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パリ・マルシェ歩き#03/ビオマルシェ・ラスパイユ

https://www.youtube.com/watch?v=ld8cLqcjUe8

日曜日はマルシェ歩きを所望したいとのことで、朝は早く起きた。食事はしない。そのまま地下鉄に乗った。
地下鉄は12番Rennes。駅を上がったところにビオマルシェ・ラスパイユMarché biologique Raspail(Bd Raspail, 75006 Paris)がある。
https://www.paris.fr/lieux/marche-biologique-raspail-4515
このマルシェは前述したように1920年から始まっている。
ラスパイユ通りはオスマン男爵の作品だ。
彼の壮大な都市計画は、ナポレオン三世の命令一喝で始まったわけだが、中でもパリ左岸南北を抜ける道として建造されたラスパイユ通りは、彼の都市整備計画のハイライトともいうべきものだった。赤貧地帯だったモンパルナス地区を徹底的に改造し、南端はポルト・ド・ヴァンヴPorte de Vanves、北端はセーヌ川の近くまで続いている。
建物は典型的なオスマン建築様式で、いまでもその雰囲気を守っている。

僕らは(嫁さんと)は8時過ぎころにRennesに到着した。駅を出るとラスパイユ通りへ出た。地下鉄は大きな通りの真ん中にある歩道の所へ出た。マルシェはこの歩道を利用してラスパイユ通りを閉鎖して開かれる。しかし8時ごろだとまだまだ店は開店しきっていない。セッティングをしている最中の所が多い。全部の店が始まるまで、しばらく近くのカフェで朝食兼カフェをするつもりだったので、そのまま側道ではなく歩道を歩いた。
目的地はいつも通っているLe Raspail(58 bld RaspailParis 6th)だ。ここは7時から営業している。
https://leraspail.fr/
僕は歩きながら周囲を見回した。
「ラスパイユ通りは、オスマンがやった都市計画の象徴だ。通りに面した建物は典型的なオスマン建築様式だ」

「オスマン建築様式?」と嫁さんが言った。
ありがたいね、聞いてほしいことを聞いてくれる。
「ほとんどが6階建て。目の前に広い大通りがある。建物のファザードは石造り。色は白。あるいは象牙色が特徴だ。オスマン男爵の許にジャン=シャルル・アルファンJean-Charles Alphandという人がいた。彼が中心になってガブリエル・ダヴィウGabriel Davioud/ヴィクトール・バルタールVictor Baltardが作り上げた。
もうひとつオスマン男爵の都市計画で重要なのは重要なのは上下水道の完備でね、これはウジェーヌ・ベリーヌEugène Belgrandという人が担当した」
「すごいお金が必要よね」
「ん。それもナポレオンが仕掛けたことの一部でね、パリ革命から続く経済的な停滞を公共事業へ資金投与することで解決したんだよ。いつでもインフラ整備は経済の起動力になる」
「なるほどねぇ」
「彼ら設計者たちは整然としたシンメトリーを意図していた。だから建築されたビルは、すべて1階と最上階にバルコニーが置かれたんだ。特に最上階のバルコニーには装飾的に凝ったものを置いた。
そしてそれぞれのビルの窓は必ず左右対称で、床から天井までの大きなガラスをもつ所謂フランス窓にしている。
そして1階には大きなショーウィンドウが備え付けられている。
それとマンサード屋根な。17世紀にフランソワ・マンサールFrançois Mansartが考えた屋根だ。複数の確度を持っていて小さな小部屋が中に有る」
「あ。わかる。いかにもフランスっぽい屋根ね。ついでに小さな煙突がついている」
「ん。あれはマンサールが考えたもので、オスマン男爵が都市計画の中に取り込んだので、パリの典型的な屋根になったんだ」

Le Raspailに着くと、そのまま店の前のテーブルに座った。
「真冬でも店の外?」嫁さんが言った。
「パリだから」
Le Raspailの朝の定番は、クロワッサンとカフェ・オレ。プレーンオムレツかチーズ入りオムレツとオレンジ・ジュース。外のテーブルが座っていると、ガルソンが手際よく運んでくれた。。通りを挟んで目の前がマルシェの並ぶ通りだから、これを見ながらする朝食は好きだ。

マルシェ・ビオ・ラスパイユは、何回か通っているとマルシェ・バティニョール Marché Batignolles(34 Bd des Batignolles, 75017 Paris)に出店している生産者と重なっていることに気づくはずだ。きっと生産者は土曜日は後者そして日曜日はこちら、と掛け持ちしているに違いない。後者は地下鉄2番線Romeで行くバティニョール通りにあるマーケットで、雰囲気はマルシェ・ビオ・ラスパイユより高級路線を狙っているような気がする。もちろん掛け持ちして出店している生産者は取扱品を替えたりはしない。
並んでいる店は、果物/野菜/肉/乳製品/パンそしてジャム/蜂蜜/オリーブオイル、オーガニックワイン/チーズ/焼き菓子などが殆どだが、何れも小さい規模ばかりで、パリ周辺の農家が運んできたものを販売している。
僕が好きなのはO'Regal Muffins(Boulevard Raspail 71, 75006 Paris, France)で、ここは店は午後からじゃないと開かないのけどマルシェで出会うことが出来る
https://oregal-muffins.eatbu.com/


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勝鬨美樹
無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました