声がする。そして銃の撃鉄を起こす音が。

六花 そんな状況なのに六花は気づいて無いのか(笑)。

桜花 「なんか、いるにょ。」

六花 「眩しい星だちゃ」

桜花 やばいよー!

男/GM 「なんだ、ヒトネコか。さっさと帰れ。俺たちの商売道具をいじくるんじゃねえ!」

六花 「しょうばいどうぐ? なんのことちゃ桜花?」

桜花 「んにょ??」

男/GM 「ええいッ、かまうこたァねえ。やっちまえ!」戦闘だ。イニシアティブをとってもらおう。知性で振ってくれ。
 ……こちらが13だから、こっちからだな。車載機銃で、バリバリと桜花を撃つ。射撃戦だから、難易度判定になるんだな。
 当った。もちろん徹甲値で、火弾ダメージ3ね。星覇は車輛データ扱いだから、装甲(毛皮)でダメージ減少していいよ。ダメージ2? 大して効いてないな。

六花 このゲーム、射撃に対する回避判定はないんだったな。

男/GM 「げええッ、重機関銃が当ったのに効いてねえ!?」

六花 「なにか面白い音がしているちゃ」

桜花 「なんか。ね。」

GM 撃たれていることがわからないほどアホではないよ(笑)。森の守護者として、誇り高い一面もあるからな。もう一両のシンテツは輸送用で武装がないから、そちらのターンで。

桜花 撃たれたから、星覇大剣で斬りかかることにするよ。

GM 刃渡り2メートル、重量数百キログラムにもなる大剣を構えて突撃するわけね。距離10メートルだから、まず、走りよるのに1ターンかかる。攻撃は次のターンだね。

六花 サザンカ種で「肉弾強呪」をかけよう。

男/GM 接近してきた桜花を撃つだろうな。近いから多少当りやすいはず。……当っているなあ。フルオート射撃だから3回判定がある。

 重機関銃の斉射は、ほとんど全弾あたったが、桜花の「生命」が三分の一減少したにとどまった。

男/GM 硬くて速いものが、ズドズド桜花に突き刺さってるんだが、わりと平気なんだな(笑)。男たちは、「な、なんだこいつらはー!?」

桜花 斬る。肉弾強呪で、ダメージが2倍なんだよね。白兵攻撃の達成値は9。

GM シンテツは回避した。地面が爆発したように吹き飛ぶ。

六花 「うちの一華が頑張ったのに、何をやってるちゃー! もういちど蹴球弾じゃ、三華!」……5.

男/GM 9、回避したな。「なんだあ、変なものが飛んで来たぞ!?」

 次の重機関銃の斉射を受け、桜花の生命は徐々に削られていく。すでに半減してしまっている。それでも退かず、無言で、桜花は巨大な剣を振り下ろす!

GM 星覇大剣が命中した。

桜花 ダメージが倍加してるから、12か。

星覇大剣


GM おおっ。一撃でシンテツは両断され、爆発した。中の人は重傷でムシの息だ。他のシンテツは逃走していく。

六花 「不法侵入したクセモノなのちゃ」と、ムレオサにこの男を引きずっていこう。そういえば何でこいつらはこんなことをしたんだろう。治療して訊いてみよう。

男/GM 「な、なんなんだここは……なんでこいつらは裸なんだ、ガクガクブルブル……」

六花 尋問してみる。魅力、14。

男/GM 男は震えながら言う。「実は、最近、帝国のほうで、オオマクガンの殻が良い薬になるってんで、金儲けしようと思って捕まえてたんだ」

六花 「話が長くてよくわからんのちゃ」

オサ/GM 長くないし(笑)。オサが言うには、「なるほど、そういうことか。では、この罪人は、帝国の役人にでも引き渡せばよかろう。街まで、オオマクガンにのって一週間ほどの旅路になるが、お前たち、いってもらえるか?」
 と、いうことで、六花と桜花は、戦いと育児の修行に、嫁探しもかねて、旅に出ることになった。

六花 ここから、六花と桜花の激しい冒険が……。

GM しかし、絶対にどこかで迷ったりしそうだよな(笑)。

桜花 あのね、星覇って知性が低すぎだよね。


 三龍戦騎RPG リプレイ第二話 六花と桜花 終わり

三龍戦騎リプレイ第二話 終わり

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