day10ー瞑想による心拍の変化
Ditto, B., Eclache, M., & Goldman, N. (2006). Short-term autonomic and cardiovascular effects of mindfulness body scan meditation. Annals of Behavioral Medicine, 32(3), 227-234.
今回はもろマイ研究トピック。
瞑想による心拍・RSA変化について。
背景・目的
マインドフルネス瞑想はストレス低減でよく治療に用いられている(MBSR)が、その生理学的機序はよくわかっていない。
TM瞑想に関する研究はたくさんあるが、今回はよりbriefな手段としてボディスキャン瞑想の効果について調べる。
実験1ー被験者間分析
実験参加者32人を、瞑想群、座って安静群、筋肉弛緩群に分ける。約15分ただ座り、約20分それぞれのセッションを実施。4週間練習し、同様の実験手順を繰り返す。心拍数とRSA(心拍と呼吸の同期具合、URLが詳しい)を計測。結果として、ANOVAを分析するとRSAのグループと時間に有意差あり。すなわち瞑想群のほうがRSA値が高く、それは練習することによってより向上した。
実験2ー被験者内分析
30人の実験参加者を、1回目に瞑想を実施し、2回目にリスニング(統制課題)を実施する群と、逆の順番で実施する群にわける。RSAとPEP(1回の拍動について、弛緩と収縮のタイミングに関する指標)を分析。ANOVAで有意差なし。
所感
まず、この論文はたまたま自分の実験に似たことをしていたので読んでみたが、グラフの差し違えがあるほどずさん。心拍で有意差出ないという知見は自分の実験でも再現できていたので、そこは共通。
RSAという尺度を使いたいと思ったが、これは心拍だけでなく呼吸タイミングも計測しないといけなかったようで、そこだけ誤算。論文探すときに次回以降注意。
(今回は完全に自分の研究用論文でした)