クレームも落とし所の見当を付けてから/ただ闇雲に文句つけたってお互い得ることは少ない
先日の事。室内のちょっとした電気工事を電気屋さんにお願いした。天井灯の取り付け工事だった。初めてお願いするところだった。
その部屋の天井灯は元々は「引掛シーリング」というタイプのものだった。その引掛シーリングを天井に直につける照明に変更する。その工事は電気工事士の資格を持っているプロでないと施工できないことになっている。当然、みけ子はプロである電気工事屋さんに工事を発注した。
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取り付ける予定の天井灯はメルカリだったかヤフオクだったかで入手した「セミアンティーク品」で現在は製造販売していない物だった。そんなに古いものではなく、値段も確か1万円以内だったと思う。
室内の天井灯工事は無事に終わり、その日から新しい天井灯が使えるようになった。古い雰囲気のある灯に変わってみけ子は満足だった。
そしてその日から少々経った頃。天井灯がちょっと明るすぎることが気になった。古い明かりは多少照度を落とした方が雰囲気が出る。強い明るさが眩しくて苦手だったこともあり、自分で電球の照度を低いものに取り替えることにした。電球を取り替えること自体は難しい作業ではない。
それでガラスのシェードを留めてあったネジを緩めて、電球を取り替える作業をしたのだが……。
ガラスシェードが5〜6センチほどガッツリ欠けていたのだ。ガビ〜ン‼️
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天井灯のガラスシェードを外した時に、シェードの中に欠けたガラスのカケラが入っていた。購入した時点でシェードにキズなど無かった。そして取り付けられた後に大きな地震があった訳でもなかった。どう考えてもこのガラスシェードは取り付け時のミスによって破損したとしか思えなかった。
自分が気に入ってネットで選んで購入したセミアンティークのガラスシェード。その品物が、作業のミスによって壊されてしまった。その残念さとショック……。これをどうしたら良いだろう?
その時はすでに夜だったので、それを施工した電気店に伝えるとしても次の日になる。いくら使用に支障がなかったとしても、これは電気店にしっかり伝えなければ。だけど伝えるとしても、そのクレームの落とし所はどのあたりが適当なのか。考え込んでしまった。
ただその破損は取り付けられている状態では外から見えないものだし、天井灯としては問題なく使える。自分はただ、感情に任せてクレームをつけたい訳ではない。割合近場の電気店でもあるし対応も悪くなかったので、今後も工事の時は利用しても良いと思っていたお店だから。
自宅で使うものであるし、取り付けミスによって破損したと言う事を工事の人に理解してもらい、全額でなくとも購入時の金額の半分程度を返金してもらう。自分も相手方も納得する形での落とし所は、そんなあたりが妥当だと思われた。
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次の日にお店に連絡を入れ、その週のうちに工事した人に見てもらうことになった。破損の状態と保管していたカケラを見てもらって、「工事の時の締め付けが強すぎて破損したのだろう」ということは分かってもらえた。その上で自分は全額購入金額を弁償して欲しいのではないことと、購入時の大体の値段を担当者に告げた。(ちゃんと調べないと、購入時の正確な値段はうろ覚えだった)
こちらの意向も理解してもらい、その担当者からは謝罪とこちらで想定していた金額をその場で返金してもらうことになった。相手方が申し出た金額が自分の想定とほぼぴったりだった。
点検後、今後の使用にも支障がないことを確認。わざわざ来てもらったので、帰り際には冷蔵庫にあった缶チューハイを手渡した。
電球を取り替えるのが数年後だったら、クレームをつけるのも時間切れで諦めるしかなかったと思う。取り付け工事からそれほど時間をあけずに破損に気付いたから、きちんと両方が納得する落とし所に至った。
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何か問題が起こったとしても、ただその時の感情が波だった状態のままで「文句を言った」だけで終わってはこちらも相手方も良いことなど何もない。問題点をはっきりさせた上でどのようにその問題点を解消すれば、双方が納得いくのか。大体の見当をつけてから話を切り出して交渉する。そんな姿勢が大切なのかも、と思った出来事だった。
↓黒地に金粉で蒔絵が施された華やかな漆器。食卓の雰囲気を雅やかに変えてくれますよ♬
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