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國嶌りょう
2019年12月7日 12:30
どうしようもない寒気。ああ、ついに来たか。へろへろの体で電車に乗り込む。立っていられず手すりのそばに座り込むと、向かいの優先席に座るサラリーマンに怪訝な顔をされた。こちとら、いまそれどころじゃない。リュックとマフラーに顔をうずめて耐えていると、しばらくして肩を叩かれた。私より年上の、ショートカットの女性。「あそこ、席あいてますよ」と言われる。正直動くのもしんどかったが、わざわざ声をかけてくれ